10月30日(土)
先週に続いて今週も土曜日の夜はライブとなりました。今夜は稲毛海岸にあるレストラン「ティア」への出演です。
このお話は、ピアニストOさんの御紹介ですが、そのOさんを紹介してくださったのは普段お世話になっている
楽器メーカーK社の千葉中央店の店長さんです、という具合に、千葉で仕事をするようになってから、たくさんの
方々が色々な機会をくださるようになりました。
「ティア」は自然食のレストランで、お客さんは最初に基本料金を支払って、あとはパーティーみたいに、自由に
お料理を取って召し上がってます。体育館みたいに広いお店で、陶器や写真等、地元の芸術家の作品のギャラリーにも
なっています。
お客さんはみたところ、御家族連れやサークル活動等、地元の方ばかりのようで、お子さんがそこらを走り廻っていたり
するんですが、喧噪といった雰囲気ではなく、とてもなごやかです。むしろ、「安心して小さいお子さんを連れて来られる」
お店と言うべきでしょう。最近私はこういうのに弱いんです。
ところが難点は、ここにはPA、いわゆる演奏用の拡声装置がないのです。これまではピアノやチェロ、声楽家等、
クラシックの演奏家の出演が多かったらしく、これはみなさんアンプ無しが当然ですが、アコースティックのギターには
これはきつい。
とりあえずカワイのモニター・アンプKM-20とズームのペダル・ボードを背中にしょって稲毛海岸にやってきました。
KM-20は小さいけれど、20Wの出力があり、もともとキーボード用ですから、エレクトリック・アコースティックにも
少なくともギター・アンプよりは有効です。ズームは、音色を嫌う人もいるけど、とにかく小さくて多機能なのが助かります。
車を持たない私には小型軽量が何よりありがたい。いずれにせよ、徒歩及び電車移動では、自分で持ち込める機材はこれくらいが
限界です。
ということは今夜は歌ものもなし。お食事の背景としての演奏に徹するべきか?いつものようにやるか?
「空気を読んで」演るしかない。
約束の時間になったのでまず、深いリバーブをかけた音でアドリブをしばらく弾いてみました。「こっち観てくれるかな・・・。」
ここの社長さんがチェロリストと聞いていたので、ちょっとした御機嫌取りのつもりでバッハの「無伴奏チェロ組曲」の
プレリュードをやりました。
ホールやライブ・ハウスのような照明があるわけでもないですから、店中のお客さんのお顔が見渡せます。どうやら聴いて
くださってる方もいるようなので、いつもの「さらばヒーロー」「ギター少年」と続けてやってみました。
一番近いテーブルについている御家族の、小学校低学年とおぼしき女の子がじーっとステージを観てくれてます。
思わずにこにこしてしまいます。
30分ほどで1ステージを終えて、来てくれていた友人のテーブルにつこうとすると、さっきから凝視してくれてた女の子が
「これあげる」と言っておりがみで作った鳥をくれました。感激!
結局迷いながら、手探りしながらの演奏でしたが、ひかえめながら、あたたかい拍手をいただきました。
社長さんも、続けての出演を申し出てくださったことだし、課題はあいかわらず多いながらも、充実した夜でありました。
機材を片付けていたら、子供達がいれかわり立ち代わりやってきては、「いい音ありがと〜。」「ありがと〜ございましたあ〜」。
お礼を言わなきゃいけないのはこっちなのに。
10月28日(木)
気の滅入るニュースばかりの昨今でありますが、今度は無事オン・エアされました!
「さらばヒーロー」がラジオから流れた瞬間はさすがに身震いがしましたっ。
続いて「詠み人知らず」もかけてもらいました。こっちは途中からお知らせナレーションのバックとなり、
完奏はされませんでしたが、むしろNHKのアナウンサーと共演したなんて、光栄ですう。うれしさのあまり細かいことはどうでもいいや、
ってな感じですわ。
これもひとえにこれまでライブに足を運んでくださったみなさんのおかげです。
本当にありがとうございました。
それから、朝日新聞の「マリオン」欄も、ライブ情報を掲載してくださることになりました。11月6日の予定です!
