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  ヴィゴさま=Viggo Mortensen 特集 その1

28 Days   28Days(2000)Columbia Pictures/104 min

監督:Betty Thomas   ベティ・トーマス
出演:Sandra Bullock   サンドラ・ブロック     (Gwen Cummings グエン・カミングス)
    Elizabeth Perkins エリザベス・パーキンス (Lily グエンの姉リリー)
    Viggo Mortensen ヴィゴ・モーテンセン   (Eddie Boon エディ・ブーン)
    Dominic West   ドミニク・ウエスト     (Jasper グエンの恋人ジャスパー)

ニューヨークでライターとしてバリバリ働く女性、グエンが主人公 (サンドラ・ブ ロック)。でも、彼女はアル中で薬中。毎晩、毎晩、パーティーだなんだかんだと、酔っぱらってばかり。で、ついに依存症更正施設に送られるハメになって、そこで過ごす28日間の様子が描かれる。

ヴィゴはやはりお酒と麻薬、そして女(笑)で入所してくる野球選手エディ・ブーンという役。

小粒ながらよくまとまったいい映画でした。

テーマ的には重いけど、暗くならない描き方で笑える要素がたくさんあって。でも主人公の女性は、母もアル中で早死にし、姉と二人、苦労して育ってきた人だって事がだんだんわかってくる。

姉はけっしてハメをはずさない優等生、妹はハチャメチャ人生……で、当然仲が悪い。姉は妹に迷惑ばかりかけられているし。そんな二人がやっとのこと和解する場面なんて、泣けました。

ヴィゴは人柄は悪くないけど、いささか単細胞なスポーツマン・タイプという役どころをなかなか上手くこなしてます。自分も依存症と闘っていて、数々の大失態に心底、自己嫌悪に陥っている模様。

そんな彼が同じく 「こんなワタシ、自分でも大嫌い」 と本音をもらすグエンを優しく見守って力づけくれるというわけで、この二人、きっと先々、ドラマチックな再会をしてお互い助けあいながら生きていくんだろうなぁ〜と希望がもてるエンディング。

ファッション・ウォッチ
サンドラ・ブロックはけっこう好感度高かったな。厚生施設で過ごす日々では、ラフだけど可愛いTシャツやパンツ姿がいい。まぁ、普通の人じゃあこんな格好、所帯じみちゃって様にならないでしょうけど。

鉄腕アトムとウランちゃんが飛行艇みたいなものに乗っている絵の着いたTシャツを着ているシーンもあったっけ。ちょっと厚手でビッグな感じで長袖。色はグレー。ボトムには縞のダブダブしたパンツ。その格好で木から落っこちて気を失って倒れているところをエディー (ヴィゴ) に発見される。

グエンを抱えて施設に入ってくるエディーの姿もおかしいけど、マジメな顔で 「女性同伴は禁止」 みたいなことをいう受付のおばさんもいいよな、ほんとに。 でエディーが答える、「同伴じゃないよ、ひろったのさ」。好きなシーンです(笑)。

「外の生活」 の時はニューヨークのキャリア・ウーマンらしい、黒の革のコートなどを小粋に着こなしてました。パンツもインナーも黒で、髪をキュッと小さめにまとめて、仕事できそうな感じを出していたみたい。あんな黒の革コート、欲しいなあ。しかしサンドラ・ブロックはかーなり細身ですねぇ……。  

ヴィゴ・ファン向け限定情報
思ったより登場シーン多く、重要な役。野球選手なので、スポーツウェアみたいなもんを着ていることが多いから、衣裳的には地味ですけど。

メイキング・シーンでは、大笑いしている姿なんかも見られます。けっこうお茶目な人みたい。上にも書いたけど、笑えるシーンもあり。ベタな昼メロのファンっていうのもオカシイ。ヴィゴ・ファンなら一件の価値ありのDVDでしょう。

ちょっとした疑問。ヴィゴは筋肉質で引き締まった体型だけど、西洋人としては細身だし背もそんなに高くない(たぶん180cmくらい)。なのにプロ野球の選手ってのはチト無理がないかい?まぁ、それほど違和感はなかったですけど。

小学生くらいの男の子たちにサインを求められるシーンもあったりして、それなりに名の知られた選手という設定なのでしょう。森のなかでマットレスに向かって投球練習するシーンもあって、それはそれで 「らしかった」です。

