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プレス/ネットリリース#5 by 核廃棄物の中間貯蔵施設をつくらせない市町村議員住民連絡会・屋久町事務局 「鹿児島県議会も種子・屋久地域への中間貯蔵施設立地反対表明!」 (付録) 緊急アピール――今国会に政府与党が上程・成立をめざす原発特措法を廃案に! 〈原発推進特別措置法案反対集会〉 日時: 11月14日(火)午後2時〜3時30分 会場: 参議院議員会館・第1会議室(100人規模) 内容 : 法案内容の説明と批判、各界からの発言 主催:「原発推進特措法を廃案にする実行委員会」 Email: hide@jca.apc.org Fax:03-3500-4640 [要約] さる10月3日、鹿児島県議会は熊毛(種子・屋久)地域への使用済み核燃料中間貯蔵施設立地に反対する陳情3本を一括採択。いっぽう中種子町議会も9月28日、屋久町(3月)、西之表市(6月)に続いて核物質拒否条例を制定。種子島への中間貯蔵施設誘致に対する壁はいっそう高くなった。こうした予防措置は波及の兆しを見せ、10月16日には北海道議会が都道府県として初の核抜き条例を制定した。 誘致推進派は2001年2月に予定される西之表市長・市議同時選挙での巻き返しや、十島村(鹿児島郡/トカラ列島)への立地工作を図っている模様。最有力候補地とされていた馬毛島の採石事業計画をめぐっては、西之表市民を中心に「馬毛島の自然を守る会」が発足。法的手段を含めて事業の妥当性を問い直す構え。 [本文] お待たせしました、久々のリリースです! いろいろな経緯を見守っていて更新が遅れたことをお詫びします。 ●県議会で 私たち《核廃棄物の中間貯蔵施設をつくらせない市町村議員住民連絡会・屋久町事務局》(以後「連絡会」)と《核施設はいらない島民の会・上屋久町》が合同で4月以来じっくり取り組み、全国各地からたくさんの方々に協力いただいた島外者署名は、9月11日に第1次集約を行なった結果、1万6943人分が集まりました。翌12日、署名を添えた陳情書を鹿児島県議会に、県知事には陳情書のみを提出。陳情はまず自民党の建設部会で了承のうえ、議会の建設企画委員会を通過して、10月3日の最終本会議で採択されました。 このさい、同じ屋久島の二つの住民グループが6月に島民7413人分(人口の約53%)の署名を添えて提出し、継続審査扱いになっていた同趣旨の陳情書も、また会期前の8月《グリーンコープかごしま生協》が独自に3400人分の署名を添え提出していた反対陳情書も、一括して採択されました。グリーンコープ集約分と合わせると、2万人を越える島外者署名が集まったことになります。署名に協力していただいた方々には、この場を借りて深くお礼申し上げます。なお、種子島への中間貯蔵施設誘致問題はまだ予断を許さないため、島外者署名はこのまま継続することにします。引き続きどうぞよろしく。 いっぽう鹿児島県知事からは、「(中間貯蔵施設建設の話は)県として全く聞いていないところであり、種子島において、そのような施設を誘致する考えはありません」と、6月の陳情に対するものと同文の回答が届きました。 ●種子島で 9月28日には種子島の中種子町議会でも、3月の屋久町、6月の西之表市に続いて核物質拒否条例が制定されました。条例は文末に示すとおりで、西之表市の条例とほぼ同文になっています。屋久島の上屋久町でも12月議会で制定が予定されていて、残る南種子町が動けば種子・屋久両島の1市4町すべてで拒否条例を掲げることになり、上記の鹿児島県知事および県議会の意思表明と併せ、熊毛地域への中間貯蔵施設誘致・立地は現時点できわめて難しくなったと考えられます。 けれども種子島への誘致工作を進めていた人たちは、2001年2月に予定されている西之表市長選・市議選に誘致推進候補を立て、粘り強く理解を広げていきたいと主張しています。同時に、種子・屋久地域ではとりあえず形勢不利と判断したためか、奄美大島とのあいだに点在するトカラ列島の鹿児島郡十島村(としまむら)を候補地として水面下の働きかけに入っているとも伝えられます。北から口之島、中之島、諏訪瀬島、平島、悪石島、小宝島、宝島と続く十島村(無人島は臥蛇島・横当島)は、村役場が鹿児島市内にあって住民と行政が離れているなど、見えないところで根回しを進めやすいと狙われたのかもしれません。しかし、私たちが種子島への誘致に反対するさい主張してきたように、核廃棄物の貯蔵施設を衆目の届かない離島に立地することには安全面その他で重大な問題がたくさんあり、候補地が変わってもそれは同じです。黒潮本流はトカラから種子・屋久へ、鹿児島へ、列島本土沿岸へと放射能汚染を運びます。必要に応じて十島村の住民や議員、行政関係者と連携しながら、トカラ列島への誘致工作もチェックしていきたいと思います。 ●馬毛島をめぐって 種子島の最有力候補地とされてきた馬毛島(まげしま)では、土地の98%以上を所有する東京の立石建設/馬毛島開発が採石事業を計画していましたが、8月はじめに鹿児島県の認可(1年限定)がおり、2001年早々にも着工すべく準備中と伝えられます。