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    プレス/ネットリリース#4


                       (2000年7月10日)
by 核廃棄物の中間貯蔵施設をつくらせない市町村議員住民連絡会・屋久町事務局
「最有力候補地・馬毛島を抱える西之表市(種子島)が核物質&核施設拒否条例制定!」

[要約]
 種子島で本格化した中間貯蔵施設誘致の動きを封ずる形で、さる3月の屋久町(屋久島)に続き、西之表市議会が6月30日「放射性物質等の持込み拒否に関する条例案」を採択、7月6日に公布・施行された。
 これまで表立って反対の動きがなかった南種子町でも、6月27日に町議会が全会一致で反対決議。反対決議は種子島・屋久島の1市3町におよんだ。残る中種子町でも9月議会では反対決議の見込み。また、9月議会では上屋久町、南種子町が拒否条例制定をめざす。
 いっぽう、屋久島全島民の半数以上の署名を添えて鹿児島県知事および県議会に中間貯蔵施設立地への反対表明を求めた陳情は継続審査扱いに終わった。
 建設業者を中心とする種子島の推進派は、なおも巻き返しを図る意向で、国内初の中間貯蔵施設誘致をめぐる情勢は予断を許さない。

[詳説]
 1999年、使用済み核燃料中間貯蔵施設候補地として国内ではじめて誘致の動きが浮上した種子島と、世界自然遺産登録地である隣の屋久島では、2000年に入って次々と反対組織が生まれ、活発な“予防”活動を展開してきました。行政側もこうした住民意思に応えて、3月末までに西之表市(種子島)、屋久町・上屋久町(ともに屋久島)で議会の誘致・立地反対決議、これに中種子町を加えた1市3町で市長・町長の反対声明が行なわれ、私たちの住む屋久町では、核兵器を含むすべての放射性物質の町内持ち込みと、あらゆる原子力関連施設の種子島・屋久島地域(通称「熊毛地域」)立地を拒否する全国初の画期的な包括的非核条例が制定されました(リリース#1〜3参照)。
 いっぽう1999年夏以来、400人以上の種子島住民を福島第一原発への無料見学ツアーに連れ出すなど、水面下の誘致工作を続けていた推進派は、2000年5月前後から2つの推進組織の名前で表面に出ると、議会折衝、原発推進学者などを招いた勉強会、大量のチラシ配布や立て看板設置、接待パーティ、推進期成集会、署名運動、推進陳情などにより一挙に形勢逆転を図りました。主な舞台は、最有力候補地とされる無人島・馬毛島(まげしま)を抱える西之表市で、誘致反対の住民組織「核施設をつくらせない市民の会」が8900人分の署名を添えて6月市議会で制定を求めた核物質&核関連施設拒否条例の制定を阻むのが目的でした。
 金と雇用裁量権(署名や集会に参加しないと仕事をさせないという脅し)を使った動員で、誘致派も1万3000人分の署名を集めたり(市議会事務局は多数の不正が含まれていたと発表)、3000人の決起集会を開いたりしましたが、市議たちの良識と勇気により最終本会議で条例案は賛成多数(17対2)で可決(文末に条例全文)。誘致のハードルはかなり高くなりました。対する誘致勢力は議員リコールや、2001年の市長選・市議選での推進派選出をめざすと主張しているようです。
 島中におびただしい数の推進立て看板が並び、漁業補償や建設雇用について事実無根の誇張した数字が飛び交う種子島では、すでに核施設候補地でおなじみの地域分裂や住民の精神的動揺がはじまって、心ある人びとの胸を痛めています。離島への核廃棄物貯蔵施設立地という無謀な計画がどこから出ているのかわかりませんが、私たちとしては種子・屋久両島の全自治体で民意にもとづく制度的な守り(拒否条例制定など)を固めるとともに、誘致運動が無益であることを明らかにし、早期の沈静化をめざしたいと思います。
 この意味で、南種子町議会の反対決議は心強いものでした。残る中種子町(町長は反対声明済み)も、3月には「核施設をつくらせない町民の会」が地域地盤をしっかり固めて発足しており、次の9月議会で反対決議、12月議会で拒否条例制定の見込みはほぼ確実と思われます。9月議会では南種子町、上屋久町でも条例制定が見込まれています。2000年末までに、熊毛地域全体が核兵器と原子力関連物質・施設の両方を認めないスーパー非核地帯となるかもしれません。