ちょっとした疑問コーナー
依存症更正施設が禁煙じゃないってのはちょっと意外(もちろん自室ではダメで喫煙コーナーか屋外だけど)。「禁断症状が出ている人にタバコは必需品なのよ〜」 みたいな会話があった気がするので、せめて煙草だけは許しているってことかいな。よくわかんないんだけど。

してみると、喫煙撲滅運動に熱心なU.S.A.ですが、アルコールや薬物に比べりゃはるかにまし、みたいな捉え方もあるのだろうか。わからないー。

(2002/06/23 日乗にup、2002/06/30改訂 DVDにて)

    

ダイヤルM   The Perfect Murder(1998) Warner Bros./107min

監督:Andrew Davis    アンドリュー・デイヴィス
出演:Michael Douglas  マイケル・ダグラス  (Steven エミリーの夫スティーブン)
    Gwyneth Paltrow グィネス・パルトロウ(Emily スティーヴンの妻エミリー)  
    Viggo Mortensen ヴィゴ・モーテンセン(David エミリーの愛人デヴィッド)

ヒチコックの有名な 「ダイヤルMをまわせ」 のリメイク。 原題は The Perfect Murder。

一口にいうと、ニューヨークのお金持ちの 「よい暮らし」 がよーくわかる映画。 METの斜め前くらい、窓の外にはセントラルパークが広がる豪華なペントハウス。そこに住まうとある夫婦が主人公。

夫 (マイケル・ダグラス) は企業家でいかにもな ”エグゼクティヴ”、妻 (パルトロウ) がこれまたリッチなご家庭のご出身。仕事は国連職員で数カ国語に堪能。

実家に帰るシーンで登場するお屋敷がまたすごい。NYの町中と違って森のような広々とした緑のなかに建ってました。門から玄関まで車で何分?みたいな。まぁあっちは土地が広いから、大邸宅もけっこう沢山あるんでしょうけど。

NYのペントハウスはヨーロッパ調にしつらえられた落ちついたインテリア。壁には現代美術がぞろぞろと飾ってある。彫刻なんぞもある。そんなとこばっかり目が行ってしまったり。

夫が Barneys NY の袋を下げていたりするあたりもさすがNY、またもや行きたくなってしまった。

ヴィゴはこのリッチな”妻”の愛人で、古い倉庫であやしげな絵を描いている売れない絵描きの役。アトリエに置いてある作品はすべて、ヴィゴ自身が描いているとのことなので、ぜひ見てみたかったのも正直なところ。

それはそうとこの映画、ヒチコックと比べるのもちょっと可哀想だよな〜ってな気がするほど、スリラーとしては若干、緊張感欠け気味だったかも。

というわけで、NYのお金持ち&売れない絵描きの生活がよくわかる映画……って結局初めに戻ってしまった。おしまい。

ヴィゴ・ファン向け限定情報
ヴィゴとグウィネス・パルトロウは、この共演をきっかけに ”付き合っていた” という噂あり。ヴィゴご本人は否定しているみたいですけど。

長髪のヴィゴは芸術家タイプで、しかもアウトローな、どっか得体の知れない薄気味悪さみたいなものを出すのにピッタリだった。

グウィネス・パルトロウは、好き・嫌いの別れる女優さんかも。典型的なハリウッド型美人女優とは言い難いし。けど、知的な雰囲気を出せるいい女優さんだと私は思います。「リプリー」の時もわりとよかったし。ヨーロッパ的な雰囲気に合う人。ヴィゴともピッタリと思うけど……。

この映画でのヴィゴ扮する ”愛人”、私おもうに設定が中途半端。もっと悪に徹するか、あるいは今までは悪いことしてきたけど、今度だけはほんとに愛してしまったのだ!みたいな感じにするか、どっちかにすりゃいいのに。

アトリエに置いてある絵はすべてヴィゴ自身が描いたものであることは有名な話。どっかのインタビューで 「自分で描かせてくれ」 と申し出て了承されたのはいいけれど、あまり時間がなく、ものすごく沢山の絵を何日間も徹夜で仕上げて大変だった……なんていっていた。

作品は大きめのキャンパスに写真やその他いろんなモノを貼り付けたり……これをコラージュといいますが、そういうもの。その上からさらに絵の具で描いたりもしている。

これはどうもヴィゴの普段の制作手法みたいだ。実物を見たことがないので、よくはわからないけど。ヴィゴは写真にも熱心で、個展もやっている。写真の作品集や詩集も出版している。2002/07にもNYで個展をやったらしい。著書のサイン会も。うー、行きたいよー、NYへ!

