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野生動物との遭遇 サバンナ草原の「ゲーム・サファリ」 Game-Safari/南アフリカ


サバンナ草原を行くアフリカ・ゾウ
ピラネスバーグ国立動物保護区
クァ・マリタネ・ゲート北方6km付近
2008年・秋(現地・春)
  南アフリカの国土は日本の約3倍以上の面積である。南アフリカには、北東端のモザンビークとの国境線に沿って南北305km 最大幅(東西)85km 総面積で2万Ku、日本の四国より更に広く、東京都の約9倍以上に相当する広大な区域を誇るクルーガー国立公園を初め、現在21か所の国立公園 National Park が点在している。国立公園の多くは南部のケープ地方に集中しているが、中央部のサバンナ地帯と砂漠地方、そして東部の沿岸湿地帯でも指定されている。
  国立公園のほかに、さらに南アフリカでは生息する動物や植物のみならず、川や山岳・渓谷・鍾乳洞、森林や湿地帯などの自然保護を目的としたかなりの数の国立の動物保護区 Game Reserve と自然保護区 Nature Reserve が指定されている。
  特に南アフリカを特徴つけているのは、北隣である東アフリカ諸国と同様に、色々な種類の野生動物を集め、広大な自然な環境の中で管理している動物保護区の存在であろう。動物保護区は見渡す限り広い保護区域の周囲を通電鉄線や柵などで完全に取り囲み、密猟者の不法乱獲や種の絶滅の危機などに対応しながら、特定の動物の自然状態での保護を行い、予想外の動物の侵入をも防いでいる。最大規模のクルーガー国立公園も自然公園でありながら、一方で動物保護区でもあることから、南アフリカに点在する全ての保護区は、正に途方もなく広大な面積を柵で囲っていると言える。

  日本の外務省から危険情報が発令され、世界を旅するツーリストの間では「世界最悪の街」とか「凶悪犯罪多発都市」とか、マイナスイメージで汚名を付けられた最大都市ヨハネスブルグ(現地ではジョハネスバーグと発音)から北西へ車で150kmほどには、動物保護区で国内第4番目の広い面積を誇るピラネスバーグ国立動物保護区のサバンナ地帯が広がっている。
  平面視野ではこの保護区はほぼ楕円形で、東西約30km 南北約25km、総面積は550ku、東京23区部の面積より少し狭いくらいの広大な区域を有している。13億年前の火山の噴火活動で形造られ、今は穏やかな稜線を描く平原から100m前後の高さをもつ丘陵にも似た美しい姿の岩山の連なりが、幅30kmの楕円形の巨大なカルデラ地形(外輪山)となって保護区の外周を形作る雄大な風景である。素晴らしい眺めの九州・阿蘇の外周カルデラは、東西18km 南北25kmと言われているので、ピラネスバーグ保護区は面積で見る限り、阿蘇カルデラの約2倍の広さがある。この保護区のそのほかの特徴では、僅かに流れる小川や沼地、水場や植物が生い茂る複雑な渓谷も刻まれ、そして岩の丘の周辺にはサバンナ地帯の典型的な風景を演じる広大な平原がうまい具合に展開されている。
  南アフリカ中央部〜北部全体の海抜が高いこともあり、この保護区の平原区域では海抜1,600m前後のはずで、保護区北部にある最高峰の岩山が海抜1,816mとされる。従って保護区全体が乾燥した高原サバンナなのだ。保護区のほぼ中央付近は太古の昔の噴火口の中心であったのか盆地のような地形で、そこに満々と水を湛える大きな湖がある。ここは幾らかの背の低い潅木が茂る岩山となだらかな丘陵が連なる保護区西部から東方へゆったりと流れるマングウ川をせき止めたダムによりできた人造湖で、そのほか丘陵からしみ出た幾らかの小川と並んで、このダム湖は乾燥した保護区に生息する無数の動物達の格好の水場であり、植物系への給水の役目も果たしている。
  保護区の平原では大きなダム湖だけでなく、小川やたまり池がそこかしこにあり、それを頼りにする大きく分類して24種・1万頭以上の猟獣と草食動物などが、鳥類では確認されたもので300種が生息していると言う。また植物類ではアカシア科の比較的背の高い樹木を初め、アロエやサボテンに近い多肉植物、サバンナの風景に欠かせないトゲのある無数のブッシュ潅木類などが不規則に展開し、さらに平原を覆う色々な草や雑草などが生い茂る。
  あるいは元々火山地帯であったことから、耐熱テフロン原料となるホタル石や火山性溶岩、ダイヤモンドの母岩でもあるキンバーライト岩やベージュ色の凝灰岩などの岩石と岩盤で覆われた緩やかな山と丘陵が点在して、視覚に適度の変化と緊張感をかもし出している。これらを以って言えば、この保護区はただ単に広大という訳ではなく、遠くに近くにどこでも地形的に穏やかな変化を伴った美しいサバンナの風景を提供してくれている。

