http://d.hatena.ne.jp/spanglemaker/20041127/p1
(2004.11.27.記)
鈴木龍成・竹本良:『宇宙人の柩』,明窓出版,1997.09.09., ISBN4-938660-67-9
NASAで宇宙飛行士のヘルスチェッカーなどの仕事をしていたという鈴木龍成氏(仮名)の体験を,科学問題研究家,竹本良氏がインタビューなどを通してまとめたもの.NASAで働いていた日本人の脳外科医が,なんと異星人の遺体を目撃していることが明かされている.
それは,ロズウェル事件の際に収容されたものだという(P.31-32).
僕の見たのはのは1947年のUFO墜落事件,ロズウェル事件の異星人です.墜落したUFOの中から4体の小人タイプの異星人が発見されました.2体は丸焦げで,顔はボーリングの玉のような感じに焼けこげていました.他の2体は発見当時生きていましたが,運んでいる最中にその内の1体は死にました.
もう1体は生きたまま,冷凍保存によって現在も生命維持されているということです.顔は一般に紹介されているものよりも醜く神秘的で,眼が立体感のある,ちょっと言葉で言い表せないような神秘的なものでした.
これは最初に竹本氏が送った質問状に対するドクターの解答の一部である.もしこれが本当の体験だとしたら大変なことだ.墜落したのはやはりプロジュクト・モーガルの気球[1]ではなかったのだろうか
ところが困ったことに,ドクターの体験は十分に眉つばなのだ.竹本氏がドクターに直接会ってインタビューすると,異星人の死亡時の状況が以下のように変わっている(P.87-88).
−墜落時のショックで死んだわけではないのですね?
ドクター−墜落しても,円盤は爆発しないのです.重力調整装置のせいか,全員生きていたのです.捕獲されてから,病気が発生して死んでいったのです.
墜落の状況も,異星人の死因も,最初の話と矛盾してしまっている.しかしどうしたことか,これを書き起こした竹本氏は,別にこの件について気にしていない.私だったら何か思い違いがないか質問するか,追加の説明をするところなのだが.インタビュー時に気がつかなかったら後で電話ででも聞けばいいことで,何しろドクター鈴木が筆頭の著者なのだから,こんな情けない矛盾は放っておけない.
かようなわけで,ドクター鈴木の話はほとんど信用できない.さらに言って,ドクター鈴木が本当に脳外科医なのかという疑問も沸いてくる.別冊宝島356『実録!サイコさんからの手紙』のP.119に出てくるNASAで異星人を見たという医者は,よもやドクター鈴木本人ではあるまいか.
ドクター鈴木の貴重な体験は,実はこれだけではない.なんと,彼は白鳥座61番星から来たという異星人に何度もコンタクトしているというのだ.
彼はドクターと「なにか共振するものが」あるといい,十数回話をしている.「地球人にとって不利益な行動をとる異星人の牽制」のためにNASAに来ており,外見はアダムスキーの遭遇した金星人のようだとか(ドクターはアダムスキーを支持している).ドクターがNASAから帰ってきた現在も,必要なときには(名古屋ででも)会うことができ,例えば,1995年兵庫県南部地震の際には芦屋のご親戚がうまく避難するところを,4次元影像(音声つき)で見せてくれたのだという.また,白鳥座の異星人は水を30秒で「凄い水」(富士山のミネラルウォーターの4885倍!のエネルギー量だ)にしてしまうという「ガラス質の石」をドクターに与えている.
ただ,この白鳥座の異星人は,鏡に映らず,「突然現れ,やがて消えてしま」い,なんとNASAの内部でも,ドクターだけしか会ったことがないのだという.以下の発言が印象的だった(P.139).
−−リンザー・アーマン先生もご存じなのですか,白鳥座の彼のことは?
ドクター−−いいえ.先生はまともな方ですから.
どうまともなのだろうか.いや,白鳥座の異星人を知っているというのが,どうまともじゃないのか.細かいことろだが,なかなか謎めいた言葉だ.
私の価値観としては,異星人の遺体を1度見るということより,このような生きた異星人と何度も会っているということの方がよほど重大な事実ではないかと思うのだが,この話は遺体の目撃談よりも軽く扱われている.
これには訳があって,共著者の竹本氏が白鳥座の異星人の存在に疑問を感じているためだ.この本の第IV章では,前述のようにドクターしか会っていないということや,その他いくつかの理由から,白鳥座の異星人の話はドクターの神秘体験ではないかと竹本氏は考えているのである.前出の「ガラス質の石」も,ドクターから借りて試したところでは,特に効果がなかったという.
白鳥座の異星人についてそのように懐疑するなら,異星人の遺体の件も,少しは疑ってみてはどうかと誰しも思うであろう.でもそうすると,この本の存在の根幹がぐらついてくるので,竹本氏としては困るのだろう.ご苦労なことである.
[1]例えば皆神龍太郎:『宇宙人とUFO とんでもない話』,日本実業出版社,1996.09.30.
関連サイト
(1997.11.07.記)(1999.10.06.更新)