【す】


スーパーマン

クリストファー・リープの実写版.ラストだけど,皆スーパーマンが地球を反対に回ったから時間が戻ったと思ってないか(笑).特にマペット放送局.一秒で地球を7回り半以上の早さでぶん回って,スーパーウラシマ効果で過去に戻った,って展開だったはずだが.どっちみち反則技だが(笑).

(2002.06.08.記)

スターシップ・トゥルーパーズ,Starship Troopers,ブエナビスタ, 1998.

ロバート・A・ハインライン氏の名作,『宇宙の戦士』の映画化.映画秘宝の『ベストテンなんかぶっとばせ!!』に「『トップをねらえ!』みたいな右翼コメディになってしまいました」とあった.で,観たら納得(笑).高校のクラスメート3人が宇宙でそろって大活躍って話をマジに観る人は誰もいるまい.

でも,ある意味原作に忠実だとも思う.リコが軍隊に志願するのが,カルメンの尻を追っかけてってところなど,映画でその通りなのは大変嬉しい.

端的に言えば,クモどもと死体を見る映画と思いっきり割り切った作品だった(だから強化服も出さなかったに一票.あれだけクモどもを出せて強化服出せないわけがない.どうせCGだけど).アメリカの映画館じゃさぞかし「殺せ!殺せ!」と客席がやかましかったことだろう.

それにしても,作戦のヘタクソさは,これがアメリカ製であることを思いっきり疑わせる.せめて戦車ぐらい出さんかね.あれじゃ東部戦線のソ連兵以下の扱いだ.

思い出したが,宇宙船のクルーに女性がいるのは原作通りだとして,機動歩兵に女性がいるのはいくら「女の子は、まったく素晴らしいものなのだ」のハインライン先生でも考えていなかったと思う.原作になかった機動歩兵のヒロインの存在は,なにかアメリカ的背景があるんだろうか.単にシャワーシーン撮りたかっただけかもしんないけど(それにしても混浴だよ混浴!).

(1998.05.23.記)(2000.01.29.更新)

素晴らしきヒコーキ野郎,Those Magnificent Men in Their Flying Machines, FOX, 1965.

1910年、飛行機が発明されて間もないヨーロッパを舞台にした航空映画.架空のロンドン−パリ間の飛行機レースの物語.予算たっぷりの豪華な娯楽大作.なにしろ出てくる飛行機は基本的に飛行可能なのだ.

この作品の最大の特徴は,レースに参加する各国のパイロットに民族のステロタイプを露骨に表していることだろう.ドイツ人は何もかもマニュアルに合わせて合理的に行動する将軍,フランス人は軟派の女好き.イタリア人は大富豪のボンボン(しかも子沢山).スコットランド人はひねくれ者といった調子.

特にスコットランド人はわざわざコケにするために出したようなもので,そもそもカナード翼の飛行機でエントリーというのもひねくれているが,レースが始まると後ろに向かって飛んで,スコットランド方面へ行ってしまう.なのに当人はニコニコしたまま.時限スコットランド兵よりヒドい扱いだ(笑).

これだけ他民族をコケにしながら,イギリス人とアメリカ人はアクションあり友情ありロマンスありで大活躍.ただ,あんまり身びいきだと客が引くだろうというのか,ブラック魔王そっくりの悪役もアングロ・サクソンということになっていた.また,アメリカ人はどっか田舎から来たカウボーイ風情で,エラくクサいキャラクターになっていた(声は佐々木功,モモヒキに注目).

このレースには日本人も参加している.演じるのは石原裕次郎.飛行機は火を噴く獅子の絵(原典不明)が書いてあって,そこはかとなく中国風(笑).

石原裕次郎が最初に登場するシーンはすさまじい.日本の描写が欧米人の勘違いしたイメージそのものというのもイケるが,裕次郎演じる山本のお師匠が実にイイ.石原裕次郎がヘンなセットにもかかわらず堂に入った演技をしているのに対し,髭に和服のお師匠は身振りが演技になってないどころか,セリフはとちるし,飛行機の模型はぞんざいに扱うしで,ぜんぜんやる気がない.セリフが日本語だから日本人以外にはぜんぜん気にならないのだろうけど,我々ネイティブは涙なくして笑えない.

歴史的にいえば,日本の航空技術が発達して欧米列強になんとか追い付くのは第1次大戦後,職に困ったドイツ人技術者を迎え入れて,なおかつ,その下で指導を受けた日本人技術者が30代になってからである.要するにゼロ戦を開発していた当りで,もう少し詳しく言えば,三菱の96陸攻や96艦戦,中島の97戦などが登場する頃だ.この映画で「日本人だからすごいぞ」というのは,多分にゼロ戦のイメージによるわけで,史実と異なる.

ちなみに映画では,期待の日本機はブラック魔王の陰謀によりレース初日に離陸時に大破してしまう.集まってきた救助隊に,石原裕次郎が言う(大意).