朝日読者のみなさんよろしくお願いしまあす。
10月25日(月)
実は今日は、NHK-FMが私のアルバムを取りあげて下さることになっていた記念すべき日だったのです。
ところが御存知のように新潟の震災で、ラジオは安否情報、災害情報の放送にかかりきりで、当然番組は中止です。
こないだの「アルバム完成記念ライブ」の日の台風首都圏直撃といい、今回の地震といい、「ツイてない」と言うより、
「よくもまあ俺んとこばかりピンポイントで攻めてきやがるなあ」と呆れました。
と強がってはみましたが、やはりがっかりしました。
しかしよく考えてみると、それこそ「ツイてない」(どころではない)のは被災した方々のほうでありまして、
音楽のことなんぞ心配していられる自分はむしろ「ツイている」のではないか、と気付き、恥じ入りました。
そこで気をとりなおして、六本木「ブレイブ・バー」へと参上いたしました。
対バンは「女性ヴォーカルフロントのジャズ系5人組」でした。お客さんもその5人組目当てがほとんどで、
みなさん飲み食いとおしゃべりに夢中で私の演奏なんか誰も聴いてません。
こういう時は「集中力をつけるための鍛練と思ってあきらめる」と、かってタック・アンドレス先生がおっしゃって
いたので、よしではその鍛練をやるか、でも一応御挨拶だけはしとかんとな、と思いまして、一曲目、例によって
「さらばヒーロー」を弾き終わってからMCを語りはじめましたところ、驚いたことに一斉にみなさんお話を止めて
ステージに顔をむけてくれました。
今まで、私ライブの時、いつもいきなり演奏初めて、2、3曲たて続けに演奏してから初めて
「こんにちわ」と語りを入れる、というパターンでやってきていたんです。
これがいかに道理にかなっていない態度であったかと、この時一瞬にして私は事情を悟り、一瞬にして反省いたしました。
大スターならまだしも、まったく無名の私が、自分のことを誰も知らないお客さんを前にして、聴いていただく、自分の
ことを知っていただく努力を全くしないで、ただ「演奏を聴け」っていうのはあまりにも根拠のない傲慢さでした。
そこで瞬時に方向性を転換した私は、一曲ごとにMCを入れるという、私にとっては前代未聞の方法論に踏み切ったのでした。
それも、今までのようにただタイトルを言うだけでなく、前述のラジオ放送中止のくだりなども含めて、とにかく丁寧に話す
ようこころがけましたところ、お客さんがたおしゃべりしつつも、ちゃんと聴いていてくださるんですなこれが。
「詠み人知らず」でいったん演奏を終え、本来よそのお客さんであるみなさんにアンケートを、テーブルをまわり用紙をくばって
お願いしたところ、みなさん快く応じてくださるじゃありませんか。
あとで見てみると、メールアドレスなんかもしっかり書いてくださってました。
やがて女性ヴォーカルのバンドが始まり、奥にすわって聴いていました。慶応大のフュージョン系音楽サークルの学生バンド
だそうで、演奏も上手だし、見た目もみんな良い。曲はジャズ・スタンダードと言うよりは、「キリング・ミー・ソフトリー」とか
「イズント・シー・ラヴリー」とか「ジャズメンも好むポップス・スタンダード」が多かったです。
普段みている専門学校生のバンドは、やはり上手い子もいるけど曲は流行りのメロディアスなパンクがみんな好きで、
「同じ学生バンドでも、いろいろあるもんだなあ。」なんてベテランぶったことを考えておりました。
2ステージ目に入り、「オクラホマ」から始めて、ジャズ・スタンダード数曲でちょっと対バンに調子をあわせ、
ヴェンチャーズ・ナンバーで「ちょっと目を引き付けられたかな」と手ごたえを感じ、今回初めて演奏する、TVのサントラ曲では
「この曲を御存知のお客さんは歳がばれますよ」のMCで笑いを取るのに成功しました。
「アルバムの宣伝をしなくては」と、ジャケットデザインに苦労したこと、日本語のフォントがいいのがなくて、結局曲目や
歌詞カードは全部マウスで字を書いたことなんかをお話したら、呆れた、とも感心、ともとれる反応が。
そして最後の「君になりたい」「蒼き風」の二曲はみなさんしっかり聴きとどけてくれました!
あまりのうれしさに「何て素敵なお客様!家に連れて帰りたいほどです!」と、思わずビートルズの「サージェント・ペパーズ」の一節を
叫んでしまいました。
私が自分で呼んだお客さんは二人だけでしたが、(おふたりとも本当にありがとうございました)この夜私は最高に満ち足りた気分
で帰宅することが出来ました。本当は「満ち足りた」なんて言ってる場合じゃなくて、いろいろ課題が見えた夜だったのですがね。
そして家に帰ってみると、何とNHKさんから、今月28日木曜日に改めて放送します、と連絡が。
千葉県内で木曜日の午前11時にラジオ聴ける状況にある方(車で営業してる方なんか)、是非NHK-FM「ひるどき情報ちば」
聴いてください!
