その他いろいろ篇................フェイク/ニック・オブ・タイム/ドンファン
フェイク Donnie Brasco (USA 1997/127min)
ネタバレ、注意!
監督 Mike Newell.................マイク・ニューウェル
原作 Joseph D. Pistone.....ジョセフ・D・ピストーネ/Richard Woodley リチャード・ウッドリー
脚本 Paul Attanasio............ポール・アッタナージオ
出演
Al Pacino..........................アル・パチーノ (Bejamin ’Lefty’
Ruggerio レフティ)
Johnny Depp....................ジョニー・デップ (Joseph D. Pistone/Donnie
Brasco
ジョセフ・D・ピストーネ/ドニー・ブラスコ)
Michael Madsen.........マイケル・マドセン (Dominick ' Sonny
Black' Napolitano ソニー・ブラック)
Bruno Kirby......................ブルーノ・カービィ (Nicky ニッキー)
James Russo....................ジェイムズ・ルッソ (Paulie ポーリー)
Anne Heche......................アン・ヘッシュ (Maggie Pistone マギー・ピストーネ)
その他大勢
ドニー・ブラスコ、実はジョセフ (ジョー)・ピストーネ (デップさま) はFBIの囮捜査官。身分を偽ってマフィアの組織に入り込んでいるんだから、もしバレたら八つ裂きくらいじゃすまないでしょうってくらい恐い仕事で、ヒリヒリするような緊張感の漂う毎日。その分、デップさまの眼光ミョーに鋭く感じられ、なかなかのもの。
アル・パチーノが扮するのは、いつまでたっても組でのし上がれない初老の男ベンジャミン
’レフティ’ ルッジェリオ。26人殺ったとかいっていて、殺しは得意らしいのだが要領が悪い。その代わりちょっと人情肌っぽくて、”うらぶれ感”
たっぷり見せてくれてる。お得意の役どころ。
「昔はならしたもんだが、今じゃなあ…極道の世界も変わったもんだぜ」 的な役柄はちょっと 『カリートの道』 と被ってるかも。この映画よりはもうちょっと若い感じだけど。
首尾良くレフティの弟分になることに成功したドニーだけど、息子のように可愛がってくれるレフティにだんだんと親近感を抱くようになって、”男の友情”
っぽくなっていくわけです。
しかし任務は遂行せねばならず…最後まで自分を信頼してくれるレフティと、もう
FBI なんだかマフィアなんだか、ワケわかんらんようになってしもたドニーの見交わす目と目が哀しい…ってな結末でした。
なんつうかまあ、マフィアものならひとつ派手に ”頂上作戦” でやって欲しかったような気もいたします。そのほうがゴージャス感があるもん。そういう
”いかにも” なマフィアものをハズすのがこの映画の趣旨というのは理解できるけども、囮捜査のターゲットにされているのはまるで中間管理職みたいな立場のマフィアたち。貧乏臭くて哀れな感じ。
なんぞといいつつも、なんといってもデップさまゆえ、目を皿のようにしてみてしまう一品であります。
始めのほうのシーンで、レフティと会話することに成功して一緒に店を出て行く時、バーテンとチラッと目を見交わして「やったぜっ!」って感じでかすかに笑うんですよね。そこがお気に入りのシーン。
デップさまファン向けコメント
ほとんど黒にみえるダークな色で短髪。オールバックにピッタリとなでつけているマフィア・ヘアは案外似合ってましたね。こういう髪型ってさらに美形度を強調しているような
(ほっといてください)。
で ”グラサン” にシャツの襟をジャケットの上に出したりするダサめのチンピラ・ファッション。それでもあの美形ぶりですと、どうしてもチンピラには見えないのは否めません。
FBI エージェントに戻った時のほうがなんだかホッとする。そのほうが似合ってるんだもん。頭良さそうだし。最後のほうでドニーの身元が割れる写真が何枚か出てくるんだけど、そのモノクロ写真のなかでも際だってかっこよく写っているデップさま。FBI
