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バルカンの古都 ヴェリコ・タルノヴォ Veliko Tarnovo/ブルガリア
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古都ヴェリコ・タルノヴォの黄昏 バルカン山脈/2002年・冬 |
| 複雑に蛇行するヤントラ川の絶壁の上に開けたブルガリアの古い町ヴェリコ・タルノヴォは、かつて12世紀、第2ブルガリア帝国の首都として繁栄を極めた。その後、東ローマ帝国(ビザンチン帝国)をも圧倒する勢力に発展したが、14世紀後半から500年に及ぶイスラムの強大な勢力オスマン・トルコ帝国の支配が始まる。ブルガリアがトルコからの完全独立を果たすのは1879年になってからである。その厳しく長い独立運動の中心的な存在であったのが、この哀愁漂う古都・ヴェリコ・タルノヴォであった。 この日、ヨーロッパ全域が「この冬一番」と言われた強力な寒波に襲われ、ここヴェリコ・タルノヴォも気温氷点下15℃を記録した。ブルガリア・バルカン山脈の山懐にサラサラと音もなく粉雪が舞い、凍てつく寒さに震えながら静かに眺める歴史ある古都の黄昏は余りにも優し過ぎる。 その情景は久しぶりに私を感傷的にしてくれた。それはめったに経験することのできない旅の貴重な時間となり、印象的で十分な満足感を覚えるに相応しい充実した「人生の時」でもあった。旅行シーズンでない、この厳しい極寒の真冬の東欧に存在するからこそ、自分の心の奥底へ、静かに語りかけることのできる時間でもある。
![]() 密集するヴェリコ・タルノヴォ旧市街/2002年・冬 1982年以来、20年ぶりに訪ねたブルガリア・バルカン山脈の古都ヴェリコ・タルノヴォは、かつて軍の兵士達だけが目立った緊迫状況の東西冷戦の時代とは異なり、90年代の民主解放により明るくなった人々の表情やミニスカートのウェイトレスが応対する流行りの西ヨーロッパ風カフェテリアの開店など増えていた。しかし街全体の佇まいは以前とほとんど変わらず、東ヨーロッパ特有の優しい雰囲気と静けさで私を迎えてくれた。 風もなく、ただ気温だけが低い極寒の中にあって、穏やかな東ヨーロッパの典型的な冬の風景を見せる古都の街。砂岩の絶壁に寄り添うように密集する旧市街の家々の窓や降り積もった粉雪の屋根が、厳しい気候に耐えながら重なり合いひっそりとその風情を醸し出している。このヴェリコ・タルノヴォの静寂な美しさは、心の奥に確実に刻みつけねばならない、そう感じた瞬間であった。 ヴェリコ・タルノヴォ観光局URL: http://www.velikoturnovo.info/setLanguage-1/ |
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