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「歴史の証人」・イスタンブール Istanbul/トルコ


中東最大都市・イスタンブール
「地下宮殿(大規模地下貯水池)」
2004年・夏

 
  1973年以来31年ぶりにトルコの中心都市イスタンブールを訪ねる機会を得た。
かつて330年、街はローマ皇帝コンスタンティヌスⅠ世が建設し、それ以来「コンスタティノポリス」と呼ばれ、世界経済の中心をなした東西交易ルートの要衝であり、ローマ帝国の東西分裂を初め歴史に刻む大きなうねりの舞台であり、キリスト教もイスラム教もこの街に留まり、宗教を背景とした興隆と衰退と戦いの場所でもあり、街が生まてから1700年が経過した現在でも、なおも発展を続ける中東最大の歴史都市イスタンブール。この「歴史の証人」の街を抜きにして、地中海世界も、中東も、イスラム世界も語れない。

  発見以来人々に“地下宮殿”と呼ばれるこの名所は、実はかつて東ローマ・ビザンティン帝国・ユニティニアヌスⅠ世の時代に、現在の旧市街地の地下に建造された大規模な地下貯水池である(紀元565年完成)。それは時代が経過した中世オスマン時代でも使用されていたとされ、現存のローマ時代の地下貯水池では最大級と言う。当時、黒海方面の森から水道橋などを経由して運ばれた水(説)がこの地下の大空間に溜められ、トプカプ宮殿を初め権力者に関わる施設に供給されていた。
  巨大とも言える地下貯水地は横70mX幅140mの圧倒される程の面積を有し、焼きレンガでびっしりと詰められたアーチ型精巧な交差ヴォールト構造の天井は、優美な彫刻が施された柱頭をもった花崗岩製の高さ8mのコリント様式大理石柱で支えられ、まるで「宮殿」である。4mおきに配置された大理石柱は何と総数336本を数えると言う。
  一般公開されている現在の“地下宮殿”は、橙色の照明が創り出す幻想的とも神秘的とも言える不思議な雰囲気に満たされ、地上では気温40℃の熱射の真夏であっても、ここだけは一年中ひんやりとした歴史の残した空気が漂っている・・・

                         
                           「ブルー・モスク 礼拝の場」/2004年・夏
                             

  古くからイスラム世界では、「モスクの大きさは権力の象徴」と言われる如く、このブルー・モスクは他に類を見ない程の規模と内容を誇る。その言葉通り、権力者スルタン・アフメットⅠ世が1616年に建立したブルー・モスクは、6本のミナレット(尖塔)をもつ優美で壮麗なモスクで、美しさと調和のとれた内部空間は見る者を感動させずにいられない。
  53mX51mの広さを誇る「礼拝の場」は、その中心が高さ43mのドームに覆われている。モスクの天井と内部が余りに高く広いため眺めていてもその正確な距離空間を認識できないほどだ。直径5mの太い柱のみならず、全ての壁面は淡いブルーがかった細かな幾何学文様で装飾され、それが250か所以上あるステンドグラスの窓を通して入ってくる光に神秘的に反射している。ブルー・モスクは現在でも市民の通常の礼拝の場所であり、多くの信者の頭を垂れ祈りを続ける姿が後を絶たない。イスラムは祈りの世界である・・・

                         
                             「グランド・バザール」/2004年・夏
                            

  「バザール」と言っても、他の国で見かける小規模な「市場」のレベルではなく、イスタンブールのグランド・バザールは全ての建物と通り全体が屋根で覆われている大規模な施設である。グランド・バザールの歴史は古く、1453年ビザンチン帝国を陥落させたメフメット2世が、商人の取り引きのためにこの場所に最初に建てたのが始まりと言われ、その後550年間連綿と続いているのである。現在では、イスタンブールを訪れたツーリストが必ず足を向ける重要な観光スポットになっている。
  バザールの中の狭い通りは複雑に交差して、多くの通りには 絹織物屋通りとか、宝石屋通りなどと扱う商品ごとに通りに名称が付けられ、類似の商店はかたまって商売を行っている。このバザールではトルコ産商品のあらゆる品物が手に入ると言われ、宝石・貴金属を初め、絨毯、タイル・陶器類、革・布製品などから、子供の玩具やエキゾチックな女性の下着まで販売されている。
  現在でも、多くの店では商品に値札を付けておらず、売り手と買い手は交渉で値段を決める中東特有の「駆け引き方式」が息づいている。そこかしこでやり取りが行われ、時間が許す限り、プロの売り手に負けじと「値引き交渉」を行うツーリストの姿は、かつて31年前、1970年代の初めに訪れた時と全く変わっていない。例え1時間かけて、やっとのことで値引いた値段が実は元々の価格であることが分かっていても、そのやり取りは苦笑いを伴い生涯忘れることのできない歴史の大都市イスタンブールの想い出となるであろう ・・・
  イスタンブール観光局URL: http://english.istanbul.com/

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