                         
                         木の周りで休む「ビッグ・ファイブ」のシロサイの家族
                      ピラネスバーグ国立動物保護区/ダム湖南方3km付近
                                 2008年・秋(現地・春)

  ピラネスバーグ動物保護区を例に取れば、車に乗ったまま主に丘陵の麓や平原地帯を蛇行して走る総延長200kmにもなる一部舗装、ほとんどがオフロードである道路を時速10km前後の低速走行しながら、草原やブッシュ潅木や沼地などに生息する猟獣や優しい草食動物、鳥類などを発見するいわゆる「ゲーム・サファリ」と呼ばれるワイルド・トレイルを楽しめる。ここで言う「ゲーム」とはスポーツの「試合」や遊びの「ゲーム」ではなく、猟の「獲物」、あるいは猟の対象となる「猟獣類」や「動物」を意味している。
  保護区へは大都市ヨハネスブルグや首都プレトリア、あるいはリゾートのサンシティから高速道路に匹敵する制限時速120kmの快適な地方道R線が走っていることから容易に訪ねることができる。合計4か所の管理ゲートはこの幹線地方道の脇か、近い場所、もっと詳細に言えば、大きな楕円形の保護区の東側と南側にそれぞれ2か所の管理ゲートがある。管理ゲートや囲み柵に近い場所にビジター用の宿泊ロッジがあり、また区域の丁度ど真ん中にあたるダム湖にほど近い平原には、日中に食事ができるレストハウスもあり、見晴らしの良いオープンテラスを設け、トイレなどツーリスト設備も充実している。
  厳重管理の4か所のゲートから自家用車で入場した後、野生動物に襲われる可能性を考慮にして、基本的にはウィンドーを閉め切り、保護区のサバンナ地帯ではトイレも含め車外への立ち降りは禁止されている。当然のことに車の制限速度は規制され、オフロードや決められた空地での停車や駐車はOKだが、動物にエサを与えることも、大声を出すことも、ゴミの投棄や動・植物の捕獲や岩石などの持ち帰りなども禁止されている。保護区内ではあくまでも動物や植物の密漁を防ぎ、保護を最優先する姿勢が貫かれ、そして自然への配慮を基本とするネイチャーな精神が求められる。なお車高の高い大型のツアー・トレイル専用車両では、オープンドアー形式の車も使われ、高ぶる緊張感とともに動物達の息づかいを肌で感じることも可能だ。

            
                    水場のバーチェル・ゼブラの群れ/ピラネスバーグ国立動物保護区
                      中央レストハウス東北東3km付近/2008年・夏(現地・冬)

  「ゲーム・サファリ」の言葉通り、保護区では猟獣や草食動物の中で一般に「ビッグ・ファイブ」と呼ばれるアフリカゾウ、アフリカライオン、ヒョウ、サイ、バッファローを初め、高い樹木の葉を食べるケープキリン、水場の岸辺でダランと横たわるか水中でのんびり過ごすカバ、群れでグイグイと移動するヌーの類、神経質そうな顔付のバーチャル・ゼブラ(シマウマ)の群れ、猛獣の食物連鎖の餌食となる小形動物のインパラなどのアンテロープ類の群れやホロホロ鳥などを遠くに、あるいは間近に見ることができる。そのほか保護区には発見が難しいヘビの仲間、数は少ないがチータやキツネ、サバンナの掃除屋と呼ばれるハイエナや大型のダチョウなども生息している。
  経験的には、集団で堂々としているゾウや数頭で行動する背丈のあるキリン、10〜20頭前後の群れで移動するゼブラやヌー、オス1頭が20頭前後のメスを連れハーレム的に生息するか弱いインパラなどは、低速走行中に出会う確率がかなり高いと言える。反面、個体数が少ない上に夜行性のヒョウやチータ、神経質ながらも静かな時は水場の辺で昼寝をするか水中で顔を出すかのカバ、あるいは獲物としてスティンボックなどの草食動物を捕獲した後の満腹のライオンなどは昼間潅木の陰で横たわっていることが多く、遠くからの発見が難しく、これらの動物達は誰でも何時でも偶然に出会うという訳にはいかない。
  しかしゾウの群れなどは人間の車などにお構いなしで、草原やトゲのブッシュ潅木から急に飛び出てきて、威嚇しながら道路を横切り、大食を満たす葉枝を探しまくりながら以外に早い速度で移動して行く。2008年夏(現地・冬)にもオフロードを塞ぐ7頭前後のゾウの群れに遭遇したが、2008年秋(現地・春)には子供を連れた10頭以上のゾウの群れが、ブッシュ潅木を食しながらオフロードを大挙して堂々と進んで来る迫力に、50m以上もバック走行した経験がある。あるいは同時期の枯れた草原では、あまりに広大なサバンナの中で通常見ることの難しいブラック・バック・ジャッカルのカップルが、すぐ目の前を足早に横切っていく姿に遭遇した。