 このかん、屋久島では私たち「核廃棄物の中間貯蔵施設をつくらせない市町村議員住民連絡会・屋久町事務局(以後、「連絡会」)」と隣町の「核施設はいらない島民の会・上屋久町」が共同で島内署名運動を進め、6月9日に7413人分(全島民の約53%)の署名を添えた陳情書(中間貯蔵施設の熊毛地域誘致・立地への反対声明を求める)を知事と議会の両方に提出しました。しかし、県内に川内原発を抱える議会自民党の慎重論で陳情は惜しくも継続審査扱いとなり、知事の正式声明も引き出すことはできませんでした。ただし、3月の県議会で「馬毛島はHOPE(日本版スペースシャトル)の着陸場として誘致しており、核関連施設の誘致は考えていない」と表明した須賀現知事は、屋久島からの陳情団に同じ姿勢であることを強調しました。7月の知事改選後、知
事への再度の働きかけを考えるとともに、9月の県議会には継続議案として陳情を採択するよう求めていきます。
 また、4月以来島内署名と並行してはじめた島外署名も、9月県議会をめどに集約して、中間貯蔵施設立地に関する最終諾否の鍵を握る県知事に届けるつもりです。島外署名は、「グリーンコープかごしま」でも全組合員(1万3400人)への署名用紙配布から集約まで独自の取り組みをしてくれることになりました。個人・団体を問わず、ご協力は大歓迎です。署名用紙は連絡会ウェブサイト(開設が遅れてすみません!)か隣の上屋久町「島民の会」ホームページからダウンロードしたうえ、グループ内などで配布する場合は裏表にコーないし印刷してください。郵送で送り返していただくのは表の記名ページだけでもけっこうです。
 なお、3月30日に施行された屋久町の「放射性物質等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例」は、誤植など一部表記を改めるため6月議会で改正されました(趣旨は変わらず)。文末に改正後の全文を引用します。

 4月に連絡会が提案して参加した種子・屋久両島の反対派有志による初の交流会では、人と人の絆を深めることができ、その後の連携に大いに役立ちました。とくに、これまで動きの見えなかった種子島漁協の若手有志と交流がはじまったことは収穫です。
 5月には、青森県六ヶ所村の核燃サイクル施設建設に対して息の長い裁判闘争を挑む「一万人原告団」の代表・浅石紘爾(こうじ)弁護士を迎え、講演会を開きました。すでに実質的な中間貯蔵がはじまり、鹿児島の川内原発からも使用済み燃料棒が運び込まれている六ヶ所村の経験をじかに聞けたことはたいへん有意義で、連絡会の結成主旨にも沿うものでした。
 続いて7月8〜9日には、日本を代表する社会派ルポライター鎌田慧(さとし)さんの講演会を種子・屋久両島で開きました。鎌田さんの来島は、誘致活動の本格化にともない、より多くの人びとに問題を知らせたいという私たちの要望に応えた現地取材が主な目的でした。近く『週間金曜日』に連載中の「日本原発列島」に取り上げられます。
 6月には屋久島観光協会と屋久島ガイド連絡協議会でも、種子島の中間貯蔵施設への反対決議が行なわれました。

 もう一つ特記すべきは、5月中旬にNHKの「生きもの地球紀行」が世界ではじめてマゲシカの暮らしぶりを紹介したことです。マゲシカは地球上で馬毛島だけにしか生息しないニホンジカの亜種で、周囲12kmという小さな島に約500頭という、亜種として存続するうえで下限に近い厳しい条件のもと、過去数百年から長ければ数千年(最終氷河期の終焉以来?)独特の生態を営んできました。オスの群れは食物の少ない海岸部に、メスの群れは島中央の森にと棲み分け、冬場はオス(とくに1年仔)が自然に間引かれて数が増えすぎないようにしたり、草食なのに死んだ仲間の骨をしゃぶってリンやカルシウムを補給したりと、たいへん珍しい習性を発達させています。
 番組を見た多くの人たちが、マゲシカの世界的価値に目を開き、馬毛島をマゲシカのサンクチュアリ(特別保護区)にする必要性を痛感しました。核のゴミ置き場は論外ですが、現在、鹿児島県や西之表市が公式に誘致を希望している日本版スペースシャトルの着陸場も、馬毛島の98.5%を所有する立石建設/馬毛島開発が計画している採石事業も、マゲシカたちの生息環境に悪影響を与えることは必至です。またマゲシカ以外にも、馬毛島近海は屋久島が霧島屋久国立公園になったとき公園への編入が提案されたほど、サンゴ、貝類、ウミガメなど海の生態系が豊かな場所だといわれ、今後、研究者や国際的な自然保護団体とも連携しながら、なんらかの保護区化について具体策を検討していきたいと思います。
 しかし、その立石建設/馬毛島開発の採石事業に対して、鹿児島県の認可が7月末にもおりようとしているのが心配です。表面上は核廃棄物中間貯蔵施設誘致と一線を画しているようで、後ろ盾に住友・太平洋クラブの影が濃いこと、200m×200m×深さ15mの穴をダイナマイトで掘るだけで採石をどこにも持ち出さず、その先には採石事業に似つかわしくない1000m滑走路が予定されている事業計画の怪、かりに採石事業だとしても陸上・沿岸生態系が大きく攪乱される危険――近海を漁場にする種子島の漁師たちや、わずかに残る私有地の地権者たちは、そうした不審な要素に危惧をつのらせています。
しかも、立石建設がいずれ核施設に土地を転売してしまわないという保証はありません。
「私企業が自分の土地でやることを規制できない」という姿勢の鹿児島県は、いまのところ環境アセスメントに類したことを行なうつもりがありません(採石事業には環境影響評価ないし調査の義務づけなし)。マゲシカを含む馬毛島の貴重な生態系の価値を訴え、超法規的な環境アセスを行なう可能性を探っています。


