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     種子島の核施設計画について


 鉄砲伝来から宇宙基地まで、なぜか日本の先端技術の窓口となってきた種子島に、使用済み核燃料中間貯蔵施設の誘致問題が蠢(うごめ)きはじめた。(中略)建設業者らが音頭をとり、すでに数百人を東電・福島原発へ無料の“リサイクル燃料備蓄見学会”に連れ出している。
 候補地は、西之表市の沖に浮かぶ無人島の馬毛島(まげしま)、東海岸の立山、同じく増田(中種子町)の三か所と見られる。ニホンジカの貴重な亜種マゲシカの生息地である馬毛島は、これまで日本版スペースシャトル基地誘致をめざす市に対して、ほぼ全島を所有する立石建設(本社東京)が、産業廃棄物を持ち込み、帰りの船で砕石を積み出す事業を計画中だった。市議会では社長が「核施設には土地を売らない」と明言しているものの、国からの買い上げ圧力が高まっているとも漏らす。いっぽう、地元で増田が本命と目されているのは、冬に吹き荒れる西風対策か。

使用済み核燃料中間貯蔵施設とは
[住民勉強会資料]

1.使用済み核燃料とは何?
原子力で発電するために核分裂させたウラン燃料棒の“燃えかすで”、薪ならまだ煙を出してくすぶっている状態のもの。半減期2万4000年の猛毒プルトニウムなど20種類以上の高レベル放射性物質が含まれる。5年たっても1トンあたり1キロワットの熱を出すので冷やし続けなくてはいけない。いままでは各原発の敷地内のプールで貯蔵していたが、もう満杯に近づいている。

2.中間貯蔵とはどういう意味?
計画では、使用済み核燃料を青森県六ヶ所村の再処理工場などに運んでプルニウムを取り出し、それを高速増殖炉で燃やしてもっとプルトニウムを増やす「核燃料サイクル」をめざしていた。ところが、この計画は危険で難しいため世界中で中止され、日本でも相次ぐ事故で立ち往生している。そのうえ、最終的に核のゴミを安全に処分する場所も技術もめどが立たない。そこで、行き場のない使用済み燃料を原発の外に運び出すため、それを「中間貯蔵」と呼ぶことにした。

3.どのくらいの量を貯めるの?
1年に約500トン、西日本のあちこちの原発から船で運び込む。これには広島型原爆1万5000発分以上の死の灰が含まれている。一つの施設は5000トン貯蔵できるように作る予定。

4.いつまで置いとくつもり?
計画では20〜30年だが、政府の答弁でも100年近くなりそうで、さらには永久的な捨て場になるかもしれない。もし原子力利用についての現在の計画がうまくいけば、この施設には2095年ごろまでつねに5000トン分が貯蔵される(出入りはある)。しかし実際には計画どおり進む見込みがないため、運び込んだらそのまま高レベル核廃棄物の最終処分地になる可能性は高い。

5.危なくないの?
水で冷やす湿式とガスで冷やす乾式が検討されているが、長い年月にわたり放射能を完全に閉じ込められる技術は存在しない。冷却や管理用の電気が途絶えたり、核ジャックに狙われたり、天災や戦争で施設が壊れたりすることはありうるし、核燃料の輸送にも容器や船の事故といった危険がつきまとうので、輸送経路と施設周辺の環境汚染や住民の被爆が心配。またこの施設については、完成後の運営を国や電力会社から切り離し、倉庫業者のような民間にまかせられる新しい法律ができたため、長期間の責任や管理能力が採算や効率の犠牲になる不安は大きい。

6.どうすればいいのかな?
使用済み核燃料の取り扱いについてはいろいろな意見があるけれど、まずこれ以上作らないことと、なるべくいまある場所から放射性物質を動かさず、たくさんの人の目のとどくところに保管することが大切。原発反対・賛成にかかわらず、みんなで知恵を出し合って考えていきましょう。あなたはどうしたらいいと思いますか?

           (「原子力資料情報室」刊行物からの抜粋)