松村劭:『新・戦争学』, 文春新書117,2000.09.05., ISBN4-16-660117-2, \660+税.
圧巻なのは太平洋戦争の戦争目的に関するところ.
もし、米国が日本と中国における覇権を争ったのであれば、 フィリピンを占領したあとは中国の日本軍を追い出すことが戦争目的として すじが通る。だが、そうではなかった。日本に東南アジアの資源地域を 獲得させないというのであれば、フィリピンを奪回した段階で、 日本の休戦の求めに応じたはずである。日本の軍部独裁を破砕するのであれば、 マリアナ海域で日本の休戦要求に応じればよかった。
ルーズベルト米大統領の対日戦争目的は、上記のいずれでもなかったのである。 歴史の教訓に従えば、一つの大洋に二つの海洋国家は存在できない。
その上、第一次世界大戦と第二次世界大戦の谷間では、 人種差別は白人社会において当然のこととして認められていた。 その「黄色い猿(Yellow Monkey:Jap)」が、白人国家並みの態度で 海洋覇権を求め始めたのだ。必然的に「黄禍論」が欧米で盛んになった。 米国の戦争目的の本質はこれであって、「日本という国家を抹殺」することであった。 「全面戦争」である。
したがって、戦争末期における日本の戦争目的は「生存」に変わっていた。 だから硫黄島、沖縄の会戦と神風特別攻撃隊の戦闘の目的は、 軍事的合理性を超越していた。それは子孫に民族の闘魂を伝承し、 「愛国精神」を伝えることであった。マリアナ海戦以降の日本の戦争は、 作戦論だけでは論じられない。
米国はライン河を越えてドイツに侵攻したが、ソ連と協定(ヤルタ協定)して 米国の侵攻限界をエルベ河とした。理由は米国の損害がエルベからベルリンまでの 間に一〇万に達すると見積もられたことにある。ルーズベルトは米軍の損害を 最小限にとどめる以外に関心がなく、戦後の国際政局にもほとんど無関心であった。 四月三〇日にヒットラーが自殺し、五月二日、ソ連軍がベルリンを占領。 ドイツは五月七日の真夜中に無条件降伏した。
正八角形を「丸だ」と言い切るような大胆さはあるが, 太平洋戦争での日米の戦いぶりに関する一つの本質をついていると思う.
日本の生存をかけ戦い,散っていった英霊に黙祷.
日本軍の死に物狂いの戦いぶりがあればこそ,今日の日米同盟がある. アメリカ軍は日本の軍人に一目置いている. 太平洋戦争での日本軍の激闘は,今の日本の平和や繁栄と決して無関係ではない.
松村劭:『台湾海峡、波高し』, ネスコ,2003.12.12., ISBN4-89036-195-2, \1700+税.
台湾という国,そして台湾軍について基礎的な知識を得ることができる.
そして,旧日本軍のDNAが台湾軍に息づいていることも分かる.
日本が憲法を改正し,日本軍を再建するのであれば, 台湾軍との交流は大いに得るものがあるだろう.
http://d.hatena.ne.jp/spanglemaker/20041201/p1
http://d.hatena.ne.jp/spanglemaker/20041219/p1
http://d.hatena.ne.jp/spanglemaker/20060126/p1
(2004.05.27.記)(2006.01.26.更新)