*このリリースは引用・転載自由です。
事務局ホームページ http://www3.ocn.ne.jp/~nonukes/ (もうすぐ開設!)
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郵便振替口座: 01740-5-44907 住民連絡会

リリース#1 http://www.realwave-corp.com/16kouryu/kaku/kaku1.htm
#2 http://www.realwave-corp.com/16kouryu/kaku/kaku2.htm
#3 http://www.realwave-corp.com/16kouryu/kaku/kaku3.htm
隣町の「核施設はいらない島民の会・上屋久町」もホームページ
http://www1.ocn.ne.jp/~yakuisl/ を開設しています。

[参考資料]
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放射性物質等の持込み拒否に関する条例
(西之表市条例第XX号・平成12年7月6日公布・施行)

(目的)
第1条 この条例は、「核関連施設立地に反対する決議」(平成12年議決第46号)及び「非核西之表市宣言に関する決議」(昭和60年議決第119号)の精神を具体化し、放射能の影響から市民のいのちと生活を守り、次代を担う子供たちに、美しく豊かな自然と安心して暮らせる生活環境を残し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において「放射性廃棄物等」とは、原子力発電所から発生する使用済燃料や、使用済燃料を再処理する過程で生まれる放射性廃棄物をいう。

(基本施策)
第3条 西之表市は、放射性廃棄物等の処分、保管及び研究に関するすべての施設の建設を拒否する。

2.西之表市は、いかなる場合も放射性廃棄物等の市内持込みを拒否する。

(立場の公表)
第4条 西之表市は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通告して、その立場を明らかにする。

(委任)
第5条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附則
この条例は、公布の日から施行する。

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放射性廃棄物等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例
(屋久町条例第34号・平成12年3月30日/改正第38号・平成12年6月30
日)

(目的)
第1条 この条例は、非核に関する決議(平成元年屋久町決議第3号。以下「非核決議」という。)の精神を具体化し、放射能による被害から町民の生命と生活を守り、世界遺産に登録された屋久島の豊かな生態系の放射能による汚染を予防することによって、現在及び将来の町民の健康と文化的な暮らしを保障し、自然と調和した地域の発展に資することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において「原子力関連施設」とは、原子力発電所並びに核燃料(使用済燃料を含む。)の加工施設、中間貯蔵施設、再処理施設及び濃縮施設並びに放射性廃棄物の最終処分場並びに研究施設など、原子力の利用と研究にかかわるすべての施設をいう。
2 この条例において「放射性物質等」とは、非核決議が対象とするもののほか、原子力関連施設から発生する使用済核燃料又はさまざまなレベルの放射性廃棄物など、原子力の利用と研究に供され、又はそれに伴って発生し、若しくは廃棄されるすべての放射性物質をいう。
3 使用済燃料を「リサイクル燃料」と呼ぶなどの名称の変更は、この条例の効力を損なうものではない。

(基本施策)
第3条 屋久町は、いかなる場合も放射性物質等の町内持込みを拒否し、またいかなる場合も原子力関連施設の熊毛地域内への立地及び建設に反対する。ただし、医療用放射性物質の利用など、この条例の趣旨に反しないと町長が認めるときは、この限りでない。

(立場の表明)
第4条 屋久町は、第1条の目的を達成するため、国及び関係機関に対し、前条の基本施策を通知して、その立場を明らかにする。

(立入調査等)
第5条 町長は、第3条に規定する基本施策を進めるうえで必要と認めるときは、関係機関及び関係施設に対して関連情報の提供を求めることができる。
2 町長は、第3条に規定する基本施策を進めるうえで必要と認めるときは、疑いのある原子力関連施設に対して報告を求め、必要な限度において関係場所へ職員を立ち入らせて状況を調査させることができる。
3 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
4 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪調査のために認められたものと解釈してはならない。
5 町長は、この条例の趣旨に反すると認める原子力関連施設の責任者に対し、施設の供用及び操業の即時停止を求めることができる。

(委任)
第6条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附則
この条例は、交付の日から施行する。