お盆の為、故郷に帰った。父の居なくなった後の庭は荒放題である。
連日、三十五度を越す猛暑の中、シルバー人材センターに電話をして、庭の植木の剪定を依頼した。
「真夏のこんな暑い日には仕事は受けないようにしている」
町役場に設置されている受け付けの返事は消極的だった。
だが、間もなく電話があって、三名のシルバー氏がやって来た。
A氏は81歳で、リーダー格だった。
「自宅にでクーラーに当たっていると、身体が鈍るので来た」
が、彼の最初の言葉だ。
三名の中ではA氏が最も良く喋った。しかし高齢で暑さがこたえる為か、1日目は他メンバーよりも遅れて午後二時から、途中参加した。
B氏はホンダのオートバイ(単車)に乗って颯爽とやって来た。無口だが黙々と仕事をこなして行く。年齢は70歳は過ぎている様だ。休憩の時、湯呑み茶碗を持つ手は絶えず小刻みに震えていた。筋肉をを使う作業をした直後だからなのだろうか、或いは何か持病の所為であろうか。仕事は丁寧で、松の木の剪定は見事な出来栄に仕上った。性格は地味で渋く、やや表情は憂鬱そうである。暑さの所為かもしれない。しかし笑うと、人懐っこい、優しい顔に一変した。
C氏は三名の中では最年少だが、それでも60代の後半と見えた。元気があって、仕事の能率が最も良かった。やはり、無口だ。彼は小型トラックに乗ってやって来た。
三名で、一日半を要する仕事だった。小型トラック六杯のゴミが出て終了した。
三名共、元々植木屋だったそうだ。さすがプロと思わせる出来栄えで、我が家の庭は見違えるほど、美しくなった。私はやって来て、暑い中を汗を流してくれた三名のシルバ−氏の名前を訊かなかった。
02/8/8 2:31