サラリーマンにとって、やはり定年退職は一大イベントである。退職した翌日からは何しろたっぷり時間が出来る。40年近くの間、朝目が覚めれば、行く所がきちんとあった生活から、突然何処にも行かなくてもよい日が始まるのだから。男たちは驚愕し、戸惑い、身の置き所を探すのだ。
収入も無くなる。毎月末に確実に振り込まれていた給料が消える。
代わって年金が2カ月に1回振り込まれてくる。贅沢を言えば切りがないが、これは最低限の額である。したがって、現役時代の蓄えとか、退職金、または企業年金で補填をすることになる。だがいつまで生き長らえられるかは不明なので無闇に遣うことは謹まねばならない。
そこで、無理をしない程度に、楽しみながら働くことが出来れば、それが一番良い。毎日働くというのでは無く、月の内半分とか、年の内半分とか働いて、後は自由に暮らすのだ。
そうすれば退職金などに手を付けなくて済むだろうし、朝、目が覚めた時、適宜、会社に行くことによって昔の思い出を噛みしめることも出来るというものだ。
だが、会社に出掛けないと落ち着かないというのは、現役時代の習性がまだ残っているというだけのことで特別の意味は無い。従って、5年も経てばこの病気は治るに違いない。
だが、定年後はこれだけでは不充分で今こそ、ライフワークを持つべきだと思う。生涯情熱を傾けて追及するテーマを持つことによって、定年後は完成するというものだ。テーマと言っても固苦しいものではない、別の言葉で言えば、それは「道楽」と言っても良いのではなかろうか。
01/3/2610:17