ラ・バヤデール 【La Bayadère】


レオン・ミンクス作曲
版:プティパ版、グリゴローヴィチ版、チャブキアーニ版、ズブコフスキー版、セルゲイエフ版

日本のバレエ団より、来日した海外バレエ団がよく上演する全幕バレエです。主役ニキヤの恋敵、ガムザッティも上位ソリスト級のダンサーが踊ります。
ストーリー

第一幕
 南インドの大きな僧院の前。戦士ソロルが狩りから帰ってくる場面から始まる。獲物の虎を大領主であるラジャに贈るべく召使いに届けさせる。ソロルは、愛するニキヤ(寺院の巫女であり舞姫(バヤデール))を寺院で待っている、という伝言を彼女に伝えるよう、苦行僧マグダヴェーヤに頼む。
 ソロルが去ると、寺院から大僧正と僧が登場し、拝火の儀式が始まる。苦行僧と舞姫たちも出てきて聖なる火の回りをめぐる。舞姫たちの最後にニキヤが姿を現す。大僧正は美しいニキヤに惹かれており、愛を告白するが、ソロルを愛するニキヤはきっぱりと拒絶する。
 舞姫たちが苦行僧に聖なる水を与えていると、苦行僧マグダヴェーヤはニキヤに近づき、ソロルの伝言を伝える。ニキヤは胸をときめかせ、大僧正を振り切り、ソロルに会いに行く。
 逢瀬を果たしたソロルとニキヤは愛を誓い合うが、物陰に隠れてこの会話を盗み聞きした大僧正は嫉妬にかられ、復習を誓う。

第二幕
 ラジャは、見事なトラを献上したソロルを気に入り、娘のガムザッティを紹介して婚礼を告げる。ソロルはガムザッティの美しさに驚き、しかしニキヤへの愛を思って混乱するものの、婚約を承諾してしまう。さっそく、婚約の宴が用意され、主賓には大僧正が、そして舞姫としてニキヤも招かれて宮殿にやってくるる。大僧正は、ソロルの失脚を願ってニキヤとの仲を告げ口する。すると、ラジャはソロルではなくニキヤを殺すと言い出す。大僧正は必死でなだめるがラジャの意思は変わらない。この激しいやりとりを盗み聞きしたガムザッティは、婚約者ソロルに恋人がいることを知り、召使いアイヤにニキヤを呼び出させる。ガムザッティはソロルとの結婚を告げるがニキヤは信じず、激しい口論となる。激高して我を忘れ、ナイフでガムザッティを刺そうとするニキヤ。アイヤに止められて我に返り、ニキヤは部屋をあとにする。ガムザッティは、ニキヤを亡き者にするよう、アイヤに命じる。

第三幕
 ソロルとガムザッティの婚約披露宴が始まった。華やかな踊りが次々と繰り広げられる。バヤデールであるニキヤもラジャから踊るよう命じられる。しかしニキヤは悲しみにくれ、ソロルを見やりながら踊る。そのうち、アイヤが進み出てニキヤに花かごを渡す。ニキヤは花かごを持って踊るが、その中には毒蛇がひそませてあり、ニキヤは咬まれて倒れてしまう。苦しむニキヤのもとに大僧正が駆け寄り、自分の愛を受け入れるなら解毒剤を渡すと迫る。ソロルへの愛を貫くニキヤはこの申し出を拒否し、死んでしまう。

第四幕
 ニキヤを失って悲しみにくれるソロル。召使いはソロルを慰めるため、舞を披露する。ソロルは次第に眠くなり、夢の世界へ入る。すると、バヤデールの精霊たちがあらわれ、その中には美しいニキヤもいた。手を取り合って踊る二人。ソロルは改めてニキヤに愛を誓う。
 目覚めたソロルは寺院に向かい、許しを乞うが、ニキヤの愛を裏切ったソロルたちに天罰が下り、寺院は崩壊する。

見どころ

第一幕
 逢瀬のパ・ド・ドゥ。二人の歓喜が伝わってくる美しい踊り。

第二幕
 ニキヤとガムザッティの女の戦い。かなりの迫力です。

第三幕
 ガムザッティとソロルのグラン・パ・ド・ドゥの中で踊られるガムザッティのバリエーションは、コンクールでもおなじみの有名な踊り。そのほか、「太鼓の踊り」では勇壮な音楽と群舞で迫力ある踊りを楽しめますし、「壷の踊り」では、頭の上に載せた壷を落とさずにコミカルに踊る女性ダンサーがかわいらしい。

第四幕
 影の王国の美しい群舞。真っ白のチュチュを身に着けたダンサーが一糸乱れぬ群舞を披露し、ソリストたちが有名な影の王国のバリエーションを踊る。
 ニキヤとソロルが白いスカーフをともに持ちながら踊るパ・ド・ドゥも美しい。白い布は二人の魂の結びつきを表現している。