10月23日(土)
今日は木更津での初めての演奏です。昼間、千葉の教室で一日ギターのレッスンをやってから、ギターをかかえ、
機材と商品の入ったバッグをよっこらしょと肩にかけ、内房線で木更津に向かいました。
思えばちょうど一年前、会社から(ピアノメーカーK社)「木更津と千葉中央の教室やってくれ」と言われた
当初は、「あんな遠い所へ行くのはいやだ」とごねたものです。
ところが今では、とにかく馴染んでしまってまして、時々本気で「木更津に引っ越してこようかな」なんて
思うくらいです。
最初にJR木更津駅に降り立った時は、閉鎖された旧そごうのビルや、話しに聞くいわゆる「シャッター街」を
目の当たりにして言葉を失いました。
一応首都圏であるここ木更津がこんなでは、地方は推して知るべしと実感したものです。
木更津という街は、あのアクアラインの話もあって、昨今の不況の象徴になってしまった感があります。
淋しい風景というだけならまだしも、一時は賑わっていたのではないかとか、繁栄を見越して失敗しちゃった
のかな、という背景が見えかくれするのが余計に痛々しいです。
ところが、ここからが肝心なのですが、その木更津のみなさんが、意外にと言っちゃ失礼ですが、何だか
都心の人達より、生活を楽しんでらっしゃるように見えるんです。
こっちだっていろいろ大変なのは都内と変わらない、もしかしたらもっと厳しいかもしれないのですが、
1. 家と仕事場が近く、車で行き来しているので、そして道もあまり混んでないので、みなさんあまり「急いで」いない。
2. 家と仕事場が近く、車で行き来しているので、職場づきあいと友達づきあい、近所づきあいが交錯していて、
交友が広く、お互い会うのもたやすい。
3. 家と仕事場が近く、車で行き来しているので、多少仕事ひけるのが遅くなっても、友達と会ったり、軽く遊びに
行ったりしやすい。
4. 少なくとも古くから住んでいる家の人は、ローンや家賃に追われていないので、(仮に)収入がそれ程多く
なくても、あまり困ってなさそうだし、家族や自分の趣味にお金を使える。
5. 「地元」に、誇りとは言わないまでも、「愛着」に近い感覚を持っておられる。
都心で働いている人は、同僚でも、住んでいるのはそれぞれ例えば神奈川や埼玉、千葉だったり、23区内に住んでいても、出身は
地方だったりすることが多いですよね。
だから平日、仕事のあと遊ぼうとしてもあまり時間が無かったり、お互いの家が遠いから休日もなかなか会えなかったり、
今住んでいるところには古馴染みはいない、といった状況がごく普通にあるわけです。
最近、こういうのは健全でないな、「地に足が付いて」いないな、と感じていました。
音楽教室の仕事を通じてお会いした、会社の木更津支店のみなさんはもちろん、そのお友達の方々や、生徒さんやその
御父兄の方、地元のギタリストやギター・ショップ、ギター工房の方など、知り合ったみなさんとても親しく
して下さいます。
今回の木更津「インプレッション」でのライブも、そんな地元のみなさんの御尽力で実現しました。
お客さんの中には、もちろん面識のない方も多かったのですが、お客さん同志がお知り合いなので、とにかく和やかなライブに
なりました。
こういうのって、確かにあまり「先鋭的」とは言えないかもしれませんが、大切なことなんじゃないかと思います。
10月9日(土)
渋谷のライブ・ハウス「アピア」は、今の方向性が出来てからずっと出演させてもらっているお店です。
今回、「アルバム完成記念ライブ」も当然ここでやらせてもらうつもりでいました。
ところが前日、テレビの天気予報では「今年最大の台風が首都圏を直撃します。看板が飛んできたり、
街路樹が倒れたりします。外出しないでください。」思わずがっくり。そこまで断定するもんかいな。
山下洋輔先生の説によれば、「大きなストのある日、台風の来ている日など、緊急事態の雰囲気のある
日のライブは、バンドもお客さんも緊張感や高揚感があり、演奏し易い。」ということですが、
そりゃ天下の山下洋輔なら、「台風でも聴きにいくぞ」ってなお客様もおられましょう。
よりによってこんな名もない一介の音楽講師の大切な節目の日に・・・。いじわるう。
記念ライブということで、プロデュースをやっていただいたパーカッションの山本恭久さんに
ゲスト出演をお願いしてましたが、お客さん一人も来なかったらどうしょう。
と思って落ち込んでいたら、何と沢山のお客さんが来て下ったことか。(十人以上の人数は『沢山』である)
アルバムもみなさん買って下さり、本当にお礼の申し上げ様もありません。
ありがとうございました。
いつもの通りソロ曲「さらばヒーロー」で演奏スタート。ちょっと気持ちが乗り切らない感じ。
あんのじょう後半ミス・タッチが。あらあら、と思いつつも、パニックになるほどではない。
さすがに、この程度にはライブ慣れしてきてるようです。
ソロ・ギター主体のアルバムの記念ライブということで、歌ものは2曲め「夏休み」だけにして、
3曲目「オクラホマ」に突入。気持ちは完全に切り替わった。ここで山本さんをステージにお呼びして、
「ギター少年」。
山本さんは沢山の小物を用意してきてくれましたが、基本はカホーンひとつだけ。
ところがそこはさすがベテラン。最初の一音で、ステージの空気を変えてしまいました。
僕もいつもより相当暴れたパフォーマンスが出来ました!ステージで暴れて弾くと、演奏も荒くなるのだけど、
このさいそこは大目に見るものとすることに決めました。
続く「詠み人知らず」では、ホイッスルやベルで作ってもらった空間の中で、気持ちよくギターを鳴らし、
フィナーレの「蒼き風」ではほとんどロック・バンドのノリ!
僕の長年夢に描いていたステージがいとも簡単に実現してしまいました。これもひとえに山本さんの御尽力、
そして何より大嵐の中来ていただいたお客様みなさんのおかげです。
帰りは丁度台風が首都圏を通過する時間帯。電車は止まり、道路は川になり、ギター抱えて帰るのは大変でしたが
みなさん無事帰宅出来ましたか?
本当にありがとうございました。
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