「ナイフをくれないか」
「切腹するんじゃないだろうな?」
「ワイヤーを切るんだよ」

もう,日本人とくれば,ゼロ戦の次はハラキリである.

他に印象に残ったセリフ.

「人間が空を飛ぶんだったら,最初から神様は翼を用意してくれるよ」とレースの主催者のイギリスの新聞王が言えば娘は,

「お父様は鉄道をよく利用なさるけど,車輪はついていないわ

修道院の敷地に不時着したイタリア機.離陸を尼僧に手伝ってもらおうとお願いするも断られ,イタリア野郎ピンチ! そこで一言,

「この分じゃ,優勝はプロテスタントに持っていかれるな」

頭上を飛ぶイギリス野郎やアメリカ野郎.ここで尼僧達の態度が豹変.「カトリック信者が助けを求めているのよ,みんな手伝いなさい!」

なんだかんだ言って,楽しい映画ではある.

参考資料:

『ヒコーキ映画大全集』,航空情報5月臨時増刊No.359,酣燈社,1976.05.05.

『空飛ぶ映画館〜素晴らしき航空映画の世界〜』,航空情報別冊,酣燈社,1995.11.02.

(1999.02.05.記)(2000.02.03修正)

スワロウテイル,ポニーキャニオン,1996.

近未来の頽廃した日本を舞台にした話.渡部篤郎と山口智子のスナイパーカップルはかっこよかった.特に,悪役と対峙したとき,そいつらをライフルで問答無用で撃ち殺す渡部がシブい.あと,伊藤歩の胸が見えるシーンあり.

あとは,長くて退屈.それから,<円が価値があった頃>とか「円都」とかの設定が,あまりに身びいきで鼻につく.なんで頽廃した世界を描くのに,日本の価値をそこまで高くしておく必要がある? オタク的情熱なしに近未来を舞台にした映画にロクなものがない証左の一例.

(2000.01.29.記)(2000.02.03.更新)

世界の空軍ドッグファイト,1979?.

戦闘機とその戦闘に焦点をあてた軍用機のドキュメント映画.厨房の頃公開されて,私も足利東映に観に行った.同時上映は『ハロウィン2 ブギーマン』だった.ジョン・カーペンター氏はここで初めて知って,以後工房の頃『ニューヨーク1997』とか観てすっかりファンになった.

私はこの『ドッグファイト』が洋画だとばっかり思っていたが,実は日本製だったと後で分かった.何しろ,英語のかっこいいテーマソングと挿入歌を歌っているのが,ヒデ夕樹氏だったりする(日立の『この木なんの木』など歌っている人).なぜか洋画風に英語のナレーションがついて字幕上映だった.

面白いのは,この映画がTVで放送された時のこと.確か最初の放送の時はフォークランド紛争のあった年で,その際の英海軍のシーハリアーのシーンが追加されていた.

その次の放送は,次期FS-X(今のF-2)の機種選定でゴタゴタしていた次期で,なんとF/A-18ホーネットのシーンが妙に長くなっていた.つまり,映画の放送をスポンサーしていたところが,F/A-18の売り込みを図っていたらしい.

雑誌エアワールドなどの広告ページを見れば分かるが,海外の兵器を輸入する場合,防衛庁が直接海外の兵器メーカーと交渉するだけでなく,間に日本の商社(日商岩井とか伊藤忠とか)が入って仲介する.だから,上記のF/A-18のシーン追加は,多分裏で日本の商社が支援した結果なんだと思った.

確かに,FS-XはF/A-18を導入すれば性能は十分で,案外経済的だったろうし,配備も早くできたろう.トーネードも悪くない選択だったろうが,メートル法で設計された欧州機は,米軍機ばかりの自衛隊が扱うには,何かと問題が多いようだ.それでも,政府には「国産」という強い意向があったらしい.で,アメリカから非常に強い横槍が入り,紆余曲折の後結局F-16を改造するということで話がまとまった.同じ頃,同じくアメリカの横槍でイスラエルの国産戦闘攻撃機ラビが,初飛行までしながら開発中止の憂き目にあっている.

さて,F-2ができてみると,主翼,尾翼は面積を変更した新設計,胴体は延長,おまけにフライ・バイ・ワイアの操縦系のプログラムがソースコードの提供が受けられず国内開発,そういった大改造が行われる結果になった.これはすなわち,ほとんど新設計と変わらなということだ.純粋な国産戦闘機は実現しなかったが,国内の技術力向上という目的は,国産機の開発と変わらないぐらい達成されてしまった.思った以上に防衛庁も防衛産業もしたたかだと分かり,面白い結果となった.

(2001.06.02.記)

ソムリエ,1998.

最終回を観た.稲垣君の様子を見ていると,ワインて,何か危ないクスリでも入っているのではないかと心配になる.『ミスター味っ子』のワイン版といったところか?  しかし菅野美穂はいい役者だ.光の菅野,闇の中谷,といったところか.

(1998.12.22.記)



Written by Spangle Maker.