ストーリー


あのネタは何話から

はじめに

よく言えばライブ感覚,悪く言えば行きあたりバッタリ.たった11回のシリーズなのに,放送開始時点で後半の展開が決まっていなかったというのはやっぱりすごいことだ.そこで,回が進むごとに追加された設定をチェックして,どういうタイミングでストーリーが決まっていったかを検討してみたい.

凡例

表の列は第何話かを.「-」はその設定未登場,「O」は設定有効(ただし,最初の「O」の回以降は,必ずしもその話で言及されているわけではない)を示す.設定が有効らしいけど,伏線として匂わせるだけのときは「o」と表示.

ネタ登場一覧表

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
柴田の頭が臭い/風呂に入らない - - o O O O O O O O O
係長に愛人がいる - O O O O O O O O O O
愛人は「みやび」ちゃん - - - - - - - O O O O
係長と近藤のダジャレ合戦 - - - - - - - - - O O
早乙女の怪しい行動 - - - - - - O O O O O
早乙女が妙に若い - - - - - - - O O O O
早乙女が昔を知らない - - - - - - - O O O O
早乙女が朝倉だった - - - - - - - - - o O
朝倉が別人だった - - - - - - - - - O O
谷口の裏切り - - - - - - o o o O O
SWEEPという組織がある - - - - - - - O O O O
彩がスパイだった - - - - - - - - O O O
彩と斑目ができている - - - - - - - - O O O
係長が名の知れた刑事だった - - - - - - - - - - O

補足

刑事たちの裏の顔

そもそも,堤さんは警察とか自衛隊とか学校とかを好意的に描いたためしがないと思う.さりげなく反権力の人.

『ケイゾク』では特に捜査一課の刑事たちの無能ぶりが映える.そして,事件を解決し,一般人の犯罪をあばいてゆくのは,頭はいいけど常識に欠けたオタク少女の柴田純(でも大抵の女性のオタクはきれい好きだと思う).

前半のそういう構図だけでも十分面白かったが,後半ではさらに何人か刑事が裏の面を見せ,暗殺部隊SWEEPまで登場して,もうムチャクチャになる.よくどこからも圧力かからないなと感心する.

具体的な刑事たちの豹変もさることながら,構造的なギャグも健在だった.最終話,柴田父の名セリフを持ち出して真実糾明を訴える柴田.それにほだされる柴田父の元部下野々村係長.ついでに同じセリフで早乙女にカマをかける.

確かに柴田純一郎補佐官のセリフは立派なんだけど,この方の実積を築いたのって,2話で分かるとおり,娘の柴田純本人だったりする.このドラマの権威否定の方針からは,主人公の亡き父でさえ逃げられない.私,柴田が父のセリフを持ち出したあのシーンは,かなりマジでギャグだと思った.

早乙女

早乙女が裏で何かしているというのは,第7話から.この時点で,本当の朝倉が早乙女になりすましていると決まっていたようだ.だから小説本にも反映されている(らしい,未読).カドカワ本によると5話ぐらいで野口五郎に話がいったとか.

谷口

7話で,車の中で早乙女に話しかけている人物,声をよく聞くと長江さんだと分かる.10話で,柴田と真山を襲い,朝倉のシンパだと発覚.真山に追い詰められて自殺をはかり,二係の刑事で,唯一本気で死んでしまう.

10話,谷口が真山の持っているナイフをわざと自分の胸に刺し,死に際に,駆けつけた係長の方を見て「助けて〜」と言うシーン,2通りの見方ができる.

  1. 被害者を演じて,真山をおとしいれるため
  2. 朝倉の洗脳が解け,本気で助けてほしかった

私は1だと思った.必死でナイフを抜こうとする真山の手をしっかり押さえていたわけだし.しかしカドカワ本では2の方を示唆している.視聴者の判断にゆだねている部分だろう.

これを見て「すげぇ」っとワクワクしたのは,次回,最終回ではきっと,近藤も野々村係長も豹変して真山を襲いだすのではないか,何も信じられない状況におちいった真山はどう切り抜けるのか,あるいはどう射殺されるのか,そういう想像をしたから.さすがにそこまで救いのない話ではなかった.ラスト,柴田まで裏切ったら,それはそれでいいなと思ったんだけど.

(1999.09.05.記)



Written by Spangle Maker.