ところが、肝心の砕石をどこにも持ち出さない事業内容といい、県や西之表市には「海とは無関係」と申請しながら、許可後の新聞インタビューで立石社長みずから「採石跡は3500トン級の船舶が着岸できる水深10メートルの港として活用したい」と発言したことといい、疑問が拭えません。「先々、核施設に化けてしまうのではないか」、「かりに採石事業だとしても、搬出船の帰りに都市部から危険な産廃を持ち込むのではないか」など、多くの懸念材料が挙げられています。 そこで種子島では、中間貯蔵施設の反対運動とは別に新しく「馬毛島の自然を守る会」(Tel: 09972-3-1822)が結成され、マゲシカをはじめとする貴重な自然生態系や文化遺産の保護に取り組むことになりました。会報『風の島だより』の発行や、活動の輪を広げるフリーマーケット開催、Tシャツづくりなどが行なわれています。また、公の場で採石事業の内容を問い直す試みとして、10月上旬、有志が総理府外局の公害等調整委員会に裁定を申請し、受理されました。意見陳述のため上京したり、首都圏の弁護士を代理人に依頼したりと、お金もエネルギーも必要な取り組みですが、採石着工を引き延ばしながら、委員会独自の現地調査を求めたり、裁定プロセスを通じて内外に広く問題を訴えたりできるメリットがありそうです。 馬毛島海域を漁場とする漁協関係者も危機感を強め、採石事業着工に不可欠な唯一の荷揚げ港周辺に共有地を持つ地権者の会(塰泊[あまどまり]漁民約60名で構成)は9月末、馬毛島開発の採石計画に対して当面、土地使用許可を与えないことを決めました。西之表市議会でも、馬毛島開発への不可解な市道売却問題などが取り上げられ、調査がはじまっています。 私たち連絡会では、核廃棄物の中間貯蔵施設に反対する組織が馬毛島の採石事業阻止にそのままスライドするのは無理があるため、有志が「馬毛島友の会」(仮称)という別組織を立ち上げ、「馬毛島の自然を守る会」を支援していこうとしています。12月中旬には代理人弁護士が種子島入りするのに合わせて屋久島でも学習・交流会を開き、今後の見通しを話し合う予定。 ●川内原発増設について 鹿児島県議会での反対陳情採択に戻ると、同じ最終本会議で川内(せんだい)原発3号機増設につながる環境影響調査へのゴーサインも出されて、かたや核廃棄物の製造工場を増やし、かたやそのゴミの行き場はつくらせないという矛盾含みの結果となりました。見方によっては、種子・屋久の中間貯蔵反対が川内原発増設容認の取り引き材料に使われたとも言えます。私たちは地域ぐるみ一定の予防線を張ることができて一息ついたわけですが、いま鹿児島県民として将来世代と国際社会に負う一番大きな責任が、川内原発の増設をストップすることだと考える人は連絡会の中にも少なくありません。 計画される3号機は一五〇万キロワットと世界一の規模になるうえ、余剰プルトニウムを焼却処分するためウランにプルトニウムを混入したMOX燃料を一部、ないし全量装荷できる改良型加圧水型炉(APWR)を採用する予定で、県当局と県民に正式な申し入れも議論もないまま最初からプルサーマル(MOX燃料の使用)の実施という重大な結論が組み込まれてしまっています。使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出し、それを高速増殖炉で永遠に増やしつづけるなどという夢物語の国策は、もはやまったく成算がありません。欧米と同じく再処理をしない方針に転換すればプルトニウムは生まれず、ウラン用の原発にプルトニウムを混ぜて燃やすプルサーマル計画も不要になります。あくまでそれに固執するのなら、兵器用のプルトニウムを確保する隠れた意図を疑われざるをえないでしょう。 こうしたさまざまな意味で川内原発3号機増設には多くの問題があり、今後連絡会としても屋久島から増設反対に向けて何ができるのか検討していくつもりです。世界的な脱原発の潮流や、国内における事故・不祥事の多発により、保守王国でさえ原子力発電への風当たりは強まっています。たとえば川内原発3号機の環境影響調査に対しては、隣接する阿久根市議会、阿久根漁協、鹿児島県漁協連合会などが、増設に直結するものとして相継いで反対決議を行ないました。県漁連といえば、地元選出のベテラン自民党代議士・山中貞則氏の支持母体ですから、時代の変化を実感せざるをえません。 じつは電力会社もこれらの変化を察知していて、内心プルサーマルはやりたくないし、新規の原発建設も経済性に不安があって本意ではないようです。だとすれば、これからの脱原発運動は電力会社も巻き込んで、巨額の国庫補助などに頼らない健全経営への構造改革を促す広がりと奥行きをもつ必要があります。たとえば、川内原発3号機増設にかかるより安い費用で、予定される一五〇万キロワットの電気を、最先端の省エネ技術の活用により節約できる現実的方策(発電をするかわりに電力需要を削減する、つまり負の発電をするという意味で「ネガワット・オプション」と呼びます)を打ち出せたら、九州電力は公益企業としてそのオプションを選択する義務があるのではないでしょうか。それは二酸化炭素排出削減=温暖化防止対策としても、原発増設より何倍かすぐれた選択肢のはずです。 