  また草食のか弱いインパラなどを捕獲したライオンの群れの獲物の取り合いはすさまじく、グローブのような前足で獲物を押さえ、生肉にむしゃぶり付く。2008年夏(現地・冬)、インパラの肉をたらふく食べ満腹のライオンが横たわる場所の近くに車を止めると、口なめずりをするメスライオンが近付いて来たことがあった。ヤマブキ色の微妙な輝きを放す「タイガーアイ」で車内を覗き、鋭い牙をむき出しにして威嚇する様は、正に生きた野生との超接触で緊張の瞬間であった。
  分類ではウシ科のレイヨウ(アンテロープ)族に属するが、動物を見慣れていない日本人は一見では「小鹿」と勘違いするインパラなどは、乾燥したサバンナ地帯の風景に最も映えるベージュ色の綺麗な「着物」だが、同じ自然の中で生息しているにも拘わらず、「草原の王者」と呼ばれるライオンの自慢の「着物」は結構汚れている。王者たる物が折り目のなくなった薄汚れた「スーツ姿」ではちょっとまずいのだが、これは捕獲した獲物を地面に這いつくばって食したり、何処でも昼寝をしたりするなどするために、必然的に「着物」も汚れ易いのであろう。
  人に見てもらうために動物園で飼育されているのとは異なり、たとえ「着物」が土とホコリで汚れていようとも、近くで見る野生のライオンの身体は想像以上に大きく、正に「王者の貫禄」があり、素足(当然だが)の前足はご太く顔面や牙には威厳がみなぎり、肩や腰は当然のこと身体中のあらゆる筋肉はブルンブルンと力強く引き締まり、圧倒される野生の迫力感がある。

                 
          のんびり歩き去るケープキリンのカップル                 湖畔で草を探すインパラの群れ
            ピラネスバーグ国立動物保護区                   ピラネスバーグ国立動物保護区
       中央レストハウス付近/2008年・夏(現地・冬)            ダム湖付近/2008年・秋(現地・春)

  精巧にできた日本製の「縫いぐるみ」ではない、本物の野生動物が車の直前を横切る。ライオンやゾウの群れのように堂々と、一方敏感な小形のインパラなどのアンテロープ類のように、気をつかい群れで列をなして一目散に目的地へ移動する瞬間は、驚きと嬉しさを感じる。と同時に、たとえウィンドーが閉まっているとは言え、狭い車内では手に汗にぎる緊張と若干の恐怖さえも覚える。この野生の動物との間近での遭遇こそが、乾燥した平原とブッシュ潅木に象徴されるサバンナ地帯で、まったくの自然を相手にする本物の「ゲーム・サファリ」の醍醐味であり、大人でも子供でも日常では絶対に経験できない胸踊る感動の瞬間でもある。
  広大なサバンナの風景もさることながら、アフリカの「ゲーム・サファリ」での圧倒的なスケール感は、日本にもある「○○サファリ・パーク」などと銘打ち、「着物」にブラシをかけられ、催眠術にかかったような馴れ馴れしいライオンを見せる「子供だまし動物園」とは雲泥の差がある。サファリは緊張感も忘れ平和ボケした安全な日本や理屈で雁字がらめに陥っているヨーロッパなどでは、望んでもお目にかかれない雄大な風景と環境の中での異質な体験と言え、「神々の楽園」と呼ばれるワイルド・フラワーとともに、自然豊かなアフリカの東部と南部を訪れるツーリストが、一度は酔いしれたい憧れのアウトドアーアクションと言えるであろう。
  ※大都市ヨハネスブルグ Johannesburg は、現地では「ジョハネスバーグ」と発音されている。

