2.抗議文
怒りを全身にみなぎらせたMethaの書いた抗議文はこんな具合です。
「ロンドン電力関係各位 このたび、同封のような請求書が手元に届き、大変困惑しております。ご覧になると明白だと思われますが、この請求書はわたくしの住所にあてたものではありません。にもかかわらずわたくしの名前が記載されておりますのは理解に苦しみます。わたくしは自分の住居の電気料金は既に口座引き落としにしておりますし(同封の引き落とし通知書コピーをご参照下さい)、また、この請求書の住所には住んだこともございません。顧客番号も全く違うものでございます。
わたくしには、自分が住んでいない住居で自分の使用していない電気の料金を払う義務があるとは、とても思えないのであります。
貴社が今すぐに、正しい顧客番号を再確認され、全く身に覚えの無い請求書のあて先から
わたくしの名前を削除してくだされば、わたくしは再び安らかな日々を送ることができるものと信じております。
ご協力に感謝致します。以上っっ!!!」
この慇懃無礼な抗議文を書いて投函してからしばらくは、電話が鳴るたびに「すわ、ロンドン電力からの回答かっ!」などと勇んでいたMethaでしたが、・・・結局何事も起こりませんでした。
「まあいいや。きっと向こうで伝票をチェックした結果、やつらの過失だったってことがわかって、闇で処理でもしたんだろう。ほっておこう!」
Methaはそのまま忘れてしまいました。実際、それから1ヶ月、日々は平和に過ぎていったのです。
1ヶ月が経ち、Methaは二日後に控えた旅の準備をしていました。「ロンドン電力」からの手紙が来たのはそんな時です。
それを読んだMethaは怒り爆発でした。何がって?!?
では、公正を保つために、その「ロンドン電力」からの手紙をそのまま訳した文章を載せましょう。
「拝啓 Metha様、(顧客照会番号●●●、フラット●号、●●通り)←注:この住所は正しいMethaの住所です
貴殿からのお手紙は●月●日に受け取りました。
本件を解決するために、来る●月●日に予約を入れました。当方の者が当日午前7時から午後1時の間にお伺いし、電気メーター等を確認させていただきます。
この日程に不都合がある場合、あるいはご質問がある場合は、番号●●―●●●(料金無料)にお電話下さい。もしくは、本状に記載の住所にお手紙下さい。
敬具
(サイン)
レベッカ・××
顧客サービスアドバイザー」
何じゃ、これは??
Methaは開いた口がふさがりませんでした。
ひとつ。「Methaからの手紙を●月●日に受け取った」と書いてありますが、実際に手紙を出したのはそれよりも2週間も前です。この2週間の間、Methaの手紙は歩いてロンドン電力まで旅をしていたというのでしょうかっ?だいたい、このような日付をわざわざ書いて、さも自分たちが迅速な対応をしているフリをしているところが許せません!!
ひとつ。「予約を入れました」などとやつらが一方的に言えることでしょうか?こんな事後承諾をとられても、こちらはたまったものではありません!普通は電話なりなんなり、直接確認するのが常識ではないでしょうか?「予約をいれましたので、都合がわるけりゃ言ってください」なんて、いったい何様のつもりなんでしょう?だいたいこれからMethaは旅に出るんだから、その日はもうイギリスにいませんっ!
さらに。やつらは、この問題がどうして持ちあがったか、全く解っていないのではないでしょうか?電気メーターを確認して何が解決すると言うのでしょう?やつらが自分の顧客番号と契約者名をもう一度確認し、あの請求書の住所で契約しているのはMethaではないということを理解すればそれでいいのですっ!わざわざMethaの家に来てメーターなんぞ確認しなくたって1日、いや数十分で解決できることではないですか!!
この手紙からにじみ出る雰囲気、それは「責任回避を目的とした高飛車な態度」でしょう!!
非は明らかにやつらの方にあるのに、何故ここまでデカイ態度に出られるのでしょう?どんな神経であれば、このような一方的で押しつけがましい文書をお客様に対して書けるというのでしょう??
しかし日本人Methaは怒りながらも、予約のキャンセルをするために掲載されていたフリーダイヤルに電話しました。ああ、なんて合理的で建設的な態度なんでしょう!!
こうでなければ状況は進歩しません!人類の、そして世界の発展はあり得ません!(?)
しかし・・・電話はしたものの、一向につながりませんでした。
考えて見れば、イギリスでフリーダイヤルにかけてつながったためしなどないのです。この日この時間この瞬間に電気料金について文句や問い合わせのある人がそんなにロンドンに存在するとはとても思えませんが、とにかく「ただいま電話は大変混み合っております・・・そのまましばらくお待ち下さい」のメッセージが流れつづけるのでした。
Methaはあきらめて受話器を置きました。
もういやだ!
なんで何も悪くないMethaがこんなに気を病まなくてはいけないんだ!
もう勝手にしやがれロンドン電力!!Methaは旅に出ちゃうからねっ!