蔵書票に関する出版物

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「本の話」(文藝春秋)表紙の蔵書票はいつまで続く?

<2009年も続いています。>

   

<第一回掲載分>

<最近の掲載分>

『菊地 寛への蔵書票』
 (山本容子作)
「本の話」表紙から
(1995年7月号、文藝春秋発行)

『A.デュマの蔵書票』
 (山本容子作)
「本の話」表紙から
(2009年1月号、文藝春秋発行)

この「本の話」も創刊以来14年目を迎えていますが、ここに掲載された山本容子氏作の
数々の蔵書票に登場した作家名リストもどうぞご覧ください。その選択もまた面白いと
思います。
 
版画家山本容子氏の銅版画による蔵書票が出版社の小冊子「本の話」の表紙を飾るように
なったのは、この冊子の創刊号が出た1995年7月からです。票主として内外の作家が対象
になっていますが、毎号その独特のタッチの絵と巻末近くにある200字余りの表紙の言葉が
面白く、この冊子の定期購読をやめられないのであります。本当にいつまで続くのでしょうか。
いずれ1冊の本にまとめられて出版されるのではと期待して待っておりましたが、不安もあり
「本の話」の創刊号から表紙とその言葉のページを切り取って大切に保存しています。今年に
なっても、このシリーズが続いていて安心しています。
 
「本の話」(1995年12月号)に、山本容子氏自身が[特別企画]「エクスリブリスの愉しみ」と
題して、表紙を飾る蔵書表は、毎回その作家達と一対一で語る内緒話を絵にしたものである
とか、普通の蔵書票のように四角い形をとらない訳などを語ってくれています。
「蔵書票ジャーナル」第八号にも同氏に対するインタビュー記事が出ていました。

 

<山本容子さんが対話した作家たち(掲載順)>

<1995年>

菊地 寛 シェイクスピア 芥川龍之介
サン・テグジェペリ 三島由紀夫 トルーマン・カポーティ

<1996年>

樋口一葉 ジェイムス・ジョイス 森 鴎外
フィッジェラルド 与謝野晶子 プルースト
太宰 治 ヘミングウェイ 宮澤賢治
アガサ・クリスティ 江戸川乱歩 エドガー・アラン・ポー

<1997年>

幸田露伴 ホルヘ・ボイス・ボルヘス 寺山修司
コレット 萩原朔太郎 サルトルとボーヴォワール
川端康成 レイモンド・チャンドラー 林芙美子
チェーホフ 植草甚一 バーネット女史

<1998年>

夏目漱石 ランボー 岡本かの子
カミーユ・クローデル 谷崎潤一郎 リチャード・ブローティガン
稲垣足穂 カフカ 森茉莉
レイモンド・カーヴァー 内田百聞 アルベール・カミュ

<1999年>

池波正太郎 モンゴメリ 坂口安吾
魯迅 向田邦子 トルストイ
小林秀雄 エミリー・ブロンテ 中上健次
コナン・ドイル 宇野千代 ダシール・ハメット

<2000年>

司馬遼太郎 ポール・ニザン 有吉佐和子
チャペック 石川啄木 ビアトリクス・ポーター
立原正秋 ジャン・ジュネ 吉屋信子
ボリス・ヴィアン 柳田国男 ディケンズ

<2001年>

浅田次郎 村上春樹 池澤夏樹
吉本ばなな 村上龍 ウィリアム・モリス
ゲーテ ヘンリー・ミラー 小泉八雲
トーマス・マン ジャン・コクトー マルグリット・デュラス

<2002年>

泉鏡花 G.グリーン 山頭火
マーク・トウェイン 開高健 グリム兄弟
高村智恵子 マーガレット・ミッチェル 南方熊楠
ドストエフスキー 山口瞳 W.フォークナー

<2003年>

井上靖 ロマン・ロラン 円地文子
ヴァージニア・ウルフ 藤沢周平 アンデルセン
中原中也 ボードレール 北原白秋
エミリー・ディキンスン 正岡子規 ルイス・キャロル

<2004年>

高村光太郎 ヘルマン・ヘッセ 立原道造
ヴェルレーヌ 野口雨情 アポリネール
長塚節 ジャック・プレヴェール 佐藤春夫
アンドレ・ジッド 室生犀星 モーパッサン

<2005年>

武者小路実篤 サマセット・モーム 青山二郎
バーナード・リーチ 北王路魯山人 サガン
野上弥生子 テネシー・ウィリアムズ 岸田劉生
T.S.エリオット 梅原龍三郎 アレン・ギンズバーグ

<2006年>

直木三十五 オーウェル 幸田 文
アンネ・フランク 夢野久作 ケストナー
白洲正子 ファーブル 石川 淳
ロアルド・ダール 吉田健一 ト−ベ・ヤンソン

<2007年>

白洲次郎 ジュール・ラフォルグ マラルメ
河上徹太郎 ヴァレリイ サン=サーンス
フォーレ 堀辰雄 パブロ・カザルス
草野心平 コルトレーン ジョージ・ガーシュイン

<2008年>

ミヒャエル・エンデ シートン 伊藤 整
エスコフィエ バッハ ロッシーニ
マネ ロートレック マチス
シャガール ウィリアム・モリス モネ

<2009年>

A.デュマ エディット・ピアフ ビリー・ホリディ
パウル・クレー ピカソ 片岡球子
星 新一

 

<山本容子さんの本>

《山本容子の美術遊園地》

山本容子さんの創作活動の全容を紹介する
ということで、「山本容子の美術遊園地」展が
朝日新聞社の主催で行われています。

●伊勢丹美術館(東京)
[平成14年1月3日〜1月28日(済)]
●神戸大丸ミュージアム
平成14年3月21日〜4月2日]
●大阪・心斎橋大丸ミュージアム
平成14年4月11〜4月23日]

