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Artな 散 歩・過去記事 その3 こちらには既に会期が終了した展覧会の紹介記事を収容しています。
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2001/03/10生誕110年記念 岸田劉生 RYUSEI KISHIDA 公式サイト
◆愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)公式サイト
名古屋市東区東桜1-13-2 地下鉄東山線、名城線栄駅4番出口から徒歩3分2001/02/09(金)〜04/01(日)
午前10時〜午後6時 (金曜日は午後8時まで) 入館は閉館の30分前まで
月曜休館 ※2/12(月・祝日)は開館、2/13(火)休館
◆神奈川県立近代美術館 公式サイト
鎌倉市雪ノ下2-8-1 JR横須賀線鎌倉駅下車徒歩10分 鶴岡八幡宮境内入口付近2001/04/07(土)〜05/20(日)
午前9時30分〜午後5時(入館は閉館の30分前まで)
月曜休館 ※4/30(月・祝日)は開館、翌5/1(火)休館
岸田劉生は「麗子像」でおなじみ。
教科書などにもよく出ているので、見憶えのある人は多いと思われる画家です。
1891(明治24)年生まれ、1929(昭和4)年歿。
38年という短い生涯は、この国で”洋画”と呼ばれるジャンルが確立されてゆく時期
に重なります。デューラーとか初期ネーデルランドの画家たち、晩年には中国の宋・元代の絵画や浮
世絵……劉生は多くのものを学び、多くを吸収して描きました。特に自画像・肖像では、ポーズやサインの入れ方、文字の書き方からモデルの持ち物、
色彩にいたるまで、「なぜ、 デューラー?」と思われるほど。
実は私にとってはこの問いが一番わからない、答えが見つからないです。デューラーは1500年前後に活躍したニュルンベルクの画家です。
それがなぜに明治・大正・昭和初期という時代の日本の人にとってこれほどまでに重
要な手本となったのか。
結果、生まれたものは……愛嬢を描いたにしてはちょっと不思議な雰囲気を漂わせて
いると思いませんか?この機会にじっくりまた見て、考えたいと思います。
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2001/01/22絵画・立体・怪獣造型
マルチアーティスト 高山良策の世界展2001/02/03(土)〜03/20(火・祝日)
午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
火曜日(3/20は開館)練馬区立美術館 公式サイト
東京都練馬区貫井1-36-16
西武池袋線(有楽町線直通)中村橋駅下車徒歩3分
高山良策(1917-82)……誰?という人は多いでしょう。
シュルレアリスムの影響を色濃く漂わせる幻想的な画風の作家、といってもピンとこ
ない。でも、なんと、ウルトラQやウルトラマンでおなじみの怪獣たちや「大魔人」
の生みの親。この展覧会では前衛的な絵画作品やデッサンのほか、あの愛らしいカネゴンやペギラ
をはじめ、アニメや絵本の仕事に関連する資料も展示されるそうです。
もちろん、大魔人のオリジナルにも会えそう。**********************************************************************
2001/03/10さてようやく行って来ました。期待以上にいい展覧会でした。
戦前から80年代までの長きに渡る多くの作品が展示されています。高山良策にとって絵はほとんど独学で身につけたもの。
それだけに、これらの作品の数々からは、試行錯誤を重ねつつ、自分にとって最適な
表現領域を探ってゆく道筋が伝わってきます。作品からは、その時々の時代の趨勢や、海外の美術からの影響がみてとれます。
そしてそこからの脱却、”自分だけのもの”へと到達するまでの格闘が。
70〜80年代、シュルレアリスム的な表現へと達したあたりが特に面白かったです。妖怪や怪物、また変形した電話や手袋、埴輪や縄文土器といった”異形のもの”への
執着は古くからあったらしく、繰り返し描かれています。
こうした常ならざる存在の有り様の描写というものは、不安や恐怖、憂鬱や焦燥など、
人の感情に形を与えたものといえるかもしれません。つまり、漠として形のないものに形を与える作業が、”表現”といってよいでしょう。
これはふとした思いつきだけで作れるものではありません。
長きにわたって試行錯誤を重ね、練り上げ、造形物として充分に成熟させてこそ、描
いた本人以外の人々をも共感せしめるものとなると思われます。いってみれば鍋一杯のスープ、それはまだまだ濃度は低い。
それを長い時間をかけて煮詰めに煮詰めたあげく、最後に残ったわずかなエッセンス。
