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ローマ時代のエフェソス都市遺跡 Ephesos/トルコ


エフェソス都市遺跡・「野外劇場」
エーゲ海沿岸地方/2004年・夏
  トルコ・エーゲ海沿岸で最も大きい都市はイズミールである。エフェソス遺跡はイズミールから更に南方へ70kmのセルチェク郊外に残されたローマ時代の都市遺跡群である。規模的にエーゲ海沿岸地方で最大級と言われるこのエフェソスには、大規模でかつ広範囲に渡って連続的に遺構が残されている。遠からず、このエフェソス都市遺跡もUNESCO世界遺産に登録されるであろう、と個人的には思っている。
  サイトに残る最も大型の施設は、山の斜面を削り造営した収容能力24,000席を有する横幅145mの大野外劇場である。ベルガマ遺跡の客席1万と比べてその大きさは歴然としている。音響効果の素晴らしいこの劇場建造は紀元前3世紀で、娯楽施設であった劇場の収容人数から想定できる古代エフェソスの最盛期の人口は25万人とも言われている。
  列柱道路や大理石の全面舗装の大通りに代表される広く豪華な道路、所蔵12万冊の当時世界第三番目の規模を誇ったセルシウス図書館を初め、レリーフ彫刻の美しいローマ皇帝ハドリアヌス皇帝の神殿、紀元114年に完成した高さ12mのトラヤヌスの泉など、複雑で精緻溢れる大理石装飾で満たされた数多くの大型建造物の遺構が連続して残されている。
  完成が紀元117年であるセルシウス図書館の2階建て・高さ11m・幅17mの見事な正面入口ファザード部分は、現代建築でも比較できないほどの規模と壮麗さがあり、当時の建築技術と芸術性の高さに賞賛を与えるべき建造物の一つと言える。その他、市民のための施設である浴場や体育館、教会堂や音楽堂など、どれをとっても大規模で比較的良好な状態で保存されている。

  またトルコ・エーゲ海沿岸地方は古くからキリスト教との関わりが深い。エフェソス都市遺跡の南方の山には、イエス(キリスト)が処刑された後、イエスの母(聖母マリア)が迫害を逃れるためにエルサレムから離れ、使徒ヨハネに付き添われこの地に移り住み、晩年を過ごしたと伝えられる礼拝堂・「聖母マリアの家」がある。「聖母マリアの家」はパウロY世以降のヴァチカンの歴代教皇も参拝し、さらに毎年教皇庁からの使者の参拝があることは広く知られている。また伝承では美しき女性マグダラのマリアは聖母マリアと使徒ヨハネと共にこのエフェソスに住み、この地で没したとも信じられている。

  セルチェクの街からエフェソス遺跡へ向かう途中には、“世界七不思議”と言われた石柱1本が残るアルテミス神殿跡が、さらにセルチェクの街の北西端にある丘には使徒ヨハネが葬られた大理石の墓と聖ヨハネ教会も残されている。
  その他、セルチェクの緑の公園近くにあるエフェソス博物館では、豊穣を意味する有名な2体のアルテミス像を初め、エフェソス遺跡から出土した彫刻品を筆頭に25,000点の収蔵品を誇り、エフェソスの都市遺跡と共に観光の重要なスポットとなっている。
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