 

同展覧会の図録です。
 

●一人のアーティスト、山本容子さんをよく知るということでは、この展覧会は非常にうまく
構成されています。とにかく、彼女のデビュー時代から今日の多岐にわたる活動まで含め、
会場では銅版画だけではなく、様々なスタイルの作品に接することができます。
●しかも、それらの作品に極めて大きなものもあれば、目をこらせて覗きこむようなものも
あります。また、銅版画などの制作過程を見せるビデオも会場で常時流していますから、
時間をかけて楽しむことができました。まさに遊園地なのです。
●山本容子さんの作品が、文学や音楽との関わりが深いことはよく分ります。展覧会の
後であらためて図録を丹念にながめてみて、またその感を強くしました。様々な書物の
表紙を手がけられていることにも驚きをかんじましたが、それは当然なのでしょう。
●蔵書票ファンとしては、「本の話」の表紙に現れた蔵書票の現物を沢山見られるものと
期待して会場に出かけましたが、『スコット・フィッジェラルド』の一点だけだったのが少し
残念でした。

 


《山本容子さんの『読書のルセット』》

「本の話」の2001年3月号から7月号までかけて、山本容子さんの『読書のルセット』が連載
されました。<ルセット(recette)>とはフランス語でレシピーのことだそうです。
山本容子さんは今まで数十回にわたり蔵書票を通じて内外の作家と対話を繰返されました
が、それらを通じての絵画・版画と文学のお話を5回にわたり書かれておられます。

bullet第一回 カポーティへ、カポーティから
bullet第二回 リア、ヴィアン、チャペックへのごあいさつ
bullet第三回 ジョイスと遊ぶ、シェイクスピアを覗き見する
bullet第四回 文豪たちと戯れる
bullet第五回 変容するジャン・コクトー

このシリーズも表紙の蔵書票と同じようにもっともっと続けてほしかったのですが、残念ながら
この5回で終わりました。まだ読まれていない方は、山本容子さんのオフィシャル・サイトから
リンクされている株式会社文藝春秋のホームページで読むことができました。今ではもう読め
ないかもしれません。

<山本容子オフィシャル・サイト: http://y-yamamoto.cplaza.ne.jp/

 

 


「本の話 絵の話」
(2001年12月刊 
文藝春秋)

『文学とアートの幸福な結婚についてお話
しましょう。72人の作家の肖像とオマージュ
に加えて、銅版画を選んだ理由、好きな本
のかたち、文豪との「戯れ方」、アートの挑戦
……美術家・山本容子のすべてがここに
あります。』 この本の帯にあるコピーです。
内容は、大きく次の三つに分かれています。
@本の話、A人の話、B絵の話
この内、Aは「本の話」誌の表紙を飾った
72人の作家の蔵書票と解説文を集めた
ものです。

●本の話
「読書のルセット」が、そのまま収録されています。


●人の話
1995年7月から2001年12月の間に、「本の話」の表紙に登場した殆どの作家が掲載
されています。実際の表紙にプリントされたものと本の上とでは、その色合いや大きさが
違うものもありますが、こうしてまとめて観賞できるのは蔵書票ファンにとり嬉しいことです。
このシリーズは7年も続いており、山本容子さんのそのエネルギーはすごいものだと感じ
ます。絵だけではなく、200字程度の作家に関する文章が必ずついています。日頃から、
山本容子さんの文学に関する造詣の深さは、今までの多くの作品や著作を見ても判る
ことですが、それにしてもこの様に簡潔にまとめた文章を毎回書くのは大変ではないかと
思います。そのことにつき、『あとがき』の中で秘訣を披露されています。各回の文章の
最後の方にある言葉をひとつ選び、それを次の人物の言葉として使うという枠組みなの
です。こうすると、限定をして苦しくなるが、反面なぞ解き気分になり、多方面から考える
ことになり、入口が見つかると言われるのです。このことには気がつきませんでした。
あらためて全部の文章を読んでみて成る程と感心しました。実際にどのように繋がって
いくのかを、どうかこの本をとっくりと読んで確かめてみてください。

●絵の話
山本容子さんの銅版画制作における技術と方法論や、好きな美術家達の話が続きます。
自分の作品を構成する『要素』は沢山あるほどよい、新しい要素の発見は常に進行形で
あるというのです。これらを読むと、山本容子さんの作品がより身近に感じられると思い
ます。

 


「グリーティング」
(2001年12月刊 講談社)

『*私の歳時記*
風の色、雨の音、山の姿にも四季折々の
名前がある。それは日本ならではの豊かな
自然の贈り物。』 この本の帯にあるコピー
です。
これは本当にオシャレで楽しい本なのです。
もとは、ホテルニューオータニ大阪の広報誌
"Greeting"に1993年から1999年にかけて
掲載された銅版画とエッセイに季語をつけ、
加筆・改稿して構成したものと解説にあり
ます。版画は全てカラー刷りなのです。

 


「山本容子プラハ旅日記」
(2001年7月刊 文化出版局)

これはちょっと変わったオシャレで素敵な本
なのです。表紙の青いノートは山本容子さんが
昨年の春、初めてプラハの街を訪れた時に
持っていかれたというスケッチブックです。
中のページの色は真赤、そこに旅の途中で
出会った様々なものが書かれたり、画かれたり、
貼り付けられたり、またそこにメモが書き込まれ
たりして、実に楽しいものです。
蔵書票の表紙にも現れたチャペックの街、
そしてカフカの仕事場でもあるのです。
いい本なのでちょっとご紹介しました。
 

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