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ミケーネ宮殿遺跡と周辺遺跡 Mycenae/ギリシア
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ミケーネ宮殿遺跡・「ライオン門」 ペロポネソス・アルゴス地方/1982年 ![]() |
| 紀元前16〜前11世紀に繁栄したミケーネ文明の最大のセンター宮殿である。ミケーネ宮殿を中心に、周辺に点在するミケーネ文明関連の遺跡はUNESCO世界遺産に登録されている。 大型石材の堅固な城壁とライオン門と呼ばれる 向かい合う2頭のライオン(頭部は欠落)の大型レリーフが残る強固な入城門は、基礎石からライオン像を支える梁状リンテル石(まぐさ石)までの開口高さが310cmもあり、リンテル石の重量は20トン以上と推測されている。 この門を入ると、右側に数え切れない金製副葬品が出土した円形墳墓Aが残り、左側にはアクロポリスにある宮殿の上部区域へ登る大階段斜路となる。宮殿遺構はミケーネ文明様式の特徴である「メガロン」と呼ばれる王の居室付近や北門、地下泉など一部を除き、全体的にはかなり崩壊が進み明確に残存する部分は決して多くはない。 ミケーネ遺跡の最大の特徴とその計り知れない価値は、宮殿内部の円形墳墓Aとその周辺からの発掘で、無数に確認されたトロス式墳墓や横穴式墳墓、円形墳墓Bなどからのおびただしい副葬品である。発見された金製品のみならず、宝飾品、儀式用石製品、陶器類、フレスコ画などは文明解明に欠かすことのできない貴重な考古学的物証である。 |
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ミケーネ宮殿遺跡・「円形墳墓A」 ペロポネソス・アルゴス地方/1982年 ![]() |
| 「円形墳墓A」と呼ばれるこのユニークな形状の墳墓こそが、「黄金のミケーネ文明」の別名をならしめた場所である。約1m幅で石板を二重の円形を描くように立て、中に6個所の王家用の長方形竪穴式墳墓を造り、王とその家族が埋葬されていた。内側の石板の連なりはほぼ円形を描き、その直径は25mである。 円形墳墓Aから発見された人骨は全体で19体と断定され、その副葬品には黄金の死者マスクを初め、金製容器・装飾品、金と象嵌加工の短剣や長剣類、ニエロ象嵌(青みがかった黒色金属系)容器、その他おびただしい数の宝飾品類であった。 特に金製品の重量は合計15kgを計測した程である。これらはアテネ国立考古学博物館で公開されている。 宮殿内部に造られたこの「円形墳墓A」とは別に、城壁の外部・ライオン門に至る道路の工事中に、「円形墳墓B」と呼ばれる墳墓が発掘されている。円形墳墓Bも墳墓Aと形式的には同様と考えられ、墳墓Bの方が墳墓Aより幾分古い時代の王家の墳墓と推測されている。墳墓Bにおいても、内側の石板の連なりはほぼ円形を描き、その直径は27mで墳墓Aのそれより少しだけ大きい。 墳墓Bからは14個所の竪穴式墳墓が確認され、黄金の死者マスクや王冠、装飾長剣や首飾りなど多くの宝飾品が発見されている(アテネ国立考古学博物館在)。この円形墳墓B周辺には、大型トロス式墳墓や崩壊邸宅遺跡などが残り、スクフィンクスを彫った象牙製の板などが見つかっている。 |
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ミケーネ遺跡・トロス式大型墳墓 「アトレウスの宝庫」 ペロポネソス・アルゴス地方/1982年 ![]() |
| 現在のミケーネ村から宮殿へ至る道路脇で、「アトレウスの宝庫」と呼ばれる紀元前1250年頃の超大型トロス式墳墓が発見されている。現存するトロス式墳墓の中で最も原形を保っている墳墓であるが、残念ながら死者を葬った副室(埋葬室)などは完璧に盗掘されており、墳墓からの発掘品は殆どない。 円形のトロス内部床面の直径は約15m、天井までの高さは14m弱で、非常に大型の墳墓建造物である。壁面石材には正確に加工された大型礫岩(レキガン)の切石を使用し、入口上部のリンテル石(まぐさ石梁)は超大型級で、その重量は100トンと言われている。 またアトレウスの宝庫周辺の低い尾根の斜面一体には、数え切れない程の横穴式墳墓が確認され、無数の副葬品が出土してる出土品類はアテネ国立考古学博物館で展示されている。 ミケーネ遺跡の発掘のスタートは、トロイ遺跡(トルコ・エーゲ海沿岸)の発掘でも有名なドイツ人シュリーマンであった。《ギリシア神話》の現実性に拘った彼の勢力的な活動を切っ掛けに、円形墳墓Aの発見が成功したのである。アクロポリスの丘に残るミケーネ宮殿遺跡からの展望は素晴らしく、広大で肥沃なアルゴス平野を一望の元に眺めることができる。 トロス式墳墓とは床面の基礎部分が円形で、大聖堂のドームのように蜂の巣状に天井まで徐々に斜めになるように石材を積み上げ、力学的に内部空間が崩れないような頑丈な構造墳墓である。
ミケーネ宮殿の北側斜面にもトロス式墳墓が残り、宮殿北門から小道をさらに登り、峠を越すと12km程でブドー畑やオリーブ林が広がる現在のプロシムナ村へ通じている。村へ至る手前4kmのオリーブ林の中には、リンテル石が破損され、天井が崩壊した紀元前1400年頃に属する中型トロス式墳墓が発見された。なおこのトロス式墳墓は、1996年の測定では、内径約7m入口高さ3.9mの大きさであった。 |
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