という組織の中でも、いかにも優等生といった感じ。
役柄的には渡瀬恒彦っぽい人がしっくり来る感じ……と、やっぱし邦画にこだわってしまふワタシ。すいません、好きなもんで、邦画の極道ものが。
デップさまがこの作品に出演した理由を勝手に推測すると…
その1:アル・パチーノと共演してみたかった。
その2:実録物が好き。
その3:未経験のマフィアものに出演してみたかった。
…ってなところでしょうか。
それにしても、潜入捜査で手柄を立てた特別ボーナスが$500とは。たったの。1978年のことなので物価10倍としてみたって雀の涙。実話どおりなんだろうか。実話では5年にわたる囮生活だったということなので、だとするとなおさらひどい。FB
Iの上役の発言に囮捜査官を使い捨てっぽくいう発言もチラッとあったりして感じ悪いったらありゃしません。
ピストーネが本書いてがっぽり儲けようと考えたのも当然でしょうね。家族にも思うように会えず、離婚の危機に瀕してまで取り組んだ捜査の報酬があれでは。むろん給料はもらっているにしても安そうだし。
んでピストーネにはマフィアの懸賞金50万$がかけられていて、今でも秘密の場所で仮名で暮らしている…と映画の最後に出てきた。いくらお役所ってところが度し難いとしても、命のお値段、違いすぎ。命をはった囮捜査、あげく、さらに命を賭けた実録本出版。なんだかどこまでも割に合わない。
ちょっとしたメモ
日本料理店、気持ちわりー。あちらモノに日本絡みのネタが出てくるとたいてい気持ち悪いんだけど、やっぱり気持ち悪かった。お出迎えのおばさんの化粧もモノ凄いし。支配人みたいな男の人は日系というより中華系っぽい感じ。まあそれはいいとして、ドニーが靴を脱ぎたくないと言い張ったおかげでボコボコにされて気の毒だったな。
全然関係ないけど、いつだったかスペインで入った日本料理店。やっぱし靴を脱いで座れる畳の小部屋がたくさんあった。ところが畳にワックスがかけてあって、なんかテカテカしていてしかも足の裏に張り付く感じがサイテーだった。ほんまに気色悪い。でも寿司とかけっこう美味しかったけど。
ドニーの奥さん役のアン・ヘッシュ、『サイコ』 にも出てますね、リメイクのほうの。ヴィゴさまの恋人役。んで、アリーmyラブにもね。
ギャングの一人、ポーリー役のジェームズ・ルッソは 『ナインス・ゲート』 にも。コルソの友人で古書店をやっているバーニー。
(2003/03/01 DVDにて 2003/03/11up)
ニック・オブ・タイム Nick of Time (USA 1995/89min)
ネタバレ気味注意!
監督 John Badham ジョン・バダム
脚本 Patrick Sheane Duncan パトリック・シーン・ダンカン
出演
Johnny Depp ..................ジョニー・デッ
プ (Gean Watson ジーン・ワトソン)
Courtney Chase...........コートニー・チェイス(Lynn Watson リン・ワトソン)
Charles Dutton.............チャーズル・ダットン(Huey ヒューイ)
Christopher Walken.....クリストファー・ウォーケン(Mr. Smith スミス)
Roma Maffia.....................ローマ・マフィア(Ms. Jones ジョーンズ)
Marsha Mason................マーシャ・メイソン(Gov. Eleanor Grant 知事エレノア・グラント)
Peter Strauss.................ピーター・ストロース(Brendan Grant ブレンダン・グラント)
Gloria Reuben................グロリア・ルーベン(Krista Brooks クリスタ・ブルックス)
その他大勢
娘を人質に取られて、闇雲に暗殺を強要される ”普通の人” ジーン・ワトソン (デップさま)。与えられた時間はたったの1時間半。いやもう、大変です。
どこを向いても時計だらけ、映画の進行とストーリーがシンクロしていて、スピーディーな展開がなかなか気持ちいい。けっこうドキドキ、ハラハラしながらあっという間に最後までいってしまうテンポのよさ。
