「個人の富」の状況

 日本経済新聞の2006年12月7日(木)の夕刊に次の記事が掲載されていた。

 個人の富を国連の研究機関(国連大学世界経済開発研究所、ヘルシンキ)が調査したら、日本人の平均所有富は凡そ2千万円(18万1000ドル)で、米国・その他先進諸国を抜いて世界一だったとある。
 個人の所有する富とは、「不動産や預貯金など個人の資産から借金などの負債を差し引いたもの」である。米国人は凡そ1千6百万円(14万4000ドル)ほどだった。
 
 貧しい地域ではコンゴは2万円(180ドル)、エチオピアは2万1千円(193ドル)ほどだから、世界規模で見た貧富の格差は実に1千倍と言うことになる。

 世界を10人の集団に例えると、1人が99%の富を独占し、残りの1%の富を9人が分け合っていることになるらしい。
 
 ただし購買力ということになると、日本は物価が高いのでスイス・米国・イギリスなどの下位になるとのことだ。同研究所は、日本について、「90年代の不動産や株式の市況の低迷も反映し、預貯金など流動性の高い資産を強く好んでいる」と指摘する。個人の富ではトップだが、購買力では順位が下がるということは、日本は物価が高いと言うことである。東京はその意味で、最も住みにくい街である。また、日本人の「貯金好き」も多分に影響しているであろう。その理由は「将来に対する不安」である。あんまり政府も信用できそうにないのと言うのが本音か。日本人は、一生懸命働き、せっせと貯金し、贅沢しないで質素に暮らしている結果がこの数字に表れたと言うべきか。それを果たして「豊か」と言えるのであろうか。
 
 日本人が海外に行って、安い安いと言って買いまくる根拠をこの記事は十分に説明し切っている。また、老後に海外で生活するロングステイは、お金の賢い使い方と言う観点からは、有効な選択肢であることも教えている。

 ただ、日本人もすべてが金持ちではなく、近年、格差が拡がっている。いずれにしても、日本人は自分の置かれている恵まれた状況は正しく認識していることが必要のようだ。

 それにしても、何故日本人にこれだけの富が集まったのであろうか。