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綴りのケツにペタッと -less がついていると「無」という意味が生じる。 careless「不注意な」、cheerless「陰気な」、childless[子のない」、endle-ss「終りがない」、fadeless「色あせない」、homless「家がない」、parentless「親のない」、penniless「無一文の」、restless「落ち着かない」…。 というわけで、今宵は『ないない』づくし。 もっとも、countless と numberless は「勘定がない」「数がない」ではなく、「数えられないほど多い」「数え切れない」という意味になるから、「ない」どころではない。valueless だと「価値がない」、invaluable「値がつけられない」、つまり priceless のことである。 一字違いだが、lass は「娘」(オッパイがない?)のことで、lingerie lass なら「下着のない」じゃなく、挑発的な「(下着の)露出大好きギャル」のことを指している。 戦後強くなったのは女性と靴下というけれど、昭和36年(1961)ごろからは縫い目のない靴下 seamless「シームレス」が流行っている。さらに、1964年になるとNYのデザイナー、ジャンライクが、オッパイをボロンと露出させた、dauntless「大胆不適な」水着、topless「トップレス」をデザイン。世界中を「アッ」と言わせた。 こうしてみると、戦後はレス・ファッションが主流だったということが、ハッキリ、クッキリとしてくるはずだ。レズを公言する(come out of the closet)女性が、街をカッポしだしたのもこのころだ。 ジャンライクはトップレスの5年後、さらに大胆なシースルーファッションを発表した。seethrough は「透けて見える」という意味だが、このシースルが口火となって、米国のウーマン・リブ団体では「オトコの目を気にして胸を拘束するのはナンセンス」とノーブラ、ブラレス(braless)運動が加速。ブラジャー燃やして怪気炎をあげている。まァ、そういう方にかぎって、ナインだの洗濯板だのが多いんだけど。 ブラレス運動はさっそく日本にも飛び火。猫もシャクシもノ〜ブラブラッ…。下着メーカーのワコールが当時調べたところによると、17歳〜19歳が45%、20歳〜21歳が51%、22歳〜25歳が49%、26歳〜29歳でも40%が、ノーブラだったという。 再びストッキングのこと。 いま身につけているような靴下が作られるようになったのは、ニット編みの機械ができたQ世紀半ばからだ。ルイ15世(1754-93)時代には、絹製の刺繍入りとなり、レディーたちは惜しげもなく大金を投じて靴下を手に入れた。 当時のスカートはマキシム。靴下は隠れて見えないはずなのに? という疑問も残るが、マダムたちは「あらいやだ、靴下がずり落ちちゃったワ」などといって裾をたくしあげ、スカートの中を鑑賞させたのである。 当時は下着をつける習慣なんてまったくなかったから、茂みの奥深くまでつぶさに観察できたんですナ。つまり、靴下は夫や恋人たちに、肉体のすべてをさらけだす小道具だったわけだ。靴下止め(garter)には「恋のみが女の幸せ」などの刺繍がしてあったという。やるもんだね、マダム。 ちなみに、the Order of the Garter なら「ガーター勲章」のこと。 エドワード3世(1312-77)の愛人と噂されたソールズベリー伯妃が、ダンスの途中でガーターを落としてしまうというハプニング。だれもが、そしらぬ顔をするなかで、ガーターを拾い上げたのはエドワード3世だった。 「てめぇ〜ら、ガ〜タ、ガタすんな」と啖呵なんかきっちゃって、なんとガーターを自分の足にはめて、ダンスを続けたんだってさ。このことが契機となってできたのが、ナイトで最高の名誉といわれるガーター勲章なのである。勲章には「それを悪しと思う者にわざわいあれ」という縫い取りがしてある。 ちなみに、the Order of the Garter の order は「勲章」のことだが、このほかにも「順序」「秩序」「注文」「命令」とやたらに多くの意味を持った単語なんですな。ordinary「普通の」だって秩序正しくて、かつ例外がないことを表している。 話かわってノーパン喫茶のこと。 ミニスカの下はパンスト(panty hose)だけ、オーダーをとりにくるたびに、鏡の床に映るチラリズムが売り物の『ノーパン喫茶』も、レス・ファッションの流れの一つとしてとらえていいだろう。 昭和〓年(1981)に大阪・阿倍野で誕生したが、ハダカを日常的空間に取り入れちゃったことがうけ、これが押すな押すなの大盛況。当時のフーゾクに大旋風を巻き起こしたのである(福岡という説もある)。 その流れを組んでいるのが、『ノーパン牛丼』、『ノーパンお好み焼き』、『ノーパンタコ焼き』、大蔵省ご用達の『ノーパンシャブシャブ』ってやつですな。業界ではこれらをひっくるめて『グルメ風俗』とも呼ばれている。 もっとも、セーラー服に憧れたセラコン世代にいわせてもらえば、スカートの内なる部分というのは、「さぁ、これでもか」と大股開きでみせられるより、見えないほうが、あれこれと思いをめぐらせらることができ、よっぽど興奮しちゃうのだけれどなァ。レス・ファッションすこし反対! |