「ゲーム・サファリ」のヒント:

  「ゲーム・サファリ」は保護区のルールを厳守すれば自家用車で十分トレイルができる。ただ保護区内のオフロードの路面が、その名前の通りかなり荒れていることから、可能ならば四輪駆動タイプで車高のある車が望ましい。サバンナ地帯では、トゲのブッシュ潅木による車体塗装の損傷や車底の地面接触の心配も少ない上に、車高があると遠くの動物をより探しやすいという最大のメリットがある。
  特にサバンナ草原などでは、慣れないと動物の「着物」が保護色で周囲と見分けが難いということ、さらに車高の低い車の場合はウィンドーが道路脇の草より低くなり勝ちになり、結果動物の発見の確率が著しく低下し、せっかく沢山の動物が群れている草原や平原を素通りすることになってしまう。これでは「ゲーム・サファリ」ではなく、単なるドライブである。
  広大なサバンナ平原で生息する動物達を探すのは想像以上に神経を使い疲れる。ここでは常時キョロキョロと車の周囲に目を配り、「おや?」と感じたら即座に車を止めて、双眼鏡で確認するくらいの積極的な手間がポイントとなる。また低速走行とは言え、車のエンジン音で敏感な大型動物がオフロードに飛び出て来る危険性もある。動物との遭遇も不幸にして起こった事故も、全てドライバーの自己責任であり、日本のように管理責任を保護区に求める甘い勝手な考えはここでは通用しない。元々「ゲーム・サファリ」とは純然たる狩りであり、ハンターは命がけであったのだ。
  また料金がかかるが、保護区の管理センター所属の「レンジャー」と呼ばれるガイドの運転する5〜10人程度が搭乗できるツアー用車両を利用するトレイルも有効である。ガイドは保護区の隅々まで熟知していることから、動物と遭遇し易い場所や出没する時間などのリアルな情報をもっているし、動物の生態の詳しい説明もあり、効率的なサファリ・トレイルを行うことができる。
  さらに時間と経済的な余裕があり保護区内の指定ロッジに宿泊する場合では、ツアー専用車両に乗り込み、水場への移動やエサ探しなど、動物達が活発な動きを見せる早朝と夜間のツアー・サファリも可能となり、より一層の動物との遭遇の確率が高くなる。宿泊者以外のビジターは、動物の襲撃や走行中の「迷子ドライブ」などの危険性が高いこともあり、基本的には日の出前や夜間の「ゲーム・サファリ」はできないルールとなっている。
  情報ではライオンが車のタイヤを噛むこともあるらしく、接近時には十分な注意と警戒が必要となる。さらに子供を連れた母ゾウの威嚇は無視できず、威嚇の叫び声があった時には、即刻ゾウの群れから離れるべきである。ゾウに襲われる車の事故は結構発生していると言われ、保護区内の危険と安全の意識判断は全て自己責任となる。
  動物保護区で生息する動物は、毎日カロリー計算された安全なエサが与えられる日本の動物園で、来園者のために二足歩行やバンザイなどの「演技」までする「おとなしい動物達」ではないことを忘れてはいけない。動物達は人間に「見てもらう」ためにサバンナ地帯にいるのではなく、「生存」のためにその場に生息しているのである。動物保護区での人間は動物達の生息テリトリーへ侵入した言わば部外者であり、サバンナ地帯の主役は明らかに厳しい生存競争の中で生きるか餌食になるかで過ごしている動物達である。


クルーガー国立公園/ピラネスバーグ動物保護区/巨大な娯楽施設サンシティ・リゾート:

  南アフリカ最大、日本の四国よりさらに広い面積2万Kuを誇るクルーガー国立公園では、動物の種類も豊富で個体数では20万頭以上とも言われ、何から何まで桁外れである。ただ保護区のその広大さゆえにオフロードが網の目のように張り巡らされている点や平坦な地形が多いことから、比較的目立つゾウやキリンなどの大型の動物さえも探すのが結構難しい場合もあり、土ぼこりにまみれ、1日中オフロードを走行しても、出会ったのは草食のインパラの群れだけで、ゾウの群れに遭遇しなかったとする例も、決して珍しい話ではないと言われている。

