コッペリア 【Coppelia】
音楽:レオ・ドリーブ
版:サン=レオン版、プティ版
全体として喜劇的な楽しいバレエ。窓辺に座る美しい娘、コッペリア(実は人形)に惹かれるフランツと、その恋人スワニルダの恋騒動を描いた作品。喜劇なだけに、笑いを取れるようなコミカルな演技力がダンサーたちには必要になります。
第一幕
ポーランドのある村。広場に面してコッペリウス博士の家が建っており、二階の窓辺にはいつも、静かに本を読む謎の美しい娘が座っている。名前もわからないその娘を、村人たちはコッペリウスの娘、コッペリアと呼んでいた。
広場にフランツが登場する。フランツにはスワニルダという婚約者がいるが、このごろ美しい謎の娘コッペリアが気になって仕方ない。今日も広場でコッペリウス博士の家の二階の窓辺をうかがっている。するとスワニルダも続けて姿を現し、フランツの態度を疑う。フランツはスワニルダの疑いを解こうとなだめ、ともに踊るが、スワニルダの疑念は晴れない。スワニルダは手に麦の穂を持ち、これは相手の気持ちが真実ならば音がなると言い伝えられている。しかし、いっこうに音を鳴らさず、スワニルダはいらだつ。とうとう、二人は喧嘩別れしてしまう。
広場に人気が絶えた頃、コッペリウス博士が家から出てくる。そこへ村の若者たちが登場し、変わり者のコッペリウス博士をからかって翻弄する。そのうち、コッペリウス博士の服から家の鍵が転がり出るが、博士は気づかずにそのまま出かけてしまう。若者たちも、落し物に気づかずに広場から去っていく。
入れ替わるように、スワニルダと友人たちが広場に姿を現す。鍵に気づいて拾い、コッペリウス博士の家のものだと突き止める。かねてからコッペリアのことが気になっていたスワニルダは、こっそり家に忍び込んで探検することを提案する。おっかなびっくり、少女たちはコッペリウス博士の家に入っていく。
一方、フランツもコッペリアが気になるあまり、コッペリウス博士の家に忍び込もうとする。
第二幕
コッペリウス博士の家の仕事場。薄暗い部屋の中にさまざまな人影が浮かび、少女たちは最初、気味悪がって近づかない。しかしやがて、それらがみな人形だと分かると、大胆に人形を動かし始める。人形たちは、次々と踊りを披露する。そしてとうとう、奥にカーテンで仕切られた一角があることに気づき、スワニルダはカーテンを開けてみる。すると、当のコッペリアが静かに座っていた。スワニルダは、話しかけたり服を引っ張ったりするが、まったく反応がない。とうとう、コッペリアも人形なのだと見破るスワニルダ。しかしこのとき、ちょうどコッペリウスが帰ってくる。博士は怒って少女たちを追い出すが、スワニルダだけはうまくカーテンの向こう側に隠れる。
そして、フランツが一人で家に忍び込んでくる。フランツを見つけた博士は、最初フランツを追い出そうとするが、気を変える。博士は、すばらしい出来栄えであるコッペリアに、本当に命を吹き込みたいと願っていた。そこで、フランツを使って魂を吹き込もうとしたのである。ワインを勧めてフランツを眠らせる博士。そして、フランツがぐっすり眠った頃合いをみて、カーテンの奥からコッペリアを連れてくる。しかしこのコッペリアは、スワニルダが服を取り替えて変装したものだった。
博士は、魔法の本を参考にして、フランツの魂を抜き取り、人形に移す儀式を行う。すると、スワニルダはふざけて人形のようにぎこちなく動き始める。だまされていることも知らず、博士は大喜びする。次第にスワニルダは調子に乗って、さまざまな踊りを踊ったり、周りの人形を動かしたりしてはしゃぎまわる。そしてフランツが目を覚ましかけると、すばやく逃げていく。コッペリウス博士は驚くが、カーテンの奥にコッペリアの人形が服をはぎとられて転がっているのに気づき、やはり人形に命を吹き込むことはできないのかと悲嘆にくれる。
第三幕
コッペリアが人形と知り、スワニルダと仲直りしたフランツ。今日は二人の結婚式である。村人たちが次々と楽しい踊りを繰り広げ、若いカップルを祝福する。
第一幕では、コミカルな演技や踊りがちりばめられており、楽しく見ることができる。第二幕の博士の仕事部屋のシーンでも、人形たちが、独特の動きでさまざまな踊りを繰り広げるのが楽しい。スワニルダがコッペリアを装って踊るシーンでも、博士の要望に合わせてスペインの踊りなど民族舞踊を披露する。
第三幕では、フランツとスワニルダのグラン・パ・ド・ドゥがあり、その仲のスワニルダのヴァリエーションは有名。
|