それはともかく、床においた作品に覆い被さるようにして太めの刷毛で絵の具をビシャッ、ビシャッと投げつけるようにして塗りつけているシーンは、ちょっとキレていて、いい演技でした。「貧相な愛人役」 と書かれてるのも見かけたけど、私は好きっす。

ファッション・ウォッチ
パルトロウの着る服がまたいいんだ、これが。一貫して黒が基調。NYを歩いていると時々みかける、センスの良さと質の良さが滲み出るような、シンプルだけど上等のお洋服。 黒の小振りのケリー・バッグ (もちろんエルメス) を持っている場面もあったよ うな。

ヒチコック版ではグレース・ケリーの役だから、このバッグが登場したのは、もしかしたらメモリアル的な意味もあるのかも。

METのオープニング・パーティ (もちろん、一番グレードの高いやつ) のシーンでは床を引きずるくらいの黒いドレス。この時だけ、髪を優雅にアップにしていて似合っていた。んが疑問が。普段あんな短い髪なのにどうやってアップにしたのだろー。

それはともかく。四畳半どころではすまない広々したウォークイン・クローゼットにずらりと上等のお洋服が。パーティ・ドレスもいろんなのがあってリッチぶりがうかがえます。

ヴィゴは売れないアーティストなので、服装は一言でいって薄汚いっぽい(笑)。長髪はなかなか似合ってました。スティール写真で見るよりも、映画のなかの動く映像のほうがずっとかっこいいです。METのオープニングのシーンではさすがに上下黒のシックな装いにしてました。けっこう似合ってます。

”夫”役のマイケル・ダグラス。仕立てのいいスーツにコート。さすがにエグゼクティブだけあってキマってます。とりわけ好きなタイプの俳優じゃないけど。この人のバリっとした服装と、よれっとした愛人=ヴィゴの服装は好対照。

バーニーズ・ニューヨークの袋の中には靴が入ってましたね。ああいう人が買い物に行って違和感のない店なのか、バーニーズって。私はこの店が大好きで、横浜店(マリンタワーのそば)に時々行く。NYに行った時にも必ず寄る。いつぞやはNYで二軒もハシゴしてしまった。服はあまり買ったことがないんだけど、なんたって小物が気が利いてる。ベルトとかバッグ、アクセサリー、そしてスカーフや帽子のタグイ。他のお店ではちょっとない、変わった感じのが時々見つかります。

入り口にドアマンのおにいさんがいるので有名?かも。

ちょっとした疑問
エミリーと変わった風貌の刑事さんが会話していたのは何語? わかったヒト、教えて!

エミリーは国連職員らしいんだけど、愛人と昼日中っから浮気してます。そんなに暇なのか? 国連職員。というか、お金持ちなので、フリーランスの通訳みたいな仕事なのかな。疑問…。

(2002/06/23 日乗にup、2002/06/30改訂 DVDにて)

      

ある貴婦人の肖像    The Portrait of a Lady. 1996 イギリス

監督:Jane Campion   ジェーン・カンピオン
原作:Henry James    ヘンリー・ジェイムズ
出演:Nicole Kidman   二コール・キッドマン(イザベル・アーチャー=”ある貴婦人”)
    John Malkovich  ジョン・マルコヴィッチ(ギルバート・オズモンド=イザベルの夫)
    Barbara Hershey バーバラ・ハーシー  (マダム・マール)
    Martin Donovan  マーティン・ドノヴァン (ラルフ・ダチェット=イザベルの従兄弟)
    Viggo Mortensen ヴィゴ・モーテンセン (キャスパー・グッドウッド)
    Valentina Cervi  ヴァレンティナ・チェルヴィ (パンジー=オズモンドの娘)

19世紀後半のフィレンツェ、ローマは素晴らしい。 19世紀後半の衣裳もなかなかいい。……以上おわり……じゃ身もフタもない。凝りまくったセットや光の描写は美しかったんだけど、お話そのものがちょっとなぁ、説得力ない感じがした。

大勢の男に求婚される若くて美しいイザベル。しかも、ひょんな事から叔父の財産の一部まで相続して大金持ちになっちゃうっつーんだから、人もうらやむ身の上。

なのによりによって、求婚者たちのなかでも一番パッとしない嫌なヤツを選んでしまう。案の定、彼=オズモンド (丸子ヴィッチ) は財産狙いで愛情のカケラもなく、横暴でサイテー!

