ヒメヒイラギの発光について




ヒイラギ科の魚は、発光体が体表に現れていない間接照明型の発光魚であるから、普通の沿岸魚であり熱帯アジアの各地の魚市場には年を通じて常に数種類が水揚げされ、干物としてどこでも見られるにもかかわらず、発光魚としては一般に良く知られていないばかりか、科学的にも本科の発光についての報告は近年に至るまで、ほとんど無い状態であった。

ヒイラギ科の魚は基本的には同一の構造の発光器を持っているが、オキヒイラギとヒメヒイラギは雌雄によって、発光体の形態、大きさに大差がある。即ち、sexual dimorphism が認められる発光器である。
ヒメヒイラギの雄の発光体は、特に生殖時期になると非常に大きくなる。
ヒメヒイラギの同一体長の雌雄の発光体の重さの比は雄と雌では25:1であった。

ヒイラギ科40種の発光器の構造は基本的には同一で、食道をとりまく環状の発光体(phot)反射器(鰓の内壁と体腔の内壁がグアニンによりなる銀白色となっている)。
それと脊椎を境とする魚体下半部、即ち胸部竜骨筋と腹部、臀部の筋肉が乳白色半透明となり光を透過、拡散するレンズ様構造の筋肉とからなっている。

発光体内には発光細菌Photobacterium Leiognathi が共生している。
発光細菌による発光であるから光は連続的であり、消光装置として、多くの種類は発光腺に黒色色素斑(Chromatophore)を持っており、これらの伸縮によって光の明減をコントロールしている。
ヒメヒイラギは、発光体のカプセルの上に可動な黒色の膜があり光を遮蔽している。
光を発するときは、この黒色幕が素早く移動するシャッターとなり、光の明滅をコントロールしている。


なお、発光細菌は、体内にフラビンモノヌクレオチド(FMN)というルシフェリンとデシルアルデヒドが共存し、ルシフェラーゼを触媒とし酸素によって酸化される際に発光する。(うーん、難しい  ^_^;)


引用文献

「ヒイラギ科 Leiognathidae 魚類の発光」 羽根田弥太・フレデリック辻一郎
SIENCE REPORT OF THE YOKOSUKA CITY MUSEUM,NO,23 December,1976

「発光生物」 羽根田弥太
恒星社厚生閣