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南ボヘミア地方チェスキー・クルムロフ Cesky Krumlov/チェコ共和国
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チェスキー・クルムロフ 王城を取り巻く旧市街の真冬の黄昏 ボヘミア地方/冬 ![]() |
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| チェコの南ボヘミア地方や東方のモラビア地方の多くの町には、かつて繁栄した中世の香りを漂わす「旧市街」と呼ばれる古く美しい街並みが多く残されている。数百年前の過去の日、町を支配していた王侯貴族の絶頂期が過ぎると発展や拡張は殆どみることなく、街は流動的で盛衰な歴史の中で、ある時は破壊され、或いは放棄され、人々から忘れ去られてしまう。その結果これらの街は時間の止った中世の姿のまま、偶然に現代に残されてきたと言える。そんな複雑で混乱とした人々の物語を秘めた歴史の街は、至る所で古い時代の面影と雰囲気を醸し出し、心で旅する人達へ期待通りの情緒を提供してくれる。 ボヘミアの美しい街チェスキー・クルムロフを貫くように、南方のドイツ領の森を源流として首都プラーハ(プラハ)へ流れ下るヴルタヴァ川(ドイツ語・モルダウ)が流れる。鉄分含有が多いためか、豊富な水量を誇る川の色は透明ではあるが幾分茶色がかり、街の中を「S字」を書くように驚くほど極端なヘアピンカーブを描き、更に蛇行して流れる。 川の流れでえぐられた起伏に富む複雑な地形と共に発展してきたチェスキー・クルムロフは、東欧を旅する時、時折出会う典型的な中世の街の一つであるが、際立つのはその比類のない美しさであると思う。この小さな町の小高い丘に建つ王城も、それを取り巻く石畳の旧市街地も、地形的な条件から決して整然と造られてはいない。しかしその雑然的な雰囲気が旅する人々の心を癒し、何かを優しく訴えているような気がする。 ![]() 雪景色のチェスキー・クルムロフ旧市街 ![]() 昼間、うっすらと粉雪で覆われ、まるで絵本に出てくるような美しいチェスキー・クルムロフの旧市街が、早い時刻にやって来る真冬の夕暮れへと移ろいで行く。午後4時、西空を占めていた弱々しい夕焼けの残照を受けて淡い桃銀色の輝きを放していた旧市街が、時間の経過とともに透き通る青紫色のベールに包まれ、やがて空気は何とも言えない美しい色彩に染まり始める。極寒の冬の時期、吹く風もない晴れた日の黄昏、夜の闇が迫り来る直前に、超微粒子フィルムに捉えられた澄み切った空気と微妙な光が奏でる一瞬の美しい光景だ。 チェスキー・クルムロフの旧市街地を緩やかに蛇行して流れるヴルタヴァ川は群青の鏡面と化し、イルミネーションに輝く王城や高い塔を写し出す。中世からの長い時に耐えてきた家々の朱色の屋根に僅かに積もった粉雪の白さと窓辺の灯りが、氷点下の気温の中にあっても、この風景を眺める人の心を間違いなく暖かくしてくれる。 耳を澄ませ、目を凝らして、こんな雪景色の穏やかな空間と柔らかい時間が完璧に溶け合う東欧の古い小さな街が奏でる繊細な「協奏曲」を聴き、物音しない雪景色の舞台を眺めながら、初めてこの美しい街チェスキー・クルムロフを訪れた2000年初秋以来の感慨に独りふける時、旅行が「旅」となり、旅が「人生の旅路」へと変容していく課程をはっきりと感じる。 遠いかの地を訪れる旅行の方法や感じ方は人それぞれである。かつて訪れたことのある場所に再訪できた幸運をかみ締めて、季節こそ異なるにしても、かつてと同じ場所に立ち、同じ光景を眺めながら、全く同じ感慨を覚える自分を不思議に思ってしまう。そうだ、これが自分流の旅なのだ。これが心に刻む遥かなる「時」なのだ・・・と、思考を更に遠くへ飛翔させる。無風ながら氷点下に下がった気温の中、これが「東欧」なのだと自分へ言い聴かせ、この真冬の旅を納得させる・・・
チェスキー・クルムロフ観光局URL: http://www.ckrumlov.info/ |
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