イスラエル空軍といえば,イラクのオシュラク原子炉破壊や周辺国との空中戦での連戦連勝などで精強というイメージが強い.そのイスラエル空軍だが,不思議なことに映画やテレビに協力するのも好きだったりする.その映画が何かといえば,『アイアン・イーグル』だったり『メタル・ブルー』や『メタル・ウイング』で,実はB級C級の航空アクション映画だ.
はっきりいって,どの映画も内容はばかばかしい.『アイアン・イーグル』は高校生がF-16を駆って父親を救出に行く荒唐無稽な話.『メタル・ウイング』という映画では,アメリカのロックスターがF-16で大活躍だ(『トップ・シークレット』を思い出すね).クフィルに無理矢理二人乗りして敵の基地から脱出するシーンなど頭を抱えさせてくれる.TVの『ザ・プリテンダー 仮面の逃亡者』第3話「混乱のコックピット」は,ある天才青年が今週はパイロットになりました,てな話で(毎週主人公の職業が代わる.ミンキーモモみたい),なんとTVのリモコンで戦闘機を撃墜してしまう.正確には,改造したTVのリモコンで,相手の戦闘機のLSIを誤作動させるのだが,LSIが両面テープで飛行機に貼ってあったりして,すでに終わっている.
いずれの映画も,主人公たちはあくまで米軍あるいは米企業のパイロットとして活躍している.要するに米軍の協力を取り付けられなかった映画が,イスラエル空軍のご厄介になるわけだ.これは,一つは多分費用が安く上がるためだと思うが,それにしても,イスラエル空軍の映画の出来に対する無頓着さは注目される.まさか,ハリウッドとは同じユダヤ人のよしみってわけもあるまい.
なお,提供されるのは主人公たちの乗るF-16だけでなく,悪役のミグとして登場するクフィルもある.F-16には,一応米軍のマークがつくが,沙漠迷彩はそのままなので,イスラエル空軍機であることは一目瞭然となる.悪役のクフィルには特別塗装もしてもらえる.
『ザ・プリテンダー』では,ちらっとスウェーデンのドラケン戦闘機が置いてあるのが写って目を惹いた.こんなのも飛ばすとすると面白そうだが,どうもこちらは映画会社の所有物で,撮影もアメリカだったと思われる.
以上,精強イスラエル空軍のもう一つの側面の話.誰か,映画秘宝あたりで着目してくれないかと,密かに期待している.
(1998.05.24.記)(1999.02.16.更新)