を通して映画をふり返ってみる.
『ケイゾク/映画』といえば何と言っても「赤い煙」.わざわざ火災報知器まで鳴らして何を撮っているかと思いきや,これだ! 説明もへったくれもなく,現実から幻想への切り替えを赤い煙一発で済ます大胆さがたまらない.
そういえばNHKの人気ドラマ,『すずらん』が映画になるとか.『スズラン/映画』って書くとなんか違う作品になりそうな.雪の中道に迷い,凍える萌たん.そこへ赤い煙が.そしてとってつけたような実の父親のエピソードが….
赤い煙というのがこの映画のオリジナルかというと,そうでもないのがこの世界の奥深さ.おなじみ映画秘宝の『あなたの知らない怪獣(秘)大百科』を読むと『SF地底からの侵略/無差別襲撃! 戦慄の殺人有機ガス』というのが,赤い煙の草分けらしい.この映画では,地割れから突如赤い煙が沸き出し,ばたばたと人が死んでゆくという.そしてその真相は,地底に棲む火星人のガス攻撃だった.してみると,朝倉の正体も! いや,地底人だったり最低人だったりしてもどうでもいいことなんだが.油断ならないのはこの映画,ラストが夏エヴァだという話もあるようだ.いや,油断ならないのは映画でなく記事を書いてる人のオタク魂だという話はあるにはあるが(どう考えても解説記事に比べて映画はつまらなそう).
共通項は主演女優の強烈な演技力ということで.もちろんそれだけです,ギャリソン先生.
いきなり火を吹いてるし,最後は全身黒塗りで「まぁやぁま〜!」だもんなぁ.四谷さんが指摘しているけど,もう真山の中では朝倉事件のケリはついている.特別編で真山が動いたのもあくまで柴田を守るためだし,映画もそうだ.特別編の「お前も相当なヒマ人だな」とういのは,ズバリ本心だろう.映画だって壺坂を射殺しているし,沙織なんて自分で頭を撃ってしまった.ケリはついているといっても,心の平安が来たわけではない.朝倉への憎しみはそのままに,今を,それに多分柴田を受け入れて生きてゆこうということだ.逆に,そういった解答を示されても,朝倉の正体が何かだとかいったことが気になる人の満足は確かに得られないのは確か.何ともイジワルな映画ではある.
タイトルは学生運動のノリで.
前述の真山のケリのつけかた.同じことは柴田も言えて,柴田本人の意識を投影した形で,父親が朝倉を射殺している.不完全な群体から完全な1個体への転換.これがいわゆる「人類補完計画」で,ネタを明かしてみれば「ボクも綾波と一つになれる」「私もユイ君と一つになれる」なんて話でしかなく,イデの発動から10年以上も経ってわざわざやるネタかねと思ったが,そう思ったのは植田プロデューサーも同じだった模様.不完全な群体で何が悪い.それがこの映画の答えの一つだろう.まさに対抗意識丸出し.でも当然だ.ドラマのプロとしてあの監督の諸行はおよそ許せるものではないと考えているのではないか.私も植Pの方が尊敬できると思う.
それにしても,ムーランさんがこの映画をズバリ要約してしまったのが面白かった.<植Pとしてはエヴァ(の植P版)をやりたかった.しかし堤監督はエヴァを知らなかったので,マタンゴを作ってしまった>.なんかこれを読んですごくスッキリしてしまった(笑).夏エヴァはこのGWに観て改めて「しょーもなー」,植Pが「俺ならこうしちゃる!」と思うのも仕方ない,と実感したので,今度はマタンゴをまた観たいと思う.なかなかビデオ屋回っても見つからないんだけど.
(2000.03.05.記)(2003.03.22.更新)