  あまりに広大なクルーガー国立公園と比較はできないが、ヨハネスブルグから距離的に遠くない国内第4番目の広さをもつピラネスバーグ動物保護区では、区域内の半分以上が大昔の噴火でできた穏やかな稜線の岩山や丘陵である。その結果、平坦な場所を好む多くの猛獣や草食動物は、草原やブッシュ潅木の林や渓谷、あるいは沼地などに集まることとなる。そのような場所を丁寧に走行してみると、結構簡単に動物に遭遇できる。カップルで行動することが多い恥かしがり屋のサイや捻じれた角をつけたレッドハーテビーストなども、「またここにも居るよ・・・」という感じで、幾度も見ることができるはずだ。
  なおピラネスバーグ動物保護区はヨハネスブルグから比較的近いこともあり、週末や休日などでは、保護区内の舗装された主要道路では、200m間隔くらいで車が低速走行するほどの場違いな「渋滞」も起こり、夏場の行楽シーズンの志賀高原アルペンルートと勘違いするほどに「混み合う」こともある。当然、これでは動物達は警戒して道路に近付かない傾向になってしまう。
  こういう場合には、管理ゲートで渡される詳細な地図を丹念に調べ、あえて土と岩のオフロードを選択すべきである。しかも道路から少々離れた沼地などへ向かう「行き止まり」の路地を入るなどすると、偶然ではなくかなりの確率で動物達に遭遇できる。水場や岩塩などが露出する乾燥したくぼ地なども出会いの有力な穴場で、昼間でも多くの動物達が集まる場所であることを知っておくと役立つであろう。
  また案外と知られていないことだが、サバンナ地帯の多くの動物は夜行性であり、さらに雨天の日にはエサとなる草や葉枝がフレッシュになることから、草食動物達が活発に動き回り、それを追う肉食のライオンやヒョウなども頻繁に出没すると言われている。雨天で消極的になっているのは人間だけで、動物達は毛皮の「着物」が濡れるより、生きるためのエサの確保の方が重要なのだ。
  ピラネスバーグ動物保護区の走行可能な道路を隈なくじっくりと回るとすれば、おそらく3日間は必要であるが、地図を活用して計画的に朝から夕方まで終日走行すれば、たった1日でも動物と遭遇可能な主なポイントを回ることができるであろう。
  なお保護区内の走行コースは非常に複雑で距離もある曲がりくねりのオフロードである。ビジター自身のコース選択の都合上、入場した管理ゲートと異なるゲートから退場しても問題はないが、閉鎖時間前の退場の厳守と入場時に手渡される保護区の地図や入場カードを紛失しないように注意する必要がある。夕方の閉鎖時間が迫ってからの西部区域(奥地)への走行は無謀なチャレンジと言える。保護区の西部と北部区域には管理ゲートが設置されていないので、全てのビジターは東側か南側の管理ゲートを利用する。西部の最奥部から最も近い南側バクブング管理ゲートまではおそらく最低でも2時間以上の走行が必要となる。何しろ、保護区は東京23区部に匹敵する途方もない広さがあるのであるから・・・

  ピラネスバーグ動物保護区の南側には、緩やかな谷間に造営された「サバンナの驚異」とも言えるサンシティの巨大なアミューズメント・リゾートがある。広い園内にはロストシティと呼ばれる超高級ホテルを中心に、世界有数の規模を誇る24時間営業カジノを初め、大型造波プール、テニスコート・ゴルフコース・乗馬コース、映画・ゲーム、レストラン街など、子供から大人までが楽しめるあらゆる娯楽施設が整っている。サンシティに宿泊して、翌日をピラネスバーグ動物保護区で「ゲーム・サファリ」という週末プランは、ヨハネスブルグの人々の間では結構ポピュラーな過ごし方なのかもしれない。


特定の動物が優先的に見られる国立公園や動物保護区:

