Mr.Suzuki:鈴木俊彦遺稿集第3回

”アメリカ・カナダの旅I"

photo/park_spoken_20050410.jpg    Glacier National Park

鈴木俊彦、玉子

第一章 ロッキーの山 

第二日目 カナダ入りを目ざして グレイシャー 四

ホテルの朝

 今朝は新がべらぼうに早く目覚めた。プールに行くんだと力んでいる。人間も目標のあるのは、張りがある。

 まだ、早すぎるというと、何時からだという。とにかく、プールを見にいくといってきかない。僕と二入で行ったが、九時からだと書いてある。八時過ぎ、少しは早くてもいいだろうと水着になって戸外に出た。ここのプールは水だからという母親の注意も聞かばこそ、よその腕白がすでに泳いでいる。僕と玉子の見物人をおいて、さっさと水の中、さすがに数年プール通いをしただけあって、達者なもの、それでも飛び込み台の下は数米の深さなので、目を話せない。
 だが、さすがに早朝、それも一〇〇〇米近い海抜の地、三十分ほどで上ってくれた。


 新の水泳はこれで終ったので、朝食をなるべく早く済まそうとしたが、大勢泊っている食堂は込んで、なかなかその段にならない。
結局、昼飯用に期待した握り飯を、各自の部屋で平らげることになった。


 そんなで、食事は簡単に終ったが、そのあと、家内達の買物になって、ロスタイムは長くなるぱかり。
 なるほど、ここの宿はアメリカの最北端らしく、それらしい土産品が多い。九時出発はだめ、十時も怪しい。いっそ、前庭など見物して、ゆっくり待とうということにした。
 花、インデアンの小屋、トーテムなど、ゆっくり見物してホールに戻ったが、まだ二人の買物は終っていない。やっと出て来たら、こんどは二人が庭を散歩しようということになった。

 それほど、ここの環境はよろしい。遠方に見えるのが、これから行こうとしている口ッキーの山々かも知れない。ここはグレイシャー国立公園の東南端であるから、左奥手の方に目ざすロッキーの山々がある筈。われわれは、今日はカナダに入るのだが、アメリカ側にもいくつかの景勝の地がある。昨日、湖の縁を廻らずに、スポーケンからすぐ北上して山に入れば、アメリカ側のロッキーを突き抜けて、ここへ来ているのかも知れないと息子は話してくれた。

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鈴木俊彦遺稿集

第1回:私の仏教観(1988)

第2回:ニュージーランドの旅(1990)
第3回:アメリカ・カナダの旅(1986)
 @まえがき

 A旅の準備とシアトル:飛行機の中

 B旅の準備とシアトル:シアトル着
 C第一章 ロッキーの山:第一日目 アメリカ西北部 一
 D第一章 ロッキーの山:第一日目 アメリカ西北部 二
 E第一章 ロッキーの山:第一日目 アメリカ西北部 三
 F第一章 ロッキーの山:第二日目 カナダ入りを目ざして グレイシャー 一:スポーケンの朝
 G第一章 ロッキーの山:第二日目 カナダ入りを目ざして グレイシャー 二:モンタナ
 H第一章 ロッキーの山:第二日目 カナダ入りを目ざして グレイシャー 三:蝙蝠