パルテノン神殿は古代アテネの黄金時代であった紀元前447年に起工され、紀元前432年頃に完成した。
施工は古代ギリシアの偉大なる建築家と言われたイクティノスの手により、その神殿材料は最良の石材と言われるアテネ北方ペンテリコン産の大理石が使用された。
床面レベルで南北31m 東西70m、石柱は中太のドーリア様式の典型で高さ約10mを誇る。神殿のその形の無比な絶美は、あらゆる部分に微妙なカーブを持たせる洗練の極致を示す形容ときめの繊細な石材使用、そして精巧なる施工が施された彫刻群に負うと言われている。
屋根を含め全てを石材だけで構成されたこのパルテノン神殿は、現在長い歴史の中で、石材の持つ自然現象としての劣化や車の排気ガスなどで、詳細部分ではかなり破壊が進んでいる。ただ破壊の多くの要因は、ギリシア時代に続くローマ時代にはビザンティン教会として、或いは中世のオスマン・トルコ支配下ではモスク寺院としても使われ、さらに19世紀のイギリス・エルギン卿によるフリーズ彫刻の本国への持ち去りなど、言うならば時代状況の変化と共に色々な用途で使用されたこと、そして人間の勝手や蛮行によるところも大きいとされる。
破壊の進行に対応して常に補修作業が行われ、事実上その個所は「現代の材料」となるかもしれない。しかしそうであっても幸運にも現存する多くの部分と部品は2,500年前の神殿に使用された構成部分であって、全体からすれば、今尚その優美壮麗な姿を私達に伝えていると言える。

パルテノン神殿・西正面・石柱と破風/1972年

かつてパルテノン神殿には黄金表装が施された勝利の女神アテナの高さ12mの象牙像が置かれていた。またドーリア様式の石柱に支えられた見事なフリーズ部分は、古代ギリシアの時代、守護神の女神アテネの生誕の日に合わせ、4年ごとに開催されていた「パンアテナイナ大祭」を描いたものである。
1970年代初め アクロポリスの丘に登って:
1972年の初め、当時はまだ国際的な観光ブームが起こる以前で、更にアクロポリスの丘がまだUNESCO世界遺産に登録されていなかったこともあり(1987年登録)、アクロポリスの丘での観光規制は緩やかそのもので、最も重要な守護神・アテナが鎮座していたパルテノン神殿の床面にさえ自由に立ち入ることができた。
当然ツーリストの数もそれほど多くなく、日差しの強い夏の日中には、訪れる人達だけではなく、グレーの帽子を被った遺跡のガードマンも、皆そろって神殿の大理石の大型石柱が作る日陰でうとうとしている光景がそこかしこにあった。エーゲ海の強い陽光が降り注ぐまどろみの真夏の昼下がり、時間が止まり、誰も彼もゆったりとした古代へのタイムトンネルの中で本当に静かな時を過ごしていた。
若かった私がヨーロッパを長い間旅していた1972年〜1973年頃は、未だ日本が先進国としてヨーロッパで認知されていなかった時代である。
この頃、私はギリシアを訪れるたびにこの首都アテネに数週間ずつ滞在し、事あるごとに時間をつくり、市場でサクランボやオレンジを買ってアクロポリスの丘に登った。ツーリストの殆どいない静かなパルテノン神殿は、私にとりゆっくりと物思いにふける時間のチャンスでもあり、神殿はその絶好の場所であった。
アクロポリスの丘に登ると、殆ど習慣的にドーリア様式の太い石柱がつくるパルテノン神殿床面の日陰部分に仰向けになる。背に大理石の床面の冷たさを感じながら、目を細め眺める上空には抜けるようなエーゲ海の青空を背景に、フリーズ部分の圧倒する迫力の浮彫彫刻が迫り来る。既に経過した2,500年もの時間を圧縮し、なおも現代の我々に語り掛ける古代ギリシア人の偉業に感動せずにはいられなかった。
このパルテノン神殿の床面で過ごす時間と留まることのない歴史への憧憬と放散される思考を繰り返していく内に、私は人間の生きた過去としての歴史とその重みや価値を考えるようになった。そしてそれは私がギリシア・クラシック文明に興味を抱き、続いて古代エーゲ海文明のミノア文明・ミケーネ文明へ傾倒していく確実な原点となった。
その古代文明探求は、アカデミックレベルではアマチュアの域から抜け出られない範疇ながらも、その後仕事やスポーツ以外で私のライフワークの一つとなっていくのである。その意味では、アテネのアクロポリスの丘は、幾分大げさに捉えれば、私にとり「人生の場所」と言えるかもしれない・・・
ギリシア政府文化省URL: http://odysseus.culture.gr/index_en.html
ギリシア政府観光局URL: http://www.visitgreece.jp/
個人ツーリスト向け/アテネのホテル検索と予約: 海外40000軒ホテル予約/Hotel Club
個人ツーリスト向け/アテネへの往復フライト・「成田⇔アムステルダム⇔アテネ」・オンライン予約:
KLMで行くヨーロッパ 64,000円〜!
ツアー・ツーリスト向け/アテネとギリシア周遊ツアー手配: 海外ツアー(チャオ)/エイチ・アイ・エス
ツアー・ツーリスト向け/ギリシア・イタリア・エジプトなどへの本格的な大型船周遊クルージング手配:
自然と人間と文明を見つめる旅/ユーラシア旅行社
古代ギリシア文明の書籍検索 ⇒ Amazon.co.jp/本→歴史・地理
世界遺産を知るなら: Amazon.co.jp/DVD→「世界遺産」関連
日本ユネスコ協会連盟・世界遺産活動URL: http://www.unesco.jp/contents/isan/
|