  南アフリカでは、絶滅の危機から救うために、ある特定の動物を数多く集めて、自然な環境の中で生息させている自然公園もある。最も有名な保護区では、南部の東ケープ州ポート・エリザベスの北方へ70kmのアドゥ・エレファント国立公園である。1931年にたった11頭のアフリカゾウでスタートした人工造営の保護区は、現在香川県より一回り狭い1,640Kuの区域に拡大され、アフリカゾウ450頭をメインに、ケープバッファローや黒サイなどが生息していて、確実にゾウに遭遇できる場所としても知られている。

  ポート・エリザベスの北方250km、アドゥ・エレファント国立公園よりさらに内陸には、南アフリカ南部一帯に生息しているケープ・マウンテン・ゼブラ(シマウマ)の保護を目的としたマウンテン・ゼブラ国立公園がある。この付近は海抜1800m前後の高原台地で、日本の淡路島の半分ほどの280Kuの広い保護区内には、マウンテン・ゼブラのほかに、バッファローや黒サイ、草食のスプリングボックやレッドハーテビーストなども生息している。

                    
                     メスのアフリカライオン/クルーガーズドープ動物保護区
                     コテージ西南西1km付近/2008年・夏(現地・冬)

  あるいは、ヨハネスブルグの北西30kmのクルーガーズドープ動物保護区は、主にライオンの管理に力を入れている公園である。管理面積は15Kuと小規模であるが、見通しの利く穏やかな草原とブッシュ潅木が茂る低い渓谷や丘陵で構成された保護区内では、アフリカライオンの群れを初め、シマウマ、キリン、ダチョウ、インパラ、水牛などと遭遇できる。ほかにも渓谷の水場とくぼ地をネットで保護した囲いの中に放された色鮮やかな鳥類も見ることができる。鳥類のネット囲いは垂れ下がり傾向で若干観光に対する緊張感が劣るが、若い管理スタッフの明るい表情もあり、パーキングに車を止めて訪れる価値はある。
  クルーガーズドープ動物保護区では、特にライオンに遭遇する確率が高くなるように、ライオン専用エリアを設け、特定時間にインパラなどをエサとして与えることもある。この保護区は「ゲーム・サファリ」の入門編として訪れる価値は十分ある。保護区では、低速走行で3時間ほどあればコースをほぼ全周できる。また保護区内にコッテージタイプの宿泊設備もあり、あるいは草原の中で頑丈な柵に囲まれた指定場所ではキャンピングも可能である。
  ただ2007年には、この保護区でライオンに襲われた管理者が死亡する事故も発生しているので、ライオンの群れの動きには十分注意する必要がある。

  面積は2Kuと動物保護区としては極めて小規模であるが、ヨハネスブルグから北北西へ約25km、クルーガーズドープから首都プレトリアへ向かう国道N14号と地方道R512号の交点近くには、南アフリカ・ライオン・パーク公園(企業)がある。ここでは公園の名称の通り80頭のライオンをメインに、チータ、ハイエナなどの猛獣、草食動物ではキリンやインパラなどを、一方通行のゲームロードを車で低速走行しながら見ることができる。
  またこの公園では、ビジターによる赤ちゃんライオンの抱きしめやキリンのエサやりなどを通じて、気楽に動物と親しむイベントも行われている。食事やカフェができる管理センターやキャンピング・テント形式の宿泊施設も完備されていることやヨハネスブルグ郊外という利点などから、家族連れのビジターや学校の生徒達も沢山訪れる。
  ただ2008年の夏(現地・冬)、ヨハネスブルグの人達に「最も安全な動物公園」と信じられていたこのライオン・パーク公園で、ピストル携行の強盗団が管理センターを襲うという凶悪な事件が発生した。大勢の家族連れや若者達で混み合っていたセンターでは、金品を強奪された上に不幸にして一人の若者が射殺されてしまった。

  南アフリカ観光局URL: http://www.southafrica.net/
  南アフリカ国立公園URL: http://www.sanparks.org/
  クルーガー国立公園URL: http://www.sanparks.org/parks/kruger/all.php
  ピラネスバーグ国立動物保護区URL: http://pilanesberggamereserve.com/index.html
  アドゥ・エレファント国立公園URL: http://www.sanparks.org/parks/addo/
  南アフリカ・ライオン・パーク公園(企業)URL: http://www.lion-park.com/home2.htm
  サンシティ・リゾートURL: http://www.sun-city-south-africa.com/

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  ツアー・ツーリスト向け/アフリカへの周遊ツアー手配: 海外ツアー(チャオ)/エイチ・アイ・エス
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