『アイアン・イーグル』シリーズのB級航空アクション映画.題材は復元された第二次大戦機で航空ショーを彩るコンフィデレーテッド・エアフォースで,零戦(T6改造),メッサーシュミットBf109(多分イスパノエンジン),ホーカー・フューリー,P38などが出る.零戦のパイロットは千葉真一氏だ.話の元ネタはマーティン・ケイディン氏の『シャトル防衛航空隊』(タイトルうろ覚え)だと思う.ケイディン氏の小説の方が面白いというのが正直な感想だが.
注目すべきは,バート・ルータン氏設計の先尾翼,かつ複合材製のジェット攻撃機が,悪役の切り札として登場すること.この飛行機,Rutan's ARESは1993年頃にルータン氏が輸出を見込んで制作した攻撃機だ.機首の右側面に25mm機関砲を搭載し,ジェットエンジンのエアインテークは左側のみについていた非対称機である.売り込みに成功したという話は聞かないが,作られた試作機はハリウッドが見捨てなかったということ.意外なところで貴重な飛行機が見られた.ちなみに色は黒塗りだった.
(2002.02.16.記)(2002.02.17.更新)
仲間内では,サヤエンドウを見るたびに話題になる作品なのだが,さすが20年以上前の映画だけあって,Web上にはあまりきちっとした批評がないらしい.そこで,拙いながらもこうして書き留めておく.
私も10年以上前にTV放映された分を観ただけなので詳細は忘れているが,「自分以外の人間はみな宇宙人のすりかわりではないか?」という,SFでよくあるパターンをラジカルに体現した,面白い映画だった.
主人公は身近な人間がつぎつぎと宇宙生物の化身にすり替えられてゆくのに気付いて愕然とし,決して眠らないよう苦悩しながら,宇宙生物の魔の手から逃げ回る.この宇宙生物と地球人のすり替わりを象徴的に表しているのが,随所で搭乗する清掃車で,巨大な緑のサヤエンドウ様のカラを,職員が淡々と清掃車に放り込んでゆく.つまり,日常的な光景に,特異な意味を載せている.日常に這いよる恐怖を描くことは,よくできたホラーの条件だとよく言われる.この映画はそれを忠実に実行している.また,人間のすり替わりというのが妄想の典型例だけに,日常の場面とリンクさせることで,妄想と現実の境界をボカそうという狙いも伺える.
ひところ,人面犬が世間を騒がせたが,これの視覚的イメージのルーツはこの映画にあるようだ.犬をつれ,ウクレレを弾いて日々の糧をめぐんでもらっている髭面の浮浪者.彼も不幸にも宇宙生物にとって食われてしまう.そしてサヤエンドウから生まれた彼の身代わりは,愛犬の体に浮浪者の顔,そして声がウクレレというキテレツな三位一体だった。
この映画,とても予算がかかっているように見えないし,宇宙生物の侵略というテーマ自体陳腐である.しかし,非常にツボをおさえた作りであり,一度観たら忘れられない.愛すべき映画の一形態だと思う.近年,ハリウッドからはこんな映画が出ていないような気がする.いかがなものか.
(1999.05.16.記)
テレビ向け作品.沙漠の真中の乾湖につくられた米空軍随一の巨大基地,エドワーズ空軍基地で起きる人間ドラマを綴ったもの.F-104のテスト飛行で墜落して半身不随になり人生に悲観するパイロットや,若手がベトナム戦争のとき連れて帰ってきたアジア人の妻君が,悪役に売春を強要されそうになるのを助けたりする.もっとも,そんなのだけならここで紹介するわけがなくて,米空軍協力による数々の飛行機の出演が,この作品の最大の魅力である.
(2000.02.06.記)