知事を暗殺するのに、なにもそんな手の込んだことしなくても…というツッコミは誰でも思いつくところではありますが、ここは一つ、デップさま主演ゆえ笑って見過ごしましょう。
なんとか助けを求めようとするも、首謀者の悪者 (ウォーケン) に始終見張られていて動きがとれない。だからって、「はい、わかりました」
と知事を殺すこともままならず、トホホ顔で右往左往するのが似合ってました。
平凡な税理士という設定なのに、肝心のところではミョーに銃の扱いがうまい、というのはわりといつものパターンかも。
知事暗殺に絡んでいる人々が町のお歴々なのにたいして、孤立無援のワトソン君を助けてくれるのが義足の復員軍人で靴磨きのおじさん、ホテルのボーイさん、同じくホテルのお掃除のおばちゃんとかだったりするあたり、アメリカ人好みなのパターンかも。好きですけど、こういうの。
デップさまファン向けコメント
グレーの普通のスーツっていうのも割合めずらしいですね。髪は短かったけど、ツンツン立っていているところがナイス。眼鏡、けっこう似合ってましたね。
ホテルの吹き抜けでの宙づり、実際にやったみたいですが、恐そう。
ラブ・シーンは一切なし(笑)。父と娘のお話って感じ。普通のお父さんという雰囲気はちゃんと出てましたけど。娘リン役の子がめちゃくちゃかわいい。しかもおしゃまで、「まだおっきくないけど、赤ちゃんじゃないもん!」とかいったりする。
ちょっとしたメモ
クリストファー・ウォーケン、相変わらずですな、ちょっと訳わからん役で。ワトソン君の夢のシーンで、殺したハズなのに生き返ってくるってあたりで爆笑しちまいました。こんな手の込んだ暗殺計画、ウォーケンならば趣味でやりそうっぽい感じ。
知事役のマーシャ・メイソン、いかにも 「知事でございます」って感じ。板についてました。
靴磨きのおじさん役のチャールズ・ダットンという人は、面白い経歴ですね。IMDbによると、7年半、服役して出所してから演技の勉強をして、大学にも行っているらしい。努力の人なんだなあ。なかなか、そこまで這い上がれないでしょうに。
知事のアシスタント役のグロリア・ルーベン、どっかで見たなあと思ったらERのレギュラーでした。懐かしいな。
『ニック・オブ・タイム』っていう邦題はなんとかしてー。誰にもわかんないって。日本人、エイゴ不得意デース。「制限時間イッパイ」ってな意味でしょうけど。そのまんまじゃねー。もうちょっと工夫したらどうですかね。
(2003/03/03 DVDで 2003/03/11up)
ドンファン Don Juan DeMarco (USA 1995/98min)
ネタバレ気味注意!
監督 Jeremy Leven ジェレミー・ルヴェン
脚本 Lord Byron バイロン卿(←ドン・ファンのキャラクターっていうクレジットですけど笑える)
Jeremy Leven ジェレミー・ルヴェン
出演
Marlon Brando...................マーロン・ブランド (Dr. Jack Mickler 精神科医ジャック・ミックラー)
Johnny Depp .....................ジョニー・デップ (Don Juan DeMarco ドンファン)
Faye Dunaway....................フェイ・ダナウェイ (Marilyn Mickler マリリン・ミックラー)
Geraldine Pailhas..............ジェラルディーネ・パイラス (Donna Anna ドンナ・アンナ)
Rachel Dishy.......................レイチェル・ディシー (Dona Inez ドンナ・イネス)
Talisa Soto..........................タリサ・ソト (Dona Julia ドンナ・フリア)
その他むちゃくちゃ大勢
お伽話もここまで徹底していればなにも文句はございません。
自分をドンファンだと信じて疑わない青年、女性を愛し、女性に愛されるために生まれてきた
”愛の貴公子”
いやむしろ ”愛の伝道者” というべきか…うっわあー、なんじゃそりは! って、それがデップさまですもん、おかしかったよー!