それこそが、”表現”として結実する何ものか、ではないでしょうか。その道程は「楽しいから描く」といった気楽なノリではないかもしれません。
最後に到達するエッセンスは人の真似などであっていいはずもなく、真に作者の個性
を発現したものでなければなりません。
その意味でこの展覧会は、一人の画家・造形作家のきわめて真摯な創作活動の記録です。ウルトラQやウルトラマンなどに登場する怪獣たち……いまなお多くのファンを擁す
るあまたのキャラクターも例外ではなくて。怖さ、不気味さ、可愛らしさと愛嬌、そんな、いろんなものが同居したような、一度
見たら決して忘れられない個性的なキャラたちが生まれたのも偶然ではないのだな、
と非常に納得できます。多くのフィギュアや制作日誌、写真パネルなど、怪獣関係の展示もとても充実したも
のでした。ファン必見。
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2001/01/22MAXIM DU CAMP
マクシム・デュ・カン展−150年目の旅−2001/02/10(土)〜03/25(日)
午前10時〜午後8時(入館は7時30分まで)
月曜休館 ※2/12(月・祝日)は開館、2/13(火)休館三鷹市美術ギャラリー 公式サイト
東京都三鷹市下連雀3-35-1 JR三鷹駅前CORAL5階
1849年10月、中近東へと旅だった二人のフランス人がいました。
彼らの名はマクシム・デュ・カンとギュスターヴ・フロベール。デュ・カンは写真機を携えていました。
発明されたばかりでやっと普及し始めたばかりの写真機です。
そして、1年間にわたる滞在のあいだに2000枚におよぶ写真を撮影し、のちに
「エジプト・ヌビア・パレスチナ・シリア」という写真集を刊行しています。この展覧会では19世紀半ばの中近東の遺蹟や風景を写した貴重なデュ・カンの写真を
みることができます。中近東の国々の近代史は、西欧列強国の植民地政策に振り回され続けた歴史です。
現在のパレスチナ問題も、そのような歴史的経緯なしに語ることはできません。
しかし同時に中近東は、19世紀の芸術家たちの好奇心や冒険心を掻き立てずにはおか
ない憧れの地でもあったのです。
この時代、画家や小説家など、多くのヨーロッパの人々が中近東探訪を果たしています。
彼らは異文化との接触から大いに刺激を受け、啓発されて、それを創作活動に反映させ
ました。マクシム・デュ・カンが旅の途上で撮った中近東の写真は、芸術作品ではなく考古学的
に正確な資料をめざしていたそうですが、当時の多くの人々に大きな影響を与えたに違
いありません。※ギュスターヴ・フロベールは「ボヴァリー夫人」などで知られる小説家。
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2000/08/03四谷シモン−人形愛
大分市美術館 終了(2000/06/03〜07/16)
小田急美術館(新宿駅西口) 2000/08/23(水)〜09/10(日)
※8/29(火)は休館
午前10時〜午後7時30分(最終日は午後5時まで)/入館は閉館の30分前まで宮城県美術館 2000/11/03〜12/17
徳島県立近代美術館 2000/01/20〜03/11
札幌芸術の森美術館 2000/04/01〜05/27人形作家であり、唐十郎主催の劇団「状況劇場」の俳優でもあった四谷シモン。
向田邦子系TVドラマにもよく顔を出していたのでご存知の方も多いはず。
人形の代表作約50点とその他の資料を含めた展示だそうです。
これだけの規模の展覧会はおそらく初めてじゃなかろうか、と思います。
楽しみ。
圧巻です、この大規模な回顧展は。
今までの代表的な作品、それもごく限られた、作家自身と直接交流のある人々の
あいだでそっと秘蔵されてきた、そんな作品をかなり多くみることがるのだから。
雑誌などに掲載された写真で、かすかに見た記憶はあるそれらの人形。
もうすでに遠くなってしまったかのように感じられる70年代や80年代の作品に
この展覧会で実際に出会えたのはうれしかった。しかしこの展覧会が、そして四谷シモンという作家が「すごい」と納得させてくれ
るのは、郷愁さえ漂わせる旧作ばかりではない。
近年では作風がどんどんストイックになっている。
苦行者、キリスト、そして作者自身といった要素が合体した男性像。
それはもう「人形」というものが喚起する一種、あまやかさと怖さの混じった、
それでいて”愛玩”という言葉も使うことを許されるようなロマンチックなイメー
ジとは遠い。
それらは、それ自体が強烈な存在感を放ち、作者の、そして見る者の、内面の苦
闘や諦念や葛藤、そんな諸々の思いを吸収したり、また反対に発散したり、その
時々で表情を変える見事なオブジェなのだ。東京展はまもなく終了になってしまいます。
興味のある方、これから先の巡回各館でぜひご覧になることをお薦めします。
(2000/09/07 up)![]()
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