デカルトは旅に出ると自分とは違う価値観に多く出会うので、自分の価値観を公平に見直すことが出来るとして旅の効用を讃えている。
しかし、
「旅にあまり多く時間を費やすと、しまいには自分の国で異邦人になってしまう。」
とも言っている。
交通と通信の技術が極端に発達した現代社会においては、デカルト流に言うと世界中では多くの人々が多くの異なる価値観に触れるので異邦人となる。別の言葉で言うとグローバリズムである。
「わたしが共に生きなければならない人びとのうちで最も良識ある人々が実際に広く承認している、極端からもっとも遠い、いちばん穏健な意見に従ってわたしは自分を導いていくことにしている。極端な意見は正しいことが少ないからだ。・・・
そしてその人たちの意見が実際にどのようなものかを知るには、かれらの言うことよりもむしろ行なうことに注意すべきだと思われる。・・・
人があることを信じる思考の働きは、それを信じていると認識する働きとは異なっていて、この両者は互いにもう一方を伴わないことがたびたびあるからだ。さらにわたしは等しく受け入れられている意見のうち、いちばん穏健なものだけを選んだ。
約束を極端の部類にわたしは入れた。この世にはいつも同一の状態でとどまっているものは一つもないと認めるからだ・・・。
03/4/12 22:43