主演メル・ギブソンと監督ジョージ・ミラーを一躍世界に羽ばたかせた傑作.
オーストラリア映画.わずか88分の上映時間に,シンプルなストーリーとクールなカーアクションが詰め込まれている.特に,コマ落しまで使った,スピード感優先のカー・アクションは今でも見応えがある.音なんかモノラルだってのに.
悪役の暴走族は,首領の1,2人を除いて本物だという話を聞いた.撮影中,2人死人が出たことも話題になった.劇中,族の後頭部にバイクの前輪がぶちあ当たるシーンがあり,これが犠牲者のうち1人が致命傷を負った瞬間と言われている.
マックスの乗るV8インターセプターは,一見アメ車風だけど右ハンドル.車種は「73年型フォードファルコンXBのGTクーペ」.
暴走族とグースのバイクはヤマハやカワサキの大排気量車.
レーザーディスク,限定DVD BOX所有.
撮影中死人が出た話はデマらしい.もっとも,怪我人は続出していた.
(1999.07.26.記)(1999.12.31.修正)
『マッドマックス2』は心の映画だ(ちょっと前までは『ブレードランナー』だったし,その前は『惑星ソラリス』だった).
テンポといい退廃した雰囲気といい,何もかも(オートジャイロはヘリコプターと違って数十mの滑走がいるということを隠している嘘を除いて)素晴らしい.本当にスキがない映画だ.
超低予算映画の『マッドマックス』も素晴らしい出来栄えだが,『マッドマックス2』では,今度はかけた予算が見事に完成度に反映されている.
そういえばTV放映の時はマックスを柴田恭兵,ジャイロ・キャプテンをジョニー大倉が当てていた.寡黙なマックス役の柴田恭兵は問題があまり出なかったが,ジョニー大倉の声は違和感大だった.これは,最初にTV放映したときに,二人の主演作の邦画,『チ・ン・ピ・ラ』の公開時期だったためで,なんとそのプロモーション.『チ・ン・ピ・ラ』を覚えている人がごく小数になっても,二人の声は時々TVから流れてくる.
ヒューマン・ガス率いる悪役のスタイルはほとんどそのまま『北斗の拳』にパクられている.
小道具のオルゴールのメカ部は,その後『カウボーイビバップ』でも登場.
字幕スーパー,ワイド版のビデオ所有.
(1998.04.02.記)(1999.02.18.修正)
前作に比べると,どうも『マッドマックス3』はつまらない.過激さで人気が出た映画が,人気ゆえに冒険できなくなってカドが取れてしまう.結果つまらなくなる.見事にそのパターンにはまっていた.まったく,『北斗の拳』の実写版かと何度も思った.思えば,『北斗の拳』も,少年ジャンプ連載ということで,かなり制約が多い漫画だった.
余談だが,『北斗の拳』はハリウッドで実写版の映画が撮られている.ユリア役は国際派女優,鷲尾<鉄骨飲料>いさ子.未見.アニメ版の映画の『北斗の拳』はけっこう面白かったけど,こっちはどうだろう.
予算があればいい映画ができるというものではない.この映画の失敗は,プロジュクトの進め方として,かなり教訓的なことであろう.
で,映画秘宝Vol.14の「えばぐり」で改めて『マッドマックス』の面白さの秘密に気付いた.監督のジョージ・ミラーと主役のメル・ギブソンだけに注目していたら分からない.プロデューサーの故バイロン・ケネディがその鍵を握っていた.彼もジョージ・ミラーに負けない映画オタクであったが,何よりアクションへの情熱は他を圧倒していたらしい.映画オタクのスピード狂が映画を作ってしまったわけだ.映画秘宝では「スタント馬鹿」とも書かれている.『マッドマックス2』の撮影では(映画秘宝Vol.14, P.78),
ケネディが命懸けで入れ込んでいたことは、タンクローリーのドアがアンカーにもぎとられるシーンを見ればわかる。一瞬、後部座席にチラっと見える人影がケネディなのだ。
残念ながら,ケネディは1983年7月,ヘリコプター事故でこの世を去ってしまう.これも,彼が趣味でヘリコプターを操縦していての事故だったらしい.
『マッドマックス3』は,彼の追悼の気持ちも込めて撮影された.しかし,彼を失った事がどれだけ大きいことかということは,残念ながらこの映画と前作までの落差に如実に現れている.面白い映画には,命知らずのオタクが必要だと言えるのかもしれない.
字幕スーパー,ワイド版のビデオ所有.
(1999.02.16.記)(1999.12.31.修正)