


Mr.Suzuki:鈴木俊彦遺稿集:第3回
”アメリカ・カナダの旅G"
Staying in Montana
鈴木俊彦、玉子
●第一章 ロッキーの山
第二日目 カナダ入りを目ざして グレイシャー 二
モンタナ
とにかく、今日は九時には出発しようと厳守を誓ったのにだめ、朝食後ホテル玄関に出たときは九時を廻っている。玄関にはカーターだのレーガンの写真が飾られており、有名女優のそれも掲げられているので、われわれも賓客ぷっての一枚、更に玄関前の石にのぼったこどもの写真など、わが家の家族は旅をいそごうとしない。
やっと十時近くになって出発、スポーケンはワシントン州だが東の外れ、これからアイダホ州を抜けて更に東し、モンタナ州、そこから北上して口ッキーに入る予定。たが、最初、道はやや南下してミズーラまで行く。そこから一直線に北上するという。道はいくつもあつ、川も幾筋もあり、湖沼もたくさんある。ロッキーの雪どけ水であろうし、いずれもコロンビア河に入るものと思われる。同じような広大な風景が続く、僕らには日本で見られない風景なので、見落すことが惜しい気がして「おい外をご覧」といっても男の孫は日本から持って来てやった漫画に夢中で、外など見ようともしない。さもなければ、チビ娘とけんか。親がそれを叱る。しぱらく、こども達に縁が遠くなっている私達には、まことに騒々しい限り。そんなことには頓着なく、窓の外はスプリンクラーの連続、乾草づくりの農民がちらほら点在する。牛馬の放牧も少なくない。牛はわかるが、馬がどうして、こんなに多いのか。
ミズーラの町に着いたのが午後一時、今朝からもう三〇〇キロも走り続けたのだ。ここいらで、ゆっくり昼食としようということにして、町の中央附近で、比較的立派な食堂に入る。珍しいことに、この食堂は川のまん中に作られている。いや、かなり大きな川をまたいで作られており、足の下は犬きな流れである。
室内は完全にアメリカ風の店、そこで、われわれも完全にアメリカ風の食事をとることにした。メニューを見たが、どれがいいかわからない。ここでは嫁さんの主導権によってアメリカ入好みの食事となる。べらぽうに量が多い。コーヒーもアイスクリームもふんだんにある。隣席のアメリカ人夫婦も、われわれに劣らない量の食事。さて満腹、暫く休憩しないことには動く気になれない。その閻にも、家内達は土産物あさり、何を買っているか知らないが、二人は結構楽しそう。それに、が大きく、後の席の又後に、外から入れられる部分があるので、買っても買っても、そこに入れてしまうので、苦にならない。こんなことは息子も車を借りるときは予想もしなかっただろうが、後の祭りになった。というよりはアメリカの車はみんなそう出来ているようだ。後で観光バスを見ていたら、日本のと違って、客の荷物は車内に持ち込ませないで、車の座席の下に外から荷物が入れられるようになっている。だから客席は日本のよりずっと高く、外を見下すようになっている。
一時間あまり食事休みをして、町の真中辺から一路北上。しかし同じような広い道が幾筋かあったので、どうも一つ闇違えたらし。、飛行場の側を通る筋から外れている。やむを得ずひき返して、やっとハイウェイに入る。
やれやれ三十分ほどのロスタイムをした。こんどは、湖の岸に出ることを地図上で確認しているが、湖だか河だかわからない。細長い豊曹国な水、フラットヘッド湖の左岸である。ここをいけぱカリスベルという町の筈で、やっとそれらしい町、ここまで来れぱ、今日の目的地、イーストグレイシャーは間近。そうときまれば急ぐことはなく、急にゆったりし出した。実はこの時、重犬な誤りをしているのだが。
そうこうしているうちに、予定の宿、グレイシャー・ナショナルパーク・ロッジに着。、名前はロッジになっているので、ホテルより小じんまりした宿を想像していたのに、バカでかい敷地に広犬な建物。今迄走って来た道を鉄道の駅で左に折れた。駅前といっても何もない。西の方、駅の広場か、宿のそれかわからないが、その広場の向うに、たった一つの建物が見える。外に何もないから、この建物が、ロッジという今宵の宿。
シアトルからどんどん東に向けて進んだのだが、七時というのに夕暮にはまだかなり間がある。ホテルでチェックインして部屋に案内された。驚いたことに、ホールから部屋から総て木造、ところが、その木造というのが、すぱらLい巨木を、皮もむかずにそのまま使っている。日本で一度だけ見た富士ビューホテルがこの形式だったが、規模がまるで違う。木の大きさ、規模、ケタ外れに大きい。ホールの柱は、大人が三人で抱えるほどのもの、それが両側に二十本位ずらり並んでて、三階まで吹き抜けになっており、その周囲が部屋やその他になっている。客室の犬部分は、この中央部のホールから両翼に伸びている建物で、右の方は食堂、左の方が廊下をへだてて客室、更に左の方と、後方に別棟の建物がある。千人位は泊れそうに思えた。
れわれの部屋はホールから出て廊下をへだてた建物の二階、例によって息子夫婦と隣り合せの二部屋。男の孫は、今日は寝袋を持ちこんで私達の方へ。それよりも早く、プールをせがんで騒いでいる。とにかく、シャワーを浴ぴて食堂に行くことにした。すでに九時寸前、食堂は九時までに終らせてほしいといわれているので、あやうくセーフ。ところが、とんでもない間違いをしていたが気付かない・・・・・・
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