彼が語るドンファンさまの華麗な愛の遍歴を聞いているうちに、なんだか妙に浪漫チックな気分になってしまうのはドン・オクタビオ・デ・フローレス殿…実は彼を治療しなければならない精神科医ミックラーばかりではないでしょう。
彼はもう老年に達し、リタイア目前。「燃え尽き症候群だよ」 なんて周囲にも言われていて、ちょっと情けない感じ。マーロン・ブランドはかなり太ってしまって、いくらなんでも、もう少しは若い人のほうがよかったのかも、という気がしつつも、そこはやはりマーロン・ブランドですから。ま、いいか、と我慢して鑑賞すべし。
でそのミックラー医師が、自分の人生について、妻との関係について、急に色々と考え始めちゃうわけです、ドンファンの啓発で。どっちが患者なんだかわかりゃしません。
妻:退職したらどうするの?…夫:君をもっと知りたいんだ…妻:なにいってるの急に…夫:君がどんな夢をみているのか、とか…妻:(ここで妻、泣く)うれしくて…。いや〜、なんだかジンと来てしまふ。
これはデップさまファン必見であるのみならず、けっこうどなた様でも楽しめるとびきり贅沢な一作ではないかと思われます。ただし、”大人の童話”
をゆるーい気持ちで受け入れる心の準備は必要かも。
スクリプトがいいんですよね、ドンファンさまの言葉が。なぁ〜んか…とろけそう(笑)。
けど、フェミ方面からは石でも槍でも、何が飛んできてもおかしくない、かも。女性を
「マドンナ」「永遠の女性」 と祭り上げるとは何事、そんなんは男に都合良く女をモノ扱いしているのである、とか。
ドンファンさまが 「まだ生まれぬわが子らを彼女の目のなかに見る」 とささやいたら、「女は子供を産むためだけの存在じゃない!」
とかね。「まあ、いいんじゃないの? たまにはお伽話で夢をみても…」 なんていおうものなら、「なにをおっしゃいます、こういうのは男の勝手な女性像を拡大再生産する悪しき…」
もうやめとこ。
いやはやとにかく、メキシコから、どこだかわけからんオリエントの国からエロス島(笑)へ。ドンファンの数奇な運命は続きます。ヴィデオしかないのが残念。DVDにして!
デップさまファン向けコメント
1502人(+α?)…笑えた。どうぞお好きなように、人生一度きりですからして、楽しく暮らしてくださいませ。しかし、よく正確な数を憶えているもんですね
(つっこむなよって!)。それにしても、こういう役、ピッタリですね、きゃは。
まんま怪傑ゾロな衣装もよくお似合い。時代劇風の白いシャツの胸をはだけたところなんぞも。
爆笑はハーレム、すなわちスルタンの後宮のシーン。美女1,500人、ゾロゾロ…あ、だから人数が正確にいえたのか…え?
ってことは全員?(もうよしなさいって)。そのただ中へ女装して入っていってニヤニヤするシーンも笑えますねぇ。
女装して濃いメイクをした姿はまるでヴァレンチノ(1895-1926) みたい。いやブランド品のことじゃなくて、往年の超美形スターとしてならしたルドルフ・ヴァレンチノのこと。31歳の若さで世を去った時、何万人もの女性ファンが悲しみに暮れて泣き濡れたという伝説のスター、ヴァレンチノ。別に顔が似てるってわけじゃないけども、イメージが重なってしまった。
こういう思う存分やりたい放題の時代劇、やってほしいなあ、ダメ? ダメですか? でしょうね…よっぽどお気に入りの監督の作品とかなら別でしょうけど。
マーロン・ブランドをとても尊敬しているらしいデップさま。共演できてうれしかったでしょう。このあと自分で監督した
『ブレイブ』(1997) に出てもらう布石になった…のかどうかは、ぜんぜん知りません。
フェイ・ダナウェイは 『アリゾナ・ドリーム』(1993) に続いての共演。数年前とあまり変わらないところが恐いですね、フェイ・ダナウェイ。素敵ですけど。
ちょっとしたメモ
ブライアン・アダムスが歌うテーマ曲、すごくいいなと思ったらいくつも賞、獲ってる。やっぱりね。
ワタシ的には気に入った一作だけど、 「コッポラ製作!」 と大々的に銘打つのはいかがなものか、と若干思わないでもないです。
(2003/03/03 ヴィデオで 2003/03/11up)
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