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レルナ遺跡 Lerna/ギリシア


レルナ遺跡出土
「テラコッタ製女性塑像」
ペロポネソス・アルゴス地方/1982年

アルゴス考古学博物館在
高さ 182mm
  アルゴス南方10km、アルゴス湾沿いの小村ミーリ(ミーロイ)の外れの農耕地から発掘された重要な居住地遺跡レルナは、先ず紀元前7000年頃に始まる新石器時代初期(レルナT期)の人々により占拠された。その後 「女性塑像」を産み出す新石器時代中期に最盛期を迎えるが、紀元前3000年頃になると、この居住地は放棄されてしまう。そして改めて再居住されるのが、紀元前2600年レルナV期になってからである。この頃累壁を設け、敷地25x12m余りの「タイルの邸宅」と呼ばれる準宮殿クラス、2階建ての大型の建物が完成し、この邸宅を中心に居住地は拡大する。
  邸宅周辺から良質粘土が多量に取れた。新石器時代のレルナの人々はこの粘土を規定の大きさに焼き上げ、一種のスレート板であるタイルを造った。 タイルを並べて完成させた邸宅の壁面は赤色系石膏で表装し仕上げられている。
  タイルを使った壁部の厚さは最大で90cmにもなる個所さえもある。アルゴス考古学博物館に展示されたタイルのサイズは、約30cm四方・厚さ1cm程度である。タイルは壁面の内部材だけではなく、屋根にも使用されたと考えられている。人々は決して大きくない焼成タイルを、それこそ何万枚も焼き上げ壁コア材に活用し、或いは屋根に載せて邸宅を建造するという大事業を、紀元前2600年頃に行なっていたのである。
  繁栄を極めた「タイルの邸宅」も紀元前1550年頃に火災で焼け落ちる。この火災で高温硬化した多量の印章も発見された。邸宅内に多量の印章が存在した意味は、少なくとも封印の必要性がある物品が多量に保管されていたことであり、このことはレルナ邸宅に与えられた周辺の管理・行政面の権限と重要性を裏付けている。また印章のデザインは、印影からクノッソス宮殿を中心としたクレタ産であると判明している。
  なお、レルナは別名で「レールナ」と呼ばれている。
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