彼女への思いを募らせつつも、病弱ゆえ求婚に踏み切れない従兄弟のラルフってのがまた……俳優さんにもうちょっと魅力が欲しかったかも。

ヴィゴの役はアメリカから彼女を追いかけて来て、イザベルが結婚したあともずーっと諦めないストーカーみたいな男。この人の性格がまた、今一つハッキリ描けてない。ちょこちょこ登場するわりには、どんな人柄なのかちーともわからん。ひたすら 「愛してます! 結婚して!」 それだけ。

アメリカの誇る大作家、ヘンリー・ジェイムズの書いたお話か? これが。読んでないのでわからない。ほんとうはどんな話なのか、知りたいな (いや、もしかしたら字幕ナッ○のせいもあるのかも知れないケド)。しょうがない、岩波文庫全3巻、読んでみるかなぁ。っつーか、そんな長い小説を映画にするのが大変だっただけなのかもしれないけど。

ちなみに、ヤーコプ・ブルクハルトの 「チチェローネ」 が発表されたのは1855年、「イタリア・ルネサンスの文化」 は1860年らしい。

ヴィゴ・ファン向け限定情報
ヴィゴ扮する人物 (キャスパー) の性格が今一つハッキリしないもんで、存在感が希薄。アメリカからヨーロッパにやってきて、一体なにしてるんでしょう。ただイザベルに求婚してるだけ?仕事は? などなど、疑問が浮かびます。

イザベルは横暴なオズモンドをようやっと振り切って従兄弟ラルフの臨終を看取るわけだけど。そのお弔いの直後に 「さあ、今度こそ僕と結婚して!」 とイザベルに迫るキャスパー (ヴィゴ)。

おいおい、君ねぇ…ちょっとは慎みなさいよ、と思うのは私だけではないでしょう。しかもどんな人柄かよくわかりませんから。オズモンドと別れてキャスパーと一緒になっても、単に”横暴な夫”の首がすげ変わったに過ぎないのかも知れないじゃないのよお!

イザベルの態度も曖昧で、求婚されても何もいわず、ただ逃げるのみ。でも、まんざらでもなさそうな感じもあったりして……みたいな歯切れの悪い結末。ちょっとイライラさせられます。

フェミニズム的にいったらイザベルは、自立願望を持ってはいても結局は男=夫なしでは生きていけない、そんな 「依存する女」 といわれちゃうのかも? 原作ではいったい全体どうなっているんでしょう。 だから原作読みなさいってば!>自分  ※岩波文庫では 「ある貴婦人…」 ではなく 「ある婦人の肖像」 です。

ファッション・ウォッチ
ファッションはなかなかよかったです。19世紀半ばの堅苦しいドレスですけど。色調は押さえ気味なれど、襟元やなにか、可愛くて、今でもマネできそう。

ちょっとしたツッコミ
夫ギルバート・オズモンド (丸子) の姉?だかなんだかの役、シェリー・デュヴァル Shelley Duvall だったのね。『シャイニング』 でニコルソンの相方をやった人。『シャイニング』 の時からして既に 「あんたのがよっぽどコワイよっ!」 ってなツッコミ可能な女優さんだったけど、この映画ではすっかり変なオバさんになりきってました。


(2002/07/08 日乗にup、2002/07/15 改訂、加筆 DVDにて)

      
 
ヴィゴさま特集 その2へ行く 「オーバー・ザ・ムーン」「カリートの道」

未見のヴィゴ登場作品リスト(主なモノのみ)
Psycho (USA 1998)
La Pistola de mi hermano (Spain 1997)
G.I. Jane (USA 1997)
Albino Alligator (USA/France 1996)
Daylight (USA 1996)
The Prophecy (USA 1995)
Crimson Tide (USA 1995)
American Yakuza (USA 1994)
The Indian Runner (JAPAN/USA 1991)


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