ネガワット・オプションは欧米で多くの成功例を生んでおり、このような発想の転換にじゅうぶん現実味があることを示しています。屋久島らしい増設STOPの働きかけとして、鹿児島本土や川内現地の反対運動支援とともに、ネガワット・オプションの共同研究推進なども視野に入れていきたいと思います。 ●広がる波紋 もう一つ、屋久町からはじまって種子・屋久地域に広がりつつある包括的非核条例(非核宣言や非核条例の適用範囲を原子力の軍事利用から平和利用まで拡大する)の波紋が、遠く北海道にまでおよんだニュース。幌延町に放射性廃棄物の最終処分場計画を抱えてきた北海道庁は、幌延に核燃料サイクル機構による深地層処分の研究施設建設を許可するかわり、それを最終処分地にしないための担保措置として10月16日、道内に高レベル核廃棄物を持ち込ませない条例を都道府県でははじめて制定しました(条例文は文末参照)。これに先立ち、北海道新聞の記者が種子・屋久両島の中間貯蔵施設反対運動と核物質拒否条例制定の経緯を取材に訪れ、北海道庁がここの動向を参考にしていることを知らせてくれました。ただし北海道の条例は、その後の記者の報告に「核抜き、骨抜き」とあったとおり、道議会与党内の妥協の産物であるばかりか、通産省や科学技術庁のお墨付きまでもらっていて、「(高レベル廃棄物の)処分法が確立されれば受け入れを認める」という解釈の余地を残した中途半端なものです。ないよりはましとはいえ、原子力まで含めた非核条例の輪を広げるうえでは、あまり良い手本ではないかもしれません。 このほか、中間貯蔵施設は青森県の大間市長が受け入れの意向を示すなど、全国で水面下の候補地選びが進行しているものと思われます。九州では、原発立地の火種が残る宮崎県の串間市も中間貯蔵候補地の疑いが消えません。引き続きウォッチしていきます。 最後に、発足以来全力で走ってきたため対外的な広報媒体がこのプレス/ネットリリースとホームページしかなかった連絡会ですが、女性メンバーを中心にわかりやすい会報『Yaku Taneニュース』を発刊しました。8月にB5版12ページの第1号を発行し、現在12月上旬発行をめどに第2号の編集中です。地方色豊かな楽しい内容が好評です。ご希望の方は「会報〜号〜部」と明記のうえ、1部につき300円を下記の郵便振替口座へ振り込んでください。年間2000円で会報4回つきの賛助会員もお得です。 *このリリースは引用・転載自由です。 事務局ホームページ http://www3.ocn.ne.jp/~nonukes/ 連絡先:Tel/Fax: 09974-8-2861(羽生) Tel/Fax: 09974-7-2898(星川) Email: stariver@ruby.ocn.ne.jp 郵便振替口座: 01740-5-44907 住民連絡会 [参考資料] ●放射性物質等の持込み拒否に関する条例 (中種子町条例第36号・平成12年9月28日公布・施行) (目的) 第1条 この条例は、「非核町宣言に関する決議」(昭和60年9月19日決 議)の精神を具体化し、放射能の影響から町民のいのちと生活を守り、次代を担う子供たちに、美しく豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を残し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において「放射性廃棄物等」とは、原子力発電所から発生する使用済燃料や、使用済燃料を再処理する過程で生まれる放射性廃棄物を言う。 (基本施策) 第3条 中種子町は、放射性廃棄物等の処分、保管及び研究に関するすべての施設の建設を拒否する。 2.中種子町は、いかなる場合も放射性廃棄物等の町内持込みを拒否する。 (立場の公表) 第4条 中種子町は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通告して、その立場を明らかにする。 (委任) 第5条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 附則 この条例は、公布の日から施行する。 ●北海道における特定放射性廃棄物に関する条例 (北海道条例第120号、平成12年10月24日公布・施行) 北海道は、豊かで優れた自然環境に恵まれた地域であり、この自然の恵みの下に、北国らしい生活を営み、個性ある文化を育んできた。 一方、発電用原子炉の運転に伴って生じた使用済燃料の再処理後に生ずる特定放射性廃棄物は、長期間にわたり人間環境から隔離する必要がある。現時点では、その処分方法の信頼性向上に積極的に取り組んでいるが、処分方法が充分確立されておらず、その試験研究の一層の推進が求められており、その処分方法の試験研究を進める必要がある。 私たちは、健康で文化的な生活を営むため、現在と将来の世代が共有する限りある環境を、将来に引き継ぐ責務を有しており、こうした状況の下では、特定放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難いことを宣言する。 附則 